F-1開幕戦のコースをビールガチャガチャいわせながら走る仕事

ワーホリに出発する前の準備に、国際運転免許証の発行は絶対しといたほうが良い!
レンタカー借りてドライブするのも良いし、15,000円くらいの中古車買って日頃の足にするのも良い。そして配達や営業の仕事をするのも良い。

私はそれらを全部やった。

仕事が「日本食材の卸売」だったので、メルボルンの近くにある"ジャパレス"に片っ端から食材を配達しまくった。

・寿司のりや寿司酢、イナリの皮、冷凍のエビなど「寿司の材料」
・醤油、料理酒、みりん、ワサビ など「調味料」
・キューピーマヨネーズ、ラーメンスープ、ハウスのカレールウ、麺類など「日本独特のもの」
・スーパードライやカルピス(CALPICO)など「飲料」
・米、小麦粉、パン粉などの「穀物」

他にも細々と、「そんなモンまであるのか!」っていう食材まで卸していた。トビッコとか、中華わかめとか…

メルボルン近郊のジャパレスの数は2001年当時で200くらいあった。
とは言っても、全部が全部、客席を構えた「レストラン」ではなくて、スシバーみたいなテイクアウェイ専門の店舗もある。それに全部が純粋に日本食のみを扱っているお店なのではなく、取引先の半分程度が日本人で、もう半分は中国や韓国の方が圧倒的に多かった。

メルボルンに移住している外国人は基本的に皆パワフルでフレンドリーだったから、お客さんの所に配達に行くのは楽しかった。

外国でクルマを運転するのもエキサイティングだし、オーストラリアは基本的に日本と運転のルールが同じなので混乱することも少なかった。

強いて言うなら

「ラウンドアバウト」っていう、日本では聞き慣れないタイプの交差点があって(2020年現在は日本にもわずかに導入されている)、右側優先なことと、

踏切で一旦停止しないこと(一旦停止しちゃうと追突される恐れがあってむしろ危険)、

トラム(路面電車)が走ってること、

独特なETCシステムがあること、

…など、細かい点で慣れが必要なことはある。

あと、メルボルンならではのエキサイティングなこととして、

F-1開幕戦のコースが日頃は公道になってるコト‼︎

がある。シューマッハや佐藤琢磨がカッ飛んでるコースを、日頃は配達用ワゴンで荷台のビール瓶をガチャガチャ鳴らしながら走ることができる!

ただし、バックストレートの最初と最後にはタルみたいな緩衝材が配置されて無理矢理クランクが作られており、シューマッハ気分でスタンド前をブッ飛ばせないようにしてある。

これは帰国してからも一部の男子には非常に興味を持たれるネタである。

もっと話すと、F-1開幕戦当日は、午前中に著名人や一般応募の選手によるミニクーパーのレースが行われたり、戦闘機が航空ショーをやったりしてお祭り騒ぎになる。

レース本番もひたすらすごい音を立てて信じられないスピードのF-1カーが走り回る。
私が観た年は、ミハエル・シューマッハが優勝した。

そんでレースが終わると観客席からコースに降りて、一周グルリと歩くことができる。
派手にコースアウトした所に残されたブレーキ痕や、全てのレーシングカーが通ってできたコース取りの痕跡が見られて興味深いし、ピットに残っているクルーに手を振ったり、思ってた以上にすごくユルい。

日本でもそうなのだろうか…?

とにかく、メルボルンでワーホリをするなら、食材配達の仕事はオススメできる。

誰よりも街に詳しくなれるし、貴重な体験もできるし、給料も悪くない。身体も鍛えられる。日本食が毎日食べられるからホームシックにもならない。コミュニケーション能力も向上する。

これからワーホリを考えてる人は、日本食材卸売りの仕事は是非探してみて欲しい。

いいなと思ったら応援しよう!