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「これからの地域社会の編み方」/第2回
皆さんこんにちは。 「これからの地域社会の編み方」を担当するファシリテーターの石井と森山です。
信州これから会議第2段階の2回目が1月30日に開催されました。
第2段階では、第1段階で話し合われた議論に通底する内容を踏まえ、横断的なテーマを3つに分けて設定しています。 1回目の議論では参加者の皆さんに議論をしていただきたい内容を「①これからの地域社会の編み方」と設定し、具体的には「セクターを越え、コミュニティを横断する地域社会、多様な中に包摂性のあるコミュニティのあり方をどう構築するか。協働と共創、関係人口、地域での学びの場、変化を恐れない地域社会をどう残していくのか。」として問いかけを行いました。
1回目の議論では、以下のような議論が展開されました。
①地域に関わる人々の意識の変化 地域を捉え直し、多様性、変化を受け入れる ②つながり・気づきを生む場づくり お互いが支え、認め合う場/地域を知り、学び合う場 ③双方向の関係性 提供する側・される側ではなく、主体的に支え合える、これからの共助の形を作っていく
さて、2回目の議論での全体のテーマは
「これからの豊かさ・しあわせをどう実現していくか?」
です。1回目の議論にご参加いただいた皆さんとともに、前回の議論を踏まえて、このテーマで今回は議論をしていただき、話し合った内容を次のとおりまとめてみました。
まず「これからの豊かさ・しあわせ」とは
・選べるということが豊かさ ・チャレンジがきちんと評価されること ・自己実現ができること ・自分の人生をコントロールできている
という意見が出されました。
また「幸せ」のありようについて、過去~現在~未来(これから)にかけて、その意味合いが変遷してきたということが議論で話し合われました。
【過去】(個人の幸せ<社会の幸せ) ・地域社会の限られた関係性の中で、地域や個人の課題をそれぞれが少しずつ負担することで、みんなしんどいけど助け合って生きていた(利他的な要素が強い) 【現在】(個人の幸せ>社会の幸せ) ・高度経済成長により合理化が進み、地域や個人の課題はアウトソーシングされ、個人の負担は減ったが地域の関係性は希薄になった(利己的な要素が強い) 【これから】(個人の幸せ⇔社会の幸せ) ・過去と現在の良い塩梅なところにこれからの目指す地域社会がある?
・個人と社会の豊かさや幸せを実現する地域社会とは?
こうした認識を共有した上で、それではこれらを実現するために必要なことは何か、ということが以下のポイントで議論されました。
①地域に関わる人(住民、行政、企業)が地域の「今」を知ること
● 地域を自ら知ることが大切。行政から発信される情報は正しいという感覚を持つ人も多いのではないか。 ● 自分が楽しめる(しんどくない)範囲で地域社会に貢献することが、個人と社会の幸せに結びつく。 ● それぞれが双方向の関係性で地域社会との接点を持てることが大事。
②地域の文化、風土、新しいチャレンジ、困りごとetc...を発信すること
● 困っている時にSOSまではいかずとも、誰かに声をかけやすい地域でありたい。また気軽に相談できる関係性も必要だが、自分から声を上げることができるかどうかが重要ではないか。 ● 地域で課題に思っていることも含めて発信できるといいなと思った。それがきっかけでつながることもできる。 ● 相互の情報発信を行うことで、お互いにとって必要なものを考えていけるのではないか。
③地域内外をつなぐ人、硬直化した考えをほぐす人(ミツバチ)が必要
● ミツバチのように色んな所を飛び回ってつないでくれる人がいると面が広がっていく。 ● 地域のご意見番のような、周りからの依存度が高く、すべてを背負って、新しいことへの抵抗感が強くなってしまう人がいる(硬直化した考えを持つ人)。そうした人の想いをほぐして、その想いをすくい上げる人が必要。 ● つなぐ人についてだが、色んな所を移動する人は評価されにくい。社会として必要性を認識して、支援していくことが重要ではないか。
④地域でまかないきれない課題は地域外の人に入ってもらう
● 地域の課題を地域だけで解決しようとするのではなく、楽しんで地域に参画してくれる地域外の人の力を取り入れながら地域社会を形成していく。自分と地域外の社会との関わりも生まれる。 ● よそ者が地域で活動することに否定的な人たちに対しては、やって見せて成果を地道に理解してもらうしかない。
【第2段階2回目のワークショップを終えて】
石井 貴広(長野県教育委員会事務局 高校教育課)
それぞれが地域のために助け合って生きていこうと、口で言うのは簡単だが、実際にはなかなかできない。しかし、今回の議論では、自分がしんどくない範囲で地域に貢献すればいいし、地域でできない部分は外部の人にお願いすればいいという話がとても納得感のある話として感じた。 また、それぞれが少しずつ地域に貢献する社会において、多様性に富んだ地域であることが様々な課題に対して対応できる柔軟な地域になるのではないかと感じた。 次回が最後になるが、他のテーマとの関連性も考えながらまとめられるようにしていきたい。
森山 佳祐(長野県 企画振興部 広報県民課)
今回は第1回目と比べ少人数で、それぞれの想いにより踏み込んだ議論ができたのではないかと思います。視点は違えど、根底にある想いは共通していたり、繋がる要素がたくさんあるなあと、強く感じた回でした。 今回得た共通認識を踏まえて、次回、それぞれのこれからの活動、さらには参加者同士の繋がりから生まれる新たな取組みなどについて、議論していきたいと思っています。
〈信州これから会議 ご意見募集〉
ワークショップには参加できないけれど、ぜひ自身の声も届けたい、発言したいという方は、ぜひコメントにてご意見をお寄せください。
ワークショップの参考とさせていただきます。
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