「文化・スポーツ」のこれから/第3回
みなさん、こんにちは。
「文化・スポーツのこれから」を担当するファシリテーターの大日方と矢作です。
12月12日開催のテーマ②「文化・スポーツのこれから」のグループで議論が行われました。
前回に引き続き、アーティストから、ブラインドサッカープレーヤー、イベント企画運営の方等多彩な分野でご活躍されている方にご参加いただきました。
今回のテーマ議論の問いかけは…
「ビジョンと方向性をまとめ、自身がそこにどうコミットできるか」です。
第3回では、会議開始前にファシリテーターがこれまでの議論を振り返り、第1回と第2回で話し合われた内容をとりまとめ、そのとりまとめ(案)に対する参加者の皆さんからの意見とそれに対する一人ひとりの行動宣言を発表してもらいました。
第1回と第2回で話し合われた議論のとりまとめ(案)
現状認識(コロナで変わったこと)
第1回 コロナを経験してわかったこと
・不要不急だが、生活の豊かさを彩る大切なもの
不要不急であることには納得。しかし、人と人を繋げ、生活を豊かにするために不可欠なものであると再認識。
・一流の芸術に触れる機会がなくなった
もともと信州は大規模・著名な文化・芸術に触れるための施設や機会が少ない。移動制限で一流の芸術が県内に来なくなったことにより、一流触れる数少ない機会が激減している。芸術レベルの底上げが遠のいている。
第2回 新たな日常に向け工夫したことでわかったこと
・オンラインでは代替できない価値がある
オンラインによりイベント等が代替されたが、質感や空気感は伝わらず、共感も生まれない。また、観客の反応を感じられず作品や技術も向上しない。本物に触れ、場を共有することの価値が際立った。
・足元の価値を拾う中で、地元と相互に影響を及ぼし合う
地域でアートが開かれるようになり、地域資源を活かした取組みが活発になった。外からアイディアをもらい、地域は、これまで気づかなかったその土地の新たな価値を認識する。一般協力者や参加者が生まれる。
↓
文化・スポーツのこれから
文化・スポーツ活動を続けていくために
① 文化・スポーツが暮らしに根付く社会を自らの手で。地域に暮らす自分たち自身が、街の文化を耕していく。
② 特異な才能と「出会える」地域に。あたりまえに活動できる環境と自然に交流できる状況をつくる。
③ 文化・スポーツに触れる「タッチポイント」を増やしていく。多様な繋がりをつくる「繋ぎ手」を育てていく。
このとりまとめ(案)に対し、次のような意見がありました。
①つなぎ手の役割とは
・「文化スポーツのこれから」の③「繋ぎ手を育てていく」はそれぞれを繋げる役割がうまく作用してくれば、自ずと①、②もうまく循環できると思うので、特にやっていかなきゃと思う。「つなぎ手」の重要さを認識した。
・その人々に合った伝え方がある。ターゲットを知っている通訳のひとが重要。川上・川下どちらに傾きすぎない通訳が重要だと思う。
②文化同士や文化内のグラデーションが「混ざり合う」社会を目指す
・スポーツも文化も、全然関係のない人には関係がない。そういう人たちも含めて社会となる。地域の伝統や文化が大切にされている社会が正解とは言い切れないが、無くしたくないと思っている人たちが無くさないでいられる社会が着地点なような気がする。
・プレーヤーに対する「すごいね」という言葉は、一見応援・共感しているようで、ギャップを感じ他人事として受け止めているように感じる。プレーヤー側は疎外感を覚える。
・すごいね、と言わせない社会にしたい。色々なグラデーションのプレーヤーがいる社会が実現していれば、すごいねと言われないのかなと思う。
・「認め合う」というよりは「混ざり合う」。まずはそこからで、ステップアップしていく。
③地域や文化の歴史的文脈を知ること、地域の理解を得ること、広めること
・これまでの話は、伝統的なものに対する議論が抜け落ちて話が進んでいたような気がしている。もう少し含めて考えてみたい。
・移住者などによる、歴史的文脈や経緯を踏まえない復活やリノベーションは、うまくいかない。まずは、地域の人たちと話をして、その文脈を知る・耳を傾けることが重要。
・地域の良さを伝えていく人も重要。芸術をきっかけに、文化の由来や歴史を知りたいと思うようになった。「学び」につながってくる。そのきっかけづくりをいかに作るか。
以上の議論を踏まえて、とりまとめ(案)を再編集し、以下の形に修正しなおしました。
現状認識(コロナで変わったこと)
