散髪のお話
オレあんまりデザイン性の高いヘアスタイルとか興味なくて、パーマとか。今もシンプルにセンターパートのツーブロックで、白髪も染めず、できれば坂本龍一とかアンディ・ウォーホルみたいな感じが良ェなとか思ってるのね。
だから1回ビシッと西のダンナのお店でキメてもらったら、しばらくは「伸びた分だけカット」とか、「ツーブロックのトコと後ろの刈り上げだけ」とかのメンテナンスで結構良ェ感じをキープできちゃうの。
西のダンナにカットしてもらうのは最高に贅沢で、なんたって元・日本チャンピオンだから、その腕も折り紙つきで、まァ…アイロンパーマのチャンピオンなんだけど…でも!でも理容の技術としてはトップレベルなワケ。
バリカンもハサミも使うツーブロックなんて、例えば0mmから徐々に長くしていく「フェード」とか、アメリカのバーバーのテクニックだからね。そんで長いトコはカリスマ美容師バリにこだわってカットしてもらうんだから。
それに、やっぱなかなかアラフォー男が自身のグルーミングのために2時間ガッツリ使う機会なんてないんから、この時間は大切にしていきたいよね。10代の頃から知ってる西のダンナと釣りの話をしたり、狩猟の話をしたり、食べ歩きの話をしたり。
デカい鏡の前でリラックスして散髪してもらうのってさ、やっぱ日頃の生活の中でさ、贅沢で貴重な時間よ。
ただ、セルフカットでボウズにしてた時期も長いオレはさ、欲言っちゃうと毎週散髪したいワケ。
でもさすがに毎週床屋さんに行くとなるとお金も時間も足りないワケ。
そこで、「伸びた分だけ」とか「ツーブロックと刈り上げだけ」とかのメンテナンスに、2〜3週間に1回、いわゆる千円カット的なトコに行くのね。
千円カット、っつっても最近は諸物価諸消費税値上がりで1,200円とかしちゃうんだけど、コレはもうね、いろいろ割り切って活用したり楽しむトコよ。
なんせお店側はその辺しっかり割り切ってまっせ!ってのを店内のいろんなトコに掲示とかしてるから、大概の思い当たるイチャモンは事前にブロックされてる。
「最初に言うてくださいって書いてありますよね?」
「切り直しはできませんって書いてありますよね?」
そんで、「こないだのあの人、ちゃんと説明聞いてだいたいそのとおりやってくれたから…」って思ってても、
「美容師の指名はできませんって書いてありますよね?」
で、「お次の方ど〜ぞ〜」って、マジっスかオカン、坊っちゃん刈り一丁ヨロシクど〜ぞ〜って流されちゃう。
本当いらん詮索なんだけど、千円カットの美容師さんって、どういう経緯で千円カットで働いてるのかな?って想像する時がある。
完全に偏見だけど、やっぱり美容師目指して専門学校とか通って資格を取ろうって人は、みんなそれなりにカリスマ美容師的なトコ目指すんじゃないの…?って思ってて、つい観察してしまうワケ。
例えば、専門学校出て、一旦手に職はつけたものの、違う業界に勤めててブランクが空いたのかな?って思う人もいれば、本当申し訳ないけど、ダサ過ぎて普通にオシャレな美容院で働けなかったのかな…って思う人もいる。
で、アレ?オシャレな感じな人だけど…なんで…?って思ってたらコミュニケーションのクセがすごい…‼︎って人だったり。
今回担当してくれた人は、女性で、オレよりちょっと年上かな…ってくらいの「お母さん」って感じの人で、オーダーしてる時の印象では、アッ、普通に美容室に勤めてたけど、結婚とか出産とかで辞められて、お子さん手がかからなくなったからパート的に復活とか…そういう感じかな…?
って思ってたら
ツーブロックのバリカンの勢いが強い!
左右合わせて20秒くらいしか かかっとらん…!
「モミアゲ “自然な感じで” 」って言うたら自然過ぎるにもほどがあるっちゅーくらいやりっぱなしじゃ…‼︎
こりゃ〜参った。
担当してくれる人のアタリハズレも含めて楽しむのが千円カット、3週間後は西のダンナんトコ行こう…
…と思ったらハサミむちゃくちゃ丁寧。
なんなの?バリカンで親殺されたの?ってくらいバリカン嫌いな感じ出してたけど、ってかハサミ愛し過ぎてない…?姿勢も見た目全然スマートじゃないけど彫刻家みたいな玄人チックな雰囲気醸し出してくるじゃん…?
コレよ…コレが千円カットの醍醐味よ…。
誰に当たるかわからないギャンブル性、どんな予想外のコトが起きるか分からないロス インゴベルナブレス デ ハポン性…。
…で、結果、ソコソコ満足な仕上がりになったし、やりっぱなしのモミアゲくらい自分で良ェようにやれるし、OK牧場言うて帰りました。
っていうお話。