見出し画像

アルビ狂時代(21)

2024年11/2(土)

ルヴァン杯決勝戦

我がアルビレックス新潟が国立競技場で三大タイトルの一つ、ルヴァン・カップの決勝を戦う。

川崎に2戦合計6-1で勝ってから、この日を待ち侘びておりました。

御多分に洩れずチケット争奪戦に巻き込まれ、知り合いの知り合い枠に滑り込ませてもらいバックスタンド一層南側12列の席をなんとか確保(チケットを手配してくださった方、ありがとうございました)

当日朝を迎えました。
東京地方は氷雨が降る生憎のお天気。いや、そんな事は何日も前から週間天気を見て知っておりました。雨中の観戦はとっくに織り込み済み。暖かい格好を整えいざ国立へ。

X(旧Twitter)を見ると、私のタイムラインは新潟から大挙して訪れる新潟サポーターの新幹線待ちの列や、高速道路(関越自動車道)サービスエリアでのグルメ投稿、なんなら私が朝起きる前から我慢出来ずに国立来ちゃいましたと言うお人まで、様々な投稿で溢れておりました。
みんな無事国立に着けますように。

LINEにはチケット争奪戦に敗れた人たちから、今日は新潟駅前のHUBで観戦です等のメッセージも。皆さん、それぞれのスタイルで今日の日を待ち侘びていた様です。

私は徒歩で国立へ。私の家から国立、徒歩約20〜30分ほど。ちょうど雨も止んだタイミングでしたので歩いて行きました。なんならウォーキングで国立周辺に来る事もしばしば。あの辺は外苑の銀杏並木や、国立の外周など、都会の中のオアシスと言いますか、歩くにはとても気持ちの良いエリアなのです。

国立到着。

物凄い人、人、人。
そりゃそうですよ。チケット完売ですから。
6万人以上の人々が一気に集まってる訳ですから。

在関東、新潟からの上京組など、差し詰めプチ同級会状態。みんなで再入場口付近に集まり、この日の戦いについて話し合ったり、サッカーとは全く関係ない同級生同士のどうでも良い世間話しで盛り上がりました。中には朝から既に15杯もお酒を飲んでいる友人もいて(まだ試合開始前ですよ)、すっかり出来上がってました。それぞれ、目一杯楽しんでいる様です。

入場口ではヤマザキのビスケットをもらえました。さすがルヴァン・カップ。

スタジアム内はすごい熱気。
選手のウォーミングアップが始まると、今まで聞いた事のない声量での応援が始まる。これがタイトルのかかったスタジアムかぁ…すげぇ、鳥肌ものです。


キックオフ30分前。ようやく自席に到着。
一緒に観戦予定でチケット確保に尽力してくださったSさんと合流。スタメンの話やらアルビサポの応援の凄さなど話しているうちに選手入場。アルビへの肩入れと、南側にいると言う事もあり、入場時のサポーターの声量はアルビ側が勝っていたように感じました笑(多分、アルビ肩入れバイアスだいぶかかってます笑)

そして国歌斉唱。え!なんと、国歌斉唱あるんですね!我が推しチームの試合で君が代斉唱!なんか震えました。

キックオフ

雨降ってます。
国立一層目12列は基本屋根の下なので雨が降ってても濡れずに観戦できます。風の向きで少しだけ雨粒が吹き込む程度。観戦者には非常にありがたい。

アルビ、とても良い感じでパス回し。名古屋前線の選手のハイプレッシャーにも臆せず、ゴールキーパーを含めての後ろからのビルドアップがすごい。相手選手を翻弄するプレーに客席は超絶盛り上がる。キーパー阿部選手、両手を広げてサポーターを煽る!クーーー、痺れるぜ、国立決勝!

しかし、しかし、そのビルドアップ中に手痛いミス。相手にミスを奪われゴールされる。

いや、いや、いや、これは仕方ないっ!リスクは承知の上のアルビの繋ぐサッカー。こういったミスを恐れてパス回しをしていたら、ビルドアップ、ボール保持を理念にするパスサッカーは出来ないですよ。

「次だ、次っ!」
と、絶叫。

とは言え、ミスをしてしまった選手の心理を慮る。私も俳優と言う職業がら、舞台でセリフをミスったり噛んだりすると「あれ、あそこで噛んだな、お客さんに意味伝わってるかな、失敗したなあの人って思われてるかな、どうしたらあのミスを防げたかな…」など余計な事をミス直後から考え始めて…そんな事考えながら芝居を続けているから、また別なところでミスをしてしまったり。良く演出家に言われるのは「ミスした事は仕方ない。それを引きずるな。次に向かえ」と。そうなんですよね、次に向かう事が大切なんです。

と、そんな自分に選手を置き換えてしまい…
「次だ、次っ!」と絶叫している自分がいました。

前半終盤、名古屋に見事に崩されまた失点。

相手方、永井選手。35歳のベテラン。
ホントに敵にすると嫌な、そして素晴らしい選手でしたね。前線からの強烈な守備、裏抜けのタイミング、何気に立っているだけなのに、その立っている場所が既にいやらしい…笑
ユンカー選手、山岸選手、パトリック選手と、強烈なアタッカーを差し置いて35歳でスタメン貼るのは納得の働きでした。

後半開始

どうしても得点のほしいアルビ。一進一退の攻防が続く中、アルビは選手を三枚替え。

出て来ました、我が軍のクセ強ブラジリアン・ダニーロゴメス選手。
もうね、私、ダニーロ選手にボールが渡るたびに「勝負しろ、勝負ーーー」と絶叫しておりました笑
この時間に我が軍の強烈クセ強ドリブラーが出て来て、相手方の守備選手、これ嫌だろうなぁと思う程の掻き回し具合。

で、松橋監督の交代策的中で、ダニーロ選手のドリブル、クロスからの、谷口選手のヘッドで得点。

アルビ側客席、絶叫。いや、マジで、これが絶叫と言うヤツです。谷口選手の煽りパフォもあり、更に超絶絶叫!

