【雑談2】「百合『ジャンル』好き」と「百合『属性』好き」がいるよねって話。
A「あ、あの自分百合が好きで……」
B「本当ですか!? 自分もです!」
A「えぇ!? どんな作品が好きなんですか?」
B「『けいおん!』とか『まどマギ』とか好きです!」
A(百合……? そっか、それも百合……)
C「百合の話してます!? 私も「ネギトロ」とか「レイマリ」とか大好きでー!」
A(あっ……あっ……確かに百合好きだけど)
A「わ、私は『GIRLFRIENDS』と『ささめきこと』が好きかなー……」
B・C「え、知らない」
……という会話は多少誇張しているにしても、概ねこのような食い違いは、百合好き同士が出会うと度々発生する。
このとき、AとBの違いについては「百合」という言葉の持つ範囲の広さ、即ち人によっては「微百合」と呼び分けるような作品まで「百合」が内包してしまうために、「百合」を「恋愛ジャンル」として捉えているAとの食い違いが起きている。
一方で、AとCの食い違いは少し違う。Cの例に出した「ネギトロ」や「レイマリ」は百合カップリングであり、Cが愛好しているであろう二次創作の多くには、恋愛や性愛的な描写が含まれる。つまりこれは「百合」の基準において違ってはいない。これは、非百合コンテンツの二次創作あるいはキャラクターにおける「属性としての百合」を「好き」な人間と、「一次創作のジャンルとしての百合」が「好き」な人間の悲しいすれ違いなのだ。
属性百合好き(仮称)は概ね
「好きなコンテンツがある」→「好きなキャラクター同士の関係性がある」→「恋愛としてとらえる」
という順番で、コンテンツが先行しているのに対し、ジャンルとしての百合好きは
「百合コンテンツを探す」→「好きな百合コンテンツを見つける」→「百合として楽しむ」
という、順番であり、百合が先行している。
このように、同じ「百合好き」であっても「百合」に対する姿勢は大きく違い、また触れるコンテンツも大きく異なるために、この両者が互いの百合について深く語り合うことは難しい。
(もちろん、前者でもあり後者でもある百合好きも少なくないし、共通する部分も多い。語れる部分はじゃんじゃん語り合い、隙あらば布教あるのみである。)
話はそれるが、百合ジャンルについて高い解像度で語れる人間はマジで少ない。やれ「やはり『GIRL FRIENDS』は不朽の名作だ」だの「『やが君』を読まずに何を語るか」だの「お姉ちゃんと同じ産道も通ってないくせに」だの「少なくない百合好きが『桜Trick』のことを毎回キスをしているだけのイロモノ日常漫画だと認識しているがそれは大きな誤解だ。『桜Trick』は日常四コマを土台にしているが、その内容はむしろ王道に近く、かつ非常に優れている。あの8巻も読まずにアニメをチラ見しただけの薄い認識で名作を語るな」だの、百合についての語り合いをできる人間は、非常に貴重なのだ。
だから、もしあなたが百合ジャンルを愛好していて、同じように百合ジャンルを愛好している友人がいるならば、その友人を大切にしよう。友達は大事だぞ!(百合好き仲間に限ったことではないけどね)
最後に。前回まではですます調だったのに対して、今回はだである調になっていたことに気づいた。気持ち悪ぃ~!
(ネコ彦)