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これまでの常識を覆し、シームレスなWeb3へのシフトを促す。CTO・澤田 健都が考えるWeb3エンジニアの未来とは
Web2.0とWeb3の中間である「Web2.X」へのシフトを目指して、企業やサービスのWeb3進出を支援をするSHINSEKAI Technologies(以下、シンセカイテクノロジーズ)。
公式noteでは、創業メンバーの経歴やWeb3への想いをご紹介するインタビューを連載中です。
▼前回は、CCO・岡崎に話を聞きました
今回は、技術的な面の最高責任者・CTO(Chief Technology Officer)を務める澤田 健都に話を聞きます。
さまざまな領域で開発経験を積んできた澤田はWeb3エンジニアの将来について、これからエンジニアになる若手にとってWeb3は経験したほうが良い領域であり、目指しやすいキャリアだと語ります。
澤田がシンセカイテクノロジーズを通じて実現したいWeb3の未来や、現場で経験を積んできたからこそ考えるWeb3エンジニアの将来性について聞きました。
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株式会社SHINSEKAI Technologies
CTO 澤田 健都
Facebook:kento.sawada.16
新しい世界のテクノロジーを創り出す指揮官が、Web3に興味を持ったきっかけ
──まずはじめに、簡単に自己紹介をお願いします。
シンセカイテクノロジーズ、CTOの澤田 健都です。技術的な方向性、研究開発を監督するポジションとして、技術戦略の意思決定、技術経営、エンジニアの採用と教育などを担当しています。
今はベトナムに住んでおり、シンセカイテクノロジーズでも現地のエンジニアとともに、引き続きベトナムから開発を担当する予定です。
開発の仕事自体には15年近く携わっており、最初のキャリアは大学の地元にあるソフトウェア開発会社から始まりました。3回ほど転職をして、Webの制作やアプリ開発など、さまざまなプロジェクトに関わってきました。
──澤田さんは以前にもWeb3関連のプロダクト開発に関わっていたとお聞きしましたが、Web3への興味はいつ頃から持たれていたのでしょうか?
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クリプトに初めて興味を持ったのは、2社目の金融系のシステム開発会社でお客様からいただいた「ビットコインを使ったサービスの開発をしたい」というご依頼がきっかけです。
ご依頼をいただいた2015年頃は、まだ「ビットコイン」の存在すらあまり知られていない時代でした。
そんな時代にお客様からYouTubeなどの配信サービスで活動をしているアーティストやコンテンツに対して、視聴者やファンがオンラインで送金する「投げ銭」をビットコインを使ってできるサービスが作りたいと要望があり、「ビットコインとはなんだろう?」とWeb3の世界に足を踏み入れたわけです。
調べながら開発を進めるうちに魅力にハマり、本格的にWeb3領域の仕事をするようになりました。
その後、フレセッツ株式会社というウォレットを開発していた会社でCTOをしていました。フレセッツでは「カストディアルウォレット」という、暗号資産交換所などで使われるより高いセキュリティのプロダクトを開発していました。
──ソフトウェアの開発会社から始まり、金融系Web3のプロダクトの開発に携わる......。さまざまな開発現場に関わっていますよね。
金融系のシステム開発会社にいた際にベトナムの開発拠点の立ち上げも行ったので、そういった意味では多様な形で開発に関わっていますね。
多様なフレームワークの経験があることは、僕自身のエンジニア人生にも大きく活きていると思います。
Web3の開発は、より自分で考えなくてはならないからおもしろい
──調べるうちに魅力にハマったというお話もありましたが、澤田さんの考えるWeb3のおもしろさとはどのようなところでしょうか?
随所で感じる「非中央集権」的な考え方だと思います。非中央集権とは「なんらかの権威を前提とせずに、各々が独立しつつ協調して動作する」モデル・概念を指します。
例えばBitcoinでは特定の管理者はいません。仕様はすべてコミュニティで決まり、その準拠も各参加者に委ねられています。Web3においてはスマートコントラクトによってさまざま処理がなされますが、その実行は世界中のノードが独立して協調動作することでなされます。
このシステム自体ももちろんおもしろいのですが、僕がWeb3において最もおもしろいと考えているのは、非中央集権の概念がWeb3業界全体の成長や開発にも影響を与えている点です。
──「非中央集権が開発のおもしろさにも影響を与えている」とはどういうことでしょう?
