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【自分物語を塗り替える!】ナラティブ・アプローチで見つける新しいキャリアの可能性

あなたの物語、誰がつくってる?

キャリアカウンセラーのしんです。
「この仕事は自分らしくない…」「本当にやりたいことって何だったんだろう?」そんなモヤモヤを抱え続けていませんか? ふと振り返ると、まるで“自分の人生が誰かに書かれた脚本”を生きているように感じる瞬間はないでしょうか。

今回取り上げる「ナラティブ・アプローチ」は、自分が語ってきた“ストーリー(物語)”に新しい意味を与え、人生を再構築する考え方です。心理学やカウンセリングの分野で生まれた理論ですが、実はキャリア設計にも応用できるのです。

この記事でわかること

ナラティブ・アプローチの基本概念とキャリアへの活用方法
自分の過去体験をプラスに変える“物語の書き換え”のヒント
今日からできる具体的なワークやアクションステップ

「自分の仕事人生を、もっと前向きに塗り替えたい!」というあなたへ、一歩踏み出すためのヒントを詰め込みました。



ナラティブ・アプローチとは?

物語が未来を形づくる

ナラティブ(narrative)とは「物語」や「語り」を意味する言葉。ナラティブ・アプローチは、オーストラリアの心理療法家であるマイケル・ホワイトやデヴィッド・エプストンなどが提唱した手法として知られています。人は自分の経験を“物語”として語り、それが自分のアイデンティティや行動を大きく左右すると言われています。

たとえば、「自分は失敗ばかりしてきた人間だ」という“ネガティブなストーリー”を信じていると、新しい挑戦が怖くなり、結果としてチャンスを逃しやすくなります。逆に、「いろいろな経験を積んできたからこそ、新しい視点が持てる」と肯定的な物語を育てると、より前向きに行動できるようになるわけです。

■キャリアにおける効果

  • 自己理解が深まる
    自分のこれまでの体験や選択を改めて“物語”として振り返ることで、「何が好きだったのか」「どこに価値観があるのか」を再確認しやすくなる。

  • 未来の選択肢が広がる
    「失敗した」と捉えていた過去の出来事も、別の視点で見直すことで強みや学びに変えられる。その結果、「やってみようかな」と思えるキャリアパスが増えていく。

  • 感情的な整理が進む
    言語化が難しかった不満や後悔の感情を“物語”として客観的に捉えることで、ネガティブな気持ちが和らぎ、新しい行動につなげやすくなる。


こんな人におすすめ!ケーススタディで見るナラティブ・アプローチ

ペルソナ:中村さん(仮)(27歳・接客業)

  • 背景: 大学卒業後、接客業に5年勤務。やりがいは感じているが、「自分には専門スキルがない」と劣等感を抱えている。

  • 悩み: 「大学時代には英語が得意だったが、それを活かせる仕事には就けずにきた…」「私は転職しても役に立たないんじゃないか?」と考えがち。

  • アプローチ: 自分が歩んできた道のりを“物語”として書き出し、重要なイベントや選択を振り返るワークを実践。

    1. 「過去の成功体験を再発見」

      • 接客業で外国人観光客に英語で対応し、喜んでもらった経験を思い出す。

    2. 「小さな挑戦の積み重ね」を認識

      • マニュアルに頼らず、自分なりのサービス工夫を実践してきた事例を“主人公の勇気ある行動”として書き留める。

    3. 「自己肯定感の向上」

      • 結果的に「英語を使った業務に強みがある」「顧客ニーズをくみ取るスキルが高い」と再評価し、今後は旅行・観光系ベンチャーへの転職を検討し始める。

なぜうまくいった?

中村さんは、自己理解が曖昧だった状態から、「自分が主人公のストーリー」という視点で過去を振り返ることで、今まで“当たり前”として見過ごしてきた成功や学びを見つけ出せました。こうして肯定的な物語を育てることで、転職やキャリアチェンジへの一歩を踏み出す勇気が湧いてきたのです。


今日からできる!ナラティブ・アプローチ実践ワーク

1. ライフイベント・マップをつくろう

  • やること: 紙やデジタルツール上で、自分の人生の主な出来事を時系列で書き出す。

  • ポイント: 学生時代・就職・転職・資格取得など、印象的なイベントをリストアップ。大きな成功も失敗も等しく書き込むのがコツ。

2. ポジティブな視点を探す

  • やること: 出来事ごとに、「得られた学びやスキル」「本当は嬉しかったこと」「意外と活かせそうなポイント」を箇条書きにする。

  • ポイント: 「実はこんなところでも役立ちそうだ」と気づけたら、どんどん書き足す。自分のストーリーに隠れた“宝”を探し当てる感覚で進める。

3. 自分の物語を1ページにまとめる

  • やること: イベントとポジティブ要素を統合し、短いストーリー形式で書き出してみる。たとえば「私は○○な環境で育ち、××を通じて△△という強みを獲得した」など。

  • ポイント: 主語を「自分」ではなく「主人公」として書いてみると客観的になりやすい。「○○という困難を乗り越えた主人公は…」と描くと、自分の行動に対してより肯定的な理解が得られます。

4. 周りの人とシェアする

  • やること: 信頼できる友人や同僚、家族に「こんな物語を書いてみた」と共有し、フィードバックをもらう。

  • ポイント: 第三者から見ると、思わぬ才能や魅力が発見されることもある。共感や励ましの言葉が新しい気づきを生むきっかけになる。


キャリアを変えたいなら、「自分物語」を書き換えよう

ナラティブ・アプローチの魅力は、これまで“ネガティブ”や“何もない”と思い込んでいた過去を、“実は自分を形成する大切なピース”として再発見できる点にあります。こうしたストーリーの書き換えを続けると、「やりたいことがわからない…」という悩みが自然と解消され、「自分にはこんな力があったんだ!」と驚く瞬間が増えるでしょう。

自分が背負ってきた物語は、何も“運命”や“固定された脚本”ではありません。あなた自身の手で、いつでも書き換えられるのです。今日から小さなワークを始めて、「新しい主人公としての自分」を育ててみませんか?


参考文献 & 注意書き

  • Michael White & David Epston, Narrative Means to Therapeutic Ends, W. W. Norton & Company

  • 厚生労働省「職業生活設計の考え方」

  • 「ナラティブ・アプローチ」関連の心理学・カウンセリング研究資料

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・医療的アドバイスではありません。個別の状況に応じ、専門家(医師・弁護士・公的相談機関等)にご相談ください。

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