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親孝行について思うこと
あのときああしていれば良かったという想いは、誰しもが胸の内に秘めていることかもしれません。
その中の一つに、親孝行があると思います。
先日YouTubeの動画を観ていて、乙武洋匡さんが親孝行について、こんなことを語っていました。
孝行をしたいときに親はなし、と言われるが、そうは思ってなく、自分自身がしっかり丁寧な生き方をすること、社会のために役に立つこと、しっかり評価をされることが、亡くなった父親への恩返しや孝行になる。
汚名をそそぎ、評価してもらえる活動を積み重ねることで、あんたの息子はちゃんとした人間に育ったねと、オヤジが評価してもらえるようにやっていかなくてはいかない、それが自分の原動力である。
特に乙武さんのお父様は、息子が障害を持って産まれたことについて、ずっと申し訳なく思っていたそうで、乙武さんは、父にそのような思いをさせていた事が悔しく、今はもう亡くなった父親に対しては、自分が立派に生きることが、恩返しや孝行になると語っていました。
そんな言葉を聞き、私自身も、亡くなった父親に迷惑を掛けてきた息子として、辛い思いをさせてきた息子として、身につまされる思いでした。
私以上に父に迷惑を掛けてきた兄が、ある日こんな事を言いました。
「父さんが退職の日、何かしてやろうぜ」
長年勤め上げた会社を父が辞める日、これまで育ててくれた感謝の気持ちや、迷惑を掛けてきたお詫びを込めて、兄弟二人であるプランを考えていました。
それは、こっそり会社の表門にトヨタのセンチュリーやキャデラックのリムジンなどで待ち伏せし、高級料亭にでも案内し、美味しい懐石料理とシャンパンや日本酒などのお酒で歓待することでした。
しかし、離れて住んでいたこともあり、結局は忙しさを理由に何もしてやれませんでした。
若い頃は、親など顧みず、やりたいように生きていく人は多いかもしれません。
たとえそれが若さの特権だとしても、亡くなった自分の親が、どれだけ職場で苦労してきたかなど、自分が長く仕事をして初めて分かることも多いかもしれません。
また、人の親になって初めて、多くの親の苦労が理解できるものだとは思います。
若い頃の特に反抗期など、多くの人が、親に向かって乱暴な言葉を投げつけ、困らせているかもしれません。
私も親に向かって、「好きで産まれてきたわけじゃない」とか「勝手に産むなよ」などの言葉を浴びせたこともあり、親の気も知らずにそのような言動をしてきた過去を振り返ると、もっと感謝や孝行をしなければならないと思うことはあります。
しかし、歳を経て、ようやく親の生きてきた苦労が分かり、親孝行でもしなければと思う頃に、親はなしなのかもしれません。
ただ、それでも乙武さんが言うように、あの人の息子さんは頑張っているようだね、と言ってもらえるように、もちろん、そんな評価を貰うためだけや、亡くなった親のために生きるわけでもありませんが、そういった気持ちも抱きながら、一人の人間として社会の中で働いていければと思います。