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「足で稼ぐ」粘り強さが実を結ぶ―権利調整のプロが語る、仕事の誇りとは

新生都市開発株式会社 代表取締役の永尾です。当社では先日、「権利問題の解決を通じて不動産の価値を高め、次世代のために良質な資産を残す」という新たなミッションを掲げました。この考えは、権利調整業務に携わるパートナーたちにも深く共感され、日々の業務に活かされています。そこで今回は、誇りを持って仕事に取り組んでいるパートナーとの対談を通じて、新生都市開発で働くメンバーの想いに迫ります。


<プロフィール>
新生都市開発株式会社 権利調整事業部 Tさん

入社5年目。製造業・運送業・不動産業・飲食業と多彩な職歴を経た後、永尾社長のスカウトを受け入社。現在は、権利調整業務のスペシャリストとして活躍中。




社長の「直感」で権利調整の道へ

——新生都市開発に入社した経緯を教えてください。

Tさん:
きっかけは、永尾社長にスカウトしていただいたことでした。以前、私は不動産会社で社長秘書を務めており、そのときに現社長とのご縁をいただいていました。その後、飲食業へと転職したのですが、コロナ禍で経営がうまく立ち行かなくなっていたときに、「うちで権利調整業務をやらないか?」とご連絡いただいたんです。

永尾:
ちょうどその頃に「パートナーを増やしたいな」と考えていて、思い出したのがTさんでした。初めてお会いしたときから、「この人は交渉ごとに向いているだろうな」と直感していたんです。「なぜか」と聞かれるとうまく言葉にできないのですが、多分これは経験則なのだろうと思います(笑)。

Tさん:
それまでの間に、永尾社長が取り組まれている事業については知っていました。もともと人と話すことが好きな性分なのと、「人が変われば状況が変わる」という交渉業務に強く興味を引かれ、「ぜひ挑戦してみたい」と感じたのを覚えています。ただ、前職で店長を務めていた手前、スタッフのことを考えると悩んだ時期もありました。最終的には、お世話になった代表の方に背中を押していただき、入社を決めました。


——入社後はどのような案件を担当されたのでしょうか?

Tさん:
最初の仕事は、当社が所有していたとある土地を、隣地所有者に売却する案件でした。隣地所有者の方からすると、買うメリットが見当たらない状況だったため、かなり難しい仕事でしたね。

永尾:
はじめに任せた案件は、かなり難易度の高いものだったんですよね。ただ、そこにはきちんとした意図がありまして……。

権利調整の仕事で一番大切なことは、「交渉先へ出向き、対話し続ける」ことなんです。でも、解決方法が明確にわかっていないと、ほとんどの人は行動できなくなってしまう。でも、それではこの仕事は務まらないんです。

あえて打開策がシミュレーションできない案件を担当してもらうことで、現場に足を運び続けながら、糸口を探る工程を学んで欲しかった。だから、「売却額はいくらでもいい」「売れなくてもいいから、通い続けてください」と最初に伝えてありました。

Tさん:
最初に伺ったときは、予想通り「そんな土地はいらない」と言われました。それでも永尾社長の言葉通り、2〜3ヶ月ほど定期的にご挨拶に伺っていましたが、そのうち話のきっかけもなくなってきて……。

そのとき、お相手の方が中古物件の不動産投資をされているお話を思い出したんです。そこで、当社物件のご提案をきっかけに関係性を築かせていただき、最終的には目標としていた土地と合わせてご購入いただけることになりました。時間はかかりましたが、「人間関係の構築方法はあらゆる方向にある」ということを、実践を通して学ばせていただきました。

永尾:
Tさんは、自分から見ても最高難度の案件を、見事解決してくれました。「自分の目に狂いはなかった」とそのとき確信しました。


街づくりに携わっている実感がやりがいに

——これまでに担当した案件のうち、特に印象に残っている仕事はありますか?

Tさん:
知的障害をお持ちの方が居住されていた案件ですね。築50年以上が経過した文化住宅にお住まいだったのですが、物件の老朽化がかなり進んでいる状況でした。このときは、ケアマネジャーの方や入居者様のご家族を通して、丁寧に話し合いを進めました。ですが、当初先方は慣れ親しんだ住まいを離れることに、抵抗感を示されていたんです。

そこで、「家屋の屋根の一部が倒壊して雨漏りが進行しており、物件の耐久性に不安があること」「今後大きな地震が発生した際に、倒壊する危険性があること」など、ご入居者本人の安全面の観点から、新しい住居への移転をご提案させていただきました。

最終的には、関係する医療機関の方々にも粘り強くご説明し、ご理解いただけたことで、円満解決できました。移転後、ご家族とケアマネジャーの方から感謝の言葉をいただいたときは、本当にうれしかったです。

永尾:
住まいを変えることは、心理的にも金銭的にも負担がかかりますからね。加えて、お相手と対話を続けるのと同時に、周辺の不動産会社に協力を仰ぎ、どれほど多くの移転候補先の物件を用意できるかも非常に重要だと思います。お客様の不安要素を、親身になって取り除いてあげることこそが、私たちの仕事の本質なのではないでしょうか。

Tさん:
そうですね。ステークホルダーの方々に同じ方向を向いていただくためには、相手の心に寄り添った対応が必要だと感じています。

この事例のように、当社が手がける物件は9割方が老朽化物件です。そのため、自分の仕事が終わった後、古い建物が新しい建物へと建て替わり、より良い街並みに変わっていく姿を見ると、感慨深い気持ちになります。仕事を通じて街の景観づくりに携わり、当社のミッションにもある通り、「次世代へ良質な資産を残せている」。そう思うと、仕事に対する誇りと大きなやりがいを感じられます。


ミッションを体現し、社会へ貢献し続ける

——Tさんの今後の目標を教えてください。

Tさん:
さらなる現場経験を積むことで、自分自身の知識を深め、対応力・判断力を高めていきたいです。それが、ひいてはチーム全体のレベルアップにつながったら、うれしいですね。

永尾:
何よりも現場でのインプット・アウトプットを繰り返した方が、よりスピーディーにスキルが身に付くと思います。これからも一つひとつの案件に真摯に向き合い、社会に貢献し続けることで、新たなミッションを体現していきましょう!

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