#米ホワイトハウス高官電話記録を隠蔽か内部告発状 #米議会下院の情報特別委員会は26日トランプ大統領がウクライナに対してバイデン前副大統領に関する調査を要請した電話協議の内部告発状を公表した。告発者はトランプ氏がウクライナ大統領に選挙支援を求め、ホワイトハウス高官は首脳間の電話記録へのアクセスを大幅に制限したと指摘した。
一方、マグワイア国家情報長官代行は26日の
告発状によると、トランプ氏は7月25日にウクライナのゼレンスキー大統領と電話し、バイデン氏や息子に不利となる情報を求めて調査を依頼した。告発者はこの行為を「トランプ氏が大統領職権を使って2020年の大統領選に向けて外国政府の介入を求めた」ものだと指摘した。
電話協議から数日後、複数のホワイトハウス高官は政府関係者による電話記録へのアクセスを大幅に制限しようとした。ホワイトハウス法律顧問は文書を広く閲覧できる電子システムから米ウクライナ首脳の電話記録を削除するよう関係者に指示。機密性が非常に高い文書を扱うはずの別の電子システムに移された。
内部告発者は電話記録の保管場所を変えたことについて「ホワイトハウスは電話内容の重大さに気づいていたのだろう」と指摘。隠蔽を図った可能性があるとの見方をにじませた。
告発状はトランプ氏の顧問弁護士ジュリアーニ元ニューヨーク市長がウクライナ政府と頻繁に接触していたとも説明した。8月2日ごろにはゼレンスキー氏の顧問にマドリードで面会。米当局者はこの面会を「首脳間で議論した件についてのフォローアップ」としており、バイデン氏の調査に関して協議した可能性が高い。
マグワイア氏は26日の下院情報委の議会証言に応じた。電話記録を隠蔽しようとした疑いについては「告発状は2次情報に基づいた疑惑だ。正確なものなのか私には分からない」と述べるにとどめた。
マグワイア氏は告発状の扱いをホワイトハウス法律顧問と協議した理由について「いろんな考え方を知ることが賢明だと思った」と釈明した。告発状の議会報告が遅れた点については大統領権限が関わった案件だからだと説明。「時間稼ぎはしていない。誰からの指示も受けていない」と主張した。
野党・民主党のペロシ下院議長は26日、記者団に対し、ホワイトハウスが電話記録へのアクセスを大幅に制限した点について「これは隠蔽だ」と断じた。「(トランプ)大統領が憲法を軽視していることを示す新たな事例だ」と批判した。
トランプ氏は告発状に不満をぶちまけた。26日に「2次情報を持っていた内部告発者だって? 新たな偽ニュースだ!」とツイッターに書き込んだ。ゼレンスキー氏との電話協議について「とてもすばらしい会話だった。圧力もなかった」と主張。内部告発に関して「新たな魔女狩りだ!」と断じた。