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#東証障害・システム設定に不備 調査委を設置 #東京証券取引所は5日・1日に起きたシステム障害の原因を公表した。 #相場情報を伝えるシステムを支える一部装置のメモリーが故障した際に #予備のディスクに自動で切り替える設定になっていなかったという。 システムを担当する富士通の時田隆仁社長は5日、「多くの皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりおわびする」と陳謝した。

東証は同日、弁護士の久保利英明氏ら、親会社の日本取引所グループの独立社外取締役4人で構成する調査委員会を設置した。委員長は久保利氏が務める。社内調査とは別に、独立した立場の社外取締役に調査してもらうことで、投資家からの信頼回復につなげたい考えだ。 問題が生じたのは相場情報を支えるディスクで、基準価格など基本情報を格納している。今回、ディスク内のメモリーが故障した。東証の説明によると、ディスクに支障が発生すると、制御機構が検知。制御機構が設定に従って予備のディスクに切り替える仕組みとなっている。 だが、制御機構に設定されていた数値(パラメーター)では、ディスク内のメモリーが故障した際に、予備のディスクに自動で切り替わらないようになっていた。このため相場情報を配信するシステムが動かなかった。 東証は「予備のディスクに切り替わるテストはやっているが、メモリーが実際に壊れた形のテストまで実施するのは難しい」と説明。そのうえで「なぜこの事象が事前のテストで確認できなかったのか、検証していく」と述べた。 設定が間違っていた理由については「富士通が設定して納品したもの」と明らかにしたうえで、「テストも富士通でやるテスト、東証のテストがある。どういう理由でこの悪さにつながったかはこれから検証する」と語った。 東証が1日に終日売買停止したことの波紋は広がっている。 日本証券業協会が5日に開いた全国証券大会で麻生太郎財務・金融相はビデオメッセージを寄せ、「『国際金融ハブ(拠点)』としての日本の資本市場の信頼確保のためにも、徹底した原因究明と再発防止が必要」と強調した。「安全の確認がとれ次第速やかに取引を再開し、顧客への影響を最小化する危機管理の能力も高めていくことが必要」と注文を付けた。 東証を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)の清田瞭最高経営責任者(CEO)は5日の証券大会に出席し、「投資家や市場参加者に多大な迷惑をおかけし深くおわび申し上げる」と陳謝。「市場の安全性が最も大事で、第一にあってこそだ」とし、「安全、安心な市場運営に努めていく」と述べた。 システムのバックアップ機能が働かなかったこととともに、売買をなぜ終日停止したのかという点も問題になっている。 東証が午前7時4分に機器障害に気付いたものの、午前8時以降も注文を受け付けていたことが、結果的に日中に売買を再開できなかった原因の1つとなった。証券会社もシステムや顧客対応の能力で差がある。東証が終日売買停止したことに、一部証券会社は不満を示している。 東証が終日売買停止の措置をとったのは、「再開した際に証券会社への負荷が大きかったため」と東証は説明している。売買を同日中に再開させる場合、朝方に東証に送付した注文がそのままの内容で良いのか、証券会社がすべての顧客に再確認しきれないという問題が発生するからだ。 1日は機器故障のバックアップ装置がうまく作動しなかったことをきっかけに株価情報を配信するシステムに障害が生じた。一方で、株式売買を実行する「売買系」のシステムは問題なく作動していた。東証は取引が始まる午前9時より前に証券会社から注文を受け付けていた。 東証は今後、システム障害が発生した場合に取引時間前の注文を受け付けるプロセスなどを検証していく。再発防止策で終日の取引停止に陥らないような施策をまとめていく方針だ。 

#日経COMEMO #NIKKEI

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