「ランゲルハンス島」100日間チャレンジ3日目
今日の言葉:
「其の人を知らざれば、其の友を見よ。」孔子
友人を見れば、その人の人となりが自然とわかる。
「ランゲルハンス島」:
出勤前にスビラト氏の好物であるチョコレートを近所の店まで買いに来た。事務所のチョコレートを切らさないようにするのも私の業務の一つだ。膵臓には血糖値を調整するインスリンを分泌する「ランゲルハンス島」という細胞があると聞いたことがある。きっとスビラト氏のランゲルハンス島の名産品はカカオに違いあるまい。彼のチョコレートの消費量は凄まじいのだ。
「おはよう!奇遇だな、タロウちゃん。」
後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。スビラト氏である。「ああ、おはよう。もうすぐ事務所のチョコレートがなくなりそうだったんでね。」
「実は私もチョコレートを買いに来たんだ。これならしばらくチョコレートを買う必要はなさそうだな。」
彼は何事にもこだわりが強い。買うチョコレートもいつも明治の板チョコと決まっている。
「なあ友よ。ランゲルハンス島を知っているかい?」
彼はまるでさっき私が考えていたことを知っているかのように言った。
「膵臓にあるインスリンを分泌する細胞組織だ。」
「私の膵臓にあるランゲルハンス島はきっとカカオが茂ってるに違いないな。ははは」
ずっと一緒にいれば考える事も似てくるのだろうかと、私は陳列棚に並べられたチョコレートを物色しながら不思議に思った。
気がつくと彼はもうレジに並んでいた。私とは違って、スビラト氏は迷う必要がなくいつも行動が速いのだ。