Webの世界では、Chromiumベースのブラウザが圧倒的なシェアを持っています。モバイルアプリは言うまでもなくAppleやGoogleのプラットフォームに大きく依存しています。
もちろんそうした中でできることも無数にありますが、ある種の制約というか、ある型にはめられている感じを受けます。
Web3においては、共通化された仕様はありますが、例えばトークンを定義するERC20やERC721で規定されているメソッドはほんの数個です。機能を足したければ自由に足してよいわけです。
チェーンの仕様自体を勝手に変えることもできますし、独自のチェーンを立ち上げることも容易です。
このように開発の自由度が高いことは、Web3業界のエンジニアにとって難しい部分でもある一方、開発の醍醐味でもあります。より自由に開発を進められるのはおもしろいですし、その分Web3のエンジニアは「何か新しいことができないか」と活気に溢れている印象です。
Web3の常識を覆すようなアプローチを。シンセカイテクノロジーズで目指す、シームレスなWeb3へのシフト。
──シンセカイテクノロジーズでは、どのようなことをするのでしょうか?
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これまでのWeb3とは少し違ったプロダクトの開発やアプローチに向けて、開発チームの取りまとめやより良い方法の模索を担当します。
Web3の世界ではあらゆる場面で「MetaMask」に代表されるウォレットを使いますが、一般に多くの人が持っている状況では、まだありません。ウォレットを持っていないとWeb3アプリケーションにアクセスできないのは、多くの人が利用するときの壁になります。
また、多くのウォレットでは「リカバリーフレーズ」と呼ばれる、アプリを入れ替えたりハードウェアが壊れたりした際にウォレットを復元するための情報を生成するのですが、それは紙や金属板に記録しなければならないなど、アナログな要素も残っています。
こういった現状のWeb3の課題を解決していくことで、世の中によりWeb3が浸透していくマスアダプションの流れができるのではないかと考えています。
──シンセカイテクノロジーズが会社のビジョンとして押し出している「Web2.X SHIFT」とリンクするものがありますね。
Web2.XにはWeb3とWeb2.0の中間という意味合いが込められていますが、これは僕が感じていたWeb3の課題感とつながるものがあります。シンセカイテクノロジーズでなら、既存のWeb3の概念を壊していけるのではないか?と可能性を感じているんです。
具体的には、今はスマートウォレット「MURA WALLET」のオンチェーン化を目指しています。MURA WALLETはデジタルカードやデジタルアイテム(NFT)などを受け取ることが出来るサービスで、将来的にはDiscordや様々なDappsにも繋がる、MURA プラットフォームのハブにできたらいいなと考えています。
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最初の構想では、MURA WALLETはブロックチェーンを使わずにオフチェーンで取引ができるように開発を進めていました。
MURA WALLETでは、ユーザー側で必要な設定は最小限にして、オンチェーン化することを試みています。ユーザーがシームレスにWeb3に参入できる状態を作るため、チャレンジを続けていきたいです。
どんな場面でも活躍するエンジニアになるチャンス。Web2.0エンジニアが、Web3の世界に参入するメリットとは
──シンセカイテクノロジーズでの動きとして、楽しみにしていることはありますか?
冒頭に述べたベトナムでの開発は、楽しみにしていることの一つですね。
実はベトナムにはクリプトエンジニア(暗号資産のシステムを構築するエンジニア)に興味関心のある方が多く、遊びながらお金を稼ぐことができるNFTゲーム「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」がローンチされるなど、Web3に対する注目度は高いです。
素早く要望に応えてくれる優秀なエンジニアも多いですし、一緒に開発を進めるのが楽しみです。
──澤田さんが考える、エンジニアや技術者がWeb2.0ではなくWeb3業界で仕事をするメリットはどのようなものでしょうか?
エンジニアはWeb2.0でも需要が高い職業ですが、市況の影響やAIの台頭などで、仕事を得るのがだんだん厳しくなってくると予想しています。一方でクリプトエンジニアはまだ多くないため、売り手市場が続いていますし、今後もしばらく続くと予想しています。
クリプトエンジニアとして働くには、暗号技術やブロックチェーンに関する知識がマストになりますが、それはなにか特別難しい知識を学ぶわけではありません。大学の情報科学(CS)専攻で学ぶような一般的な理論やアルゴリズムを押さえておけば、理解するのは難しいことではないはずです。
──これからはWeb2.0とWeb3のどちらにも対応できる人材が、強いエンジニアになりそうですね。
そうですね。それに、ここ数年でエンジニアとして働き始めた方はWeb3の知識を身につけることによって他のエンジニアとの差別化を図れると思います。一般的なWeb2.0の開発知識や経験に加えて、Web3のことがわかるエンジニアは需要もありますし、安定して仕事を得られるようになるまでの道のりは長くないはずです。
これからエンジニアを目指す方や活躍できるフィールドを探している方には、Web3領域での経験は非常におすすめです。
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