おもらし、オネショの対策
(おもらしがなかなか治らないというお子さんの話を聞いて)
オネショ対策で面白い方法を聞いたことがあります。寝る前にジャンジャン水分とらせて「ジャンジャンおねしょしよう!」と声をかけるそうです。こうすると安心しておねしょができます。すると、膀胱のあたりにどんな感覚が強まってくるとオシッコが出てくるのか、冷静に観察できるようになります。
その結果、「あ、おしっこ出そう」とわかるようになり、短期間でオネショが治るという話です(身体的原因がある場合は別)。
親がオネショとかおしっこを気にして先に声をかけてしまうと、子どもはその「声」のほうが気になって、体内感覚を観察するゆとりを失います。また、
親が厳しく監視してくれるなら、自分が監視する必要がなくなります。この結果、おしっこ管理業務を親に「アウトソーシング(外注)」するようになってしまうようです。こうなると、体内感覚を観察することをサボるようになってしまいます。
それに、親がおしっこを嫌ってる、と子どもが感じると、おしっこすること自体を「なんだかいけないこと、見てはダメなこと」と勘違いし、なるべく見ないようにしてしまいます。このために、おしっこしたいという体内感覚を観察することができなくなってしまうようです。
子どもが体内感覚を観察するように仕向けるには、恐怖や嫌悪感を取り除くことが必要です。ですので、「ジャンジャンおもらししよう!」とか、「ジャンジャンおねしょしよう!」と声をかけると、なんだか楽しい気分になって、おしっこの体内感覚を観察しようという気持ちが生まれます。
それに、「おもらししよう!」「おねしょしよう!」と親が期待してるとわかると、子どもはその裏をかいて「ようし、おもらしせずに済ませられるところを見せてやろう」「おねしょせずに済ませて驚かしてやろう」と企むようになります。親が実際に驚けば、余計です。
おもらしやおねしょの対策には、むしろそれらを親が楽しみにし、期待するふうにして、それらが起きなければ地面を叩いて悔しがる、そんなふうに環境をデザインすると、子どもは冷静に体内感覚を観察し、いつの間にか克服することが多いと考えています。