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ショーペンハウアーとバガヴァッド・ギータ
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ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer)は、19世紀のドイツの哲学者であり、その著書「意志と表象としての世界」(Die Welt als Wille und Vorstellung)によって最もよく知られています。ショーペンハウアーは、東洋の哲学や宗教に興味を持ち、特にインドの古典的なテキストである「バガヴァッド・ギータ」に大きな影響を受けました。以下に、ショーペンハウアーが受けた
の影響について詳しく説明します。
世界観と転生:バガヴァッド・ギータは、人間の存在が永遠の魂(アートマン)であり、物理的な肉体が死んでも魂は転生し続けるという思想を持っています。ショーペンハウアーは、この考え方を受け入れ、物理的な現実の背後に永遠の意志という根本的な現実があるという自身の哲学と結び付けました。彼によれば、意志(ウィル)は永遠で不変のものであり、個々の人間の意志は肉体の死後も新しい存在に転生して続くのだと考えました。
非二元性:バガヴァッド・ギータは、物質と精神、肉体と魂などの二元性を超える思想を持っています。ショーペンハウアーは、この非二元性の考えを自らの哲学に取り入れ、物理的な世界と精神的な世界の背後にある一元的な意志の存在を強調しました。彼によれば、この一元的な意志は宇宙の全ての存在を支配し、個々の人間の意志はそれに連動しています。
責任と行動:バガヴァッド・ギータでは、義務(ダルマ)として自分の使命に忠実に行動することが重要視されます。ショーペンハウアーは、個々の人間が自らの意志に忠実に従うことで真の幸福を得ることができると考えました。また、彼は不要な欲望を捨てることによって苦しみを減らし、個々の意志が他者の苦しみを理解することで共感と慈悲を持つことが重要だと説きました。
解脱と苦しみの終焉:バガヴァッド・ギータは、個々の意志が欲望の追求から解放されることで真の解脱が得られると説きます。同様に、ショーペンハウアーも個々の意志の追求から離れ、自己の欲望を超えることで解脱と幸福を見出すという考えを持ちました。
これらの要素が、ショーペンハウアーの哲学においてバガヴァッド・ギータの影響を示しています。バガヴァッド・ギータの深い哲学と東洋の思想が、ショーペンハウアーの西洋の哲学に取り入れられ、彼の独自の見解を形成する上で重要な役割を果たしたのです。