計画無痛分娩で産んだ話
一言でいうと、すごく良かった。
価値観は人それぞれ。「陣痛を乗り越えなきゃ親じゃない」という方も中にはいらっしゃると思います。そういう方は、恐れ入りますがスルーしていただければ。
私の価値観としては、「減らせる痛み(および母体のダメージ)は減らせるに越したことない」という考え。
「鼻からスイカ」「男性の陰部を蹴り続けられるくらい」と表現される痛み。さらには「全治1ヶ月の交通事故相当」といわれるくらいの産後の身体ダメージ。しかもそのダメージ抱えながら0.5〜3.5hの細切れ睡眠での育児が始まる…。そんなの辛すぎる。
「無痛分娩」というものを知ったのは社会人1年目、初めての上司と話していた時のこと。その上司はちょうど産休・育休明けだった。
何気ない会話のなかで、「出産の痛みって計り知れないと言いますよね。女性として尊敬します。」と伝えたら、
「んー、でもわたし無痛分娩だったから。」
と言われ。そこで初めて、無痛分娩の存在を知った。
調べてみると他国では無痛分娩がメジャーな国も多いようで、その上司も国際結婚。
それ以降、「産むなら無痛」と決めていて、今回妊娠が分かった時も、だいぶ早いタイミングで産院に「無痛分娩を希望します」と伝えた。
しかし、その時担当してくれたベテラン感のある助産師さんは微妙な反応で。「無痛といっても痛みがゼロな訳ではないから、うちでは和痛って呼んでるの。」「ここでは麻酔医のスケジュール都合もあって、計画分娩だけで対応しているの。だから自然にくる陣痛を待つことができなくなるよ。」など色々と補足してくれた。明らかにお勧めしないという声色と表情で。
それに対し、何も気づかないフリをしながら「大丈夫です、よろしくお願いいたします。」と返事をして、予約を取り付けた。
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前置きが長くなったけど、いざ計画無痛(和痛)分娩で産んでみた、感想は以下。
■良かったこと
・麻酔が効くと本当に痛くない。いきむことに集中できるという奇跡。(お産は「数分間隔でくる陣痛を深呼吸しながら数時間耐え(力を入れないようにする)、最後だけいきむ(力を入れる)」必要がある。しかし最初の数時間が、後半意識が遠のくくらい辛い。繰り返される陣痛がボディーブローのように効いてきて、体力が保たない。そんな中でも最後痛みがMAXな中、力一杯いきむという高難易度。麻酔が効くことで、体力温存、力を込めることに集中できるのは、母体にとっても頑張って降りてくる赤ちゃんにとっても良いと思った。)
・産後の回復が早い(気がする)。Apple to appleの比較ができないけれど、同じ日に無痛分娩ではなく自然分娩で産んだ人に比べて、普通に歩けるようになるのが24時間くらい早かった。これは素人想像だけど、「いきむことに執着できる=いきむ時間が短くなる=骨盤への負担が少ない」のではないかと思う。いずれにしても、産後すぐに始まる育児に対応する上で、回復の速さは大きいと思う。
■その他
・無痛ではない。(麻酔が効くと陣痛が遠のくケースが多いらしく、ある程度陣痛がくるまで麻酔を効かせないという手法をとった。麻酔が効くと前、「もう2度と産めない」と思った。)
・計画分娩だったこともあり、費用がかかる。麻酔分に加え、計画した日付に陣痛がくるように陣痛促進の処置(バルーンやラミナリア挿入・点滴)をするので、その費用が追加される。何も考えずに家から近い産院を選んだ結果、手出し金が手当金の額を上回ってて震えた。(会社の手当が手厚くて本当に助かった。)
・なんだかんだ無痛分娩は人気で、キャンセル待ちがいるくらいらしい。希望する場合は早めの予約がおすすめ。
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とはいえ、直後がっつり貧血起こすなど、それなりにハードではあったので、これから身近な人が出産するという方は、出産方法に関わらずどうかその人を労ってあげてください。。