ウォッシャーいけるぞ!

その後のスタジアムの雰囲気は異様。完全に空気がアルビ押せ押せの興奮状態。

更に交代で入って来た奥村選手も加え、相手陣地でドリブルでつっかける攻撃がとても強烈。終盤でのキレのあるドリブラーって、相手にしてみたら厄介なんでしょね。

そして、アディショナルタイムに突入。

ペナルティーエリア内で我らが突貫小僧、小見選手が倒される。

PKかっ!
いや、審判笛吹かない。

いや、待てよ、審判が手を耳に当ててるぞ!
これはVARだっ!

テレビ観戦と違い、スタジアム観戦はイマイチ状況が掴めない。テレビやDAZNだと、何度もスローでリプレイが映し出されて…

どうなってるんだ…

あ、審判がオンフィールドレビューしに行ったぞ!

私は思わず「オンフィールドレビューになったら7割はPKですよ、いや8割です」と、にわか解説者ぶりを発揮してSさんに講釈。

スタジアムにスローが映し出される。
我が軍目線からみたら完全に足を引っ掛けてる。どよめくアルビ側スタンド。

御多分に洩れず、私も手を組合わせ、祈るポーズで結論を待つ。

審判、フィールドに戻ってきた。
ペナルティースポットを指差す審判。
PKだっ!

うおーーーーーー

ズンと言う低い音、絶叫のスタジアム。
最後の最後でドラマがっ!

しかもフィールドを見るとキッカーは小見選手。

え!小見がけるの?いや、長倉とか、こう言う時はキッカーやった事ある選手に!しかも相手はランゲラックだよ…と言うのが私の正直な想いでした。

でも、キッカーは小見選手。
これは全てをゆだねるぞ!頼むぞ小見ちゃん!

ふと…え、と言う事は、このタイトルのかかった大舞台で、あの小見ちゃんの昌平高校時代から有名な小刻みステップPKやるの?流石にそれはやらないでしょ。

フィールドではランゲラック選手が動揺を誘うように小見選手に近づいたり、フィールドプレーヤーが小見選手に近づこうとするのを長倉選手が止めに入ったりと、超絶心理戦が展開されております。

私もマジで心理戦に巻き込まれた感覚になりました。この状況で、あの手足の長いランゲラック選手と対峙している小見選手の心境如何なるものか。

審判の笛

おーーーー、やった、小刻みステップ!
そして決めた、小見ちゃん!

アルビ側スタンド絶叫。周りにいたサポーターとハイタッチの嵐。思わず手に力が入りました。

それにしても小見選手のあの強心臓。
感服です。まさかこの大舞台で伝説のあのPKを蹴るとは。そして決めるとは。それもATで。

サッカー関係なく、エンタメとしても最上級。全ての要素が詰まった90分。

延長。

雨は降り続く。

前半。早々に名古屋が得点。
くくく…でもまだ時間あるぞ!

あれ、待てよ。
そういや、全ての得点、こちら(南)側で入ってないか?そういや名古屋新潟関係なく全てのゴールは我々の目の前で入ってる!なんて日だ!

後半。
まだ何かが起きる、まだ何かが起きる…
長倉選手のスルーパスから小見選手、ランゲラック選手の脇を通すシュートでゴール!

もはや訳わからない。
絶叫しすぎておかしくなるカオスなスタジアム。

舞行蹴選手、足攣ったかな?
六人目選手交代。
ここでトーマスデン選手登場。

おい、こんなに贅沢な交代あるかよ、延長後半でデンちゃんって、頼もし過ぎるだろ(心の声)

東洋大学から今回の決勝に来てくれた稲村選手の効果が、この終盤に来て、こう言う形でも現れるとは。

延長後半終了。

もうくたくたでした。
が、これからPK合戦。
結果は皆様ご存知の通り。
4-5でアルビの敗戦。

ランゲラック選手がMVP
敵ながら、やはり素晴らしいゴールキーパーでした。ゴールが狭く見えるとはこの事です。もう今シーズンでオーストラリアに帰るらしいのですが、天晴れでした。おめでとう御座います。

すごいサッカー体験をさせてもらいました。
まず、こんなすごい舞台に連れてきてくれたアルビレックス新潟に感謝。
そしてクリーンな戦いを繰り広げてくれた名古屋グランパスに感謝。
負けたけど、こんな気持ちの良い気分でスタジアムを後にした事はあっただろうか。

代々木で行われると言う、試合前から「祝勝会」と銘打たれたサポの飲み会(笑)にお誘いを受けたものの、風邪気味なので家路に。

ネットの記事を読むと、全国中継を観た他サポから新潟のパスサッカーに賞賛のコメントが多数見られ、にやにや。なんとも誇らしい気持ちになる。

また来年もこの舞台に連れて来てほしいなあ。

おらが街のクラブを応援するって、こんなにも満ち足りた気持ちなるのかと、今更ながらに余韻に浸る日曜日。

長文お付き合い、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!