①コロナを経験してわかったこと
・不要不急とされたが、生活の豊かさを彩る大切なもの
文化・スポーツはコロナ下では不要不急とされた。しかし、人と人を繋げ、生活を豊かにするために不可欠であると再認識。
・一流の芸術に触れる機会がなくなった
もともと信州は大規模・著名な文化・芸術に触れるための施設や機会が少ない。移動制限で一流の芸術が県内に来なくなったことにより、一流に触れる数少ない機会が失われている。芸術レベルの底上げがますます遠のいている。
②新たな日常に向け工夫したことでわかったこと
・オンラインでは代替できない価値がある
オンラインによりイベント等が代替されたが、質感や空気感は伝わらず、共感も生まれない。また、観客の反応を感じられず作品や技術も向上しない。本物に触れ、場を共有することの価値が際立った。
・足元の価値を拾う中で、地元と相互に影響を及ぼし合う
地域でアートが開かれるようになり、地域資源を活かした取組みが活発になった。外からアイディアをもらい、地域は、これまで気づかなかったその土地の新たな価値を認識する。一般協力者や参加者が生まれる。
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文化・スポーツのこれから
「文化・スポーツ」は不要不急ではない。 本来の価値から、共感と交流が生まれていく未来へ。
①文化・スポーツが暮らしに根付く社会を自らの手で。地域に暮らす自分たち自身が、街の文化を耕していく。
住民が地域にある文化やスポーツに興味・関心を持ち、一流でもカジュアルでも、すべてのプレーヤーが混じり合う社会。地域性や業界の垣根を超えて、街全体がアーティストやアスリートを支え、多様な文化やスポーツが暮らしにあふれている社会へ。
②特異な才能と「出会える」地域に。あたりまえに活動できる環境と自然に交流できる状況をつくる。
どんなジャンルの一流でも不自由なく活動でき、技を高められる環境を整える。ロールモデルの彼ら彼女らがあたりまえに混じり合っている社会では、住民との交流も生まれ、後継者となりうる次世代の子どもたちを育んでいく。
③文化・スポーツに触れる「タッチポイント」を増やしていく。多様な繋がりをつくる「繋ぎ手」を育てていく。
プレーヤーと受け手の両側の本音を知り、共通点を見つけ、双方向に良い影響を及ぼせるような仕掛けを作る存在が重要。一流とカジュアル、文化と文化、プレーヤーと受け手、都市と地域等、さまざまな繋がりを見つめ、支える存在に。
最後に参加者の皆さんから、ご自身の行動宣言をしていただきました!
・長野でルネサンスをおこす。
・地域を製作する ※製作するとは、繋ぐ人(人と人の営みを)であること
長野の地域と人の営みをつなぐようなことをしていきたい。
・川上のひとをもっと知り、川下の人に伝わる言葉をもっと考える。
人をつなげる以前に、川上の人を自分はまだ知らない。
川上の人に出会い知ったうえで、川下の人にわかりやすい言葉で伝えていきたい。
・「出会い」スポーツのみならず、色々な分野の人と出会うことで、刺激を受けながら、自分も発信し続けていきたい。モットーである「焦らず、比べず、諦めず。」を大事に活動していきたい。
〈信州これから会議 ご意見募集〉
ワークショップには参加できないけれど、ぜひ自身の声も届けたい、発言したいという方は、ぜひコメントにてご意見をお寄せください。
ワークショップの参考とさせていただきます。
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※投稿いただいたご意見等に個別に回答は出来かねますので、予めご了承ください。
総合ファシリテーターによる 第3回の全体まとめはこちらから
【第3回のワークショップを終えて】
大日方 美穂(長野県 健康福祉部 医師・看護人材確保対策課)
参加者それぞれが、専門分野は違えども「繋ぎ手」として地域と分野を繋げる存在である点が共通していました。これから、「文化・スポーツ」と信州がどう繋がっていくのか、また、それらが暮らしにありふれている社会では、どんな新しい「文化・スポーツ」のあり方があるのか、注目したいと思いました。
矢作 郁瑠(長野県長野地域振興局林務課)
第3回で初めて伝統文化への視点を加わったことで、地域とのつながりをより強く感じながら話ができました。その中でみなさまの想いも垣間見えて、自分新たな気づきも生まれて楽しめました。違うテーマ合わせて話をするとより深まりそうな期待感を得ました。