#スタグフレーションは困る #景気が後退していく中でインフレ物価上昇が同時進行する現象 #ガソリン補助金上限到達原油高で1リットルあたり5円 経済産業省は10日から、ガソリンや灯油など燃料価格の急騰を抑える補助金を上限の1リットルあたり5円に引き上げる見通しだ。
最近の原油価格の高騰を反映し、現在の支給額の3.7円から上積みする。10日から1週間適用する。
全国平均のガソリン価格を1リットルあたり170円に抑えるための激変緩和策だが、原料となる原油コストの上昇を補助金で相殺しきれず、補助金がすべて価格の抑制に回っても小売価格は170円に収まらなくなる。
補助金は石油元売り各社に支給する。その分をガソリンと灯油、軽油、重油の卸値から差し引いてもらい給油所などの小売価格の上昇を抑える。
経産省はドバイ原油価格の相場をもとに原油コストをはじいて補助金の額を決め、毎週見直している。ガソリン価格が170円時点の原油コストは59.2円だった。1月27日からの発動初週の原油コストは62.6円になると見込まれたため差額の3.4円を補助。2月3日からの2週目は62.9円になると見込まれたため0.3円増やして3.7円とした。
ウクライナ情勢の緊迫で欧州でのエネルギー需給の逼迫観測が強まっている。4日は原油でアジア市場の指標となる中東産ドバイ原油のスポット価格が1バレル90ドル近くに上昇した。
日本経済新聞の集計によると、10日からの3週目の原油コストは64.4円程度で前の週比1.5円程度の増額になる。卸値の上昇要因となるため、補助金を上積みして小売価格の抑制をめざすが、発動3週目で早くも上限の5円に達するのが確実な情勢となった。9日に公表し、翌10日から1週間の卸値に適用する。
萩生田光一経産相は4日の記者会見で「現時点で5円の上限を引き上げることは考えていない」と述べた。長引く原油高を踏まえ「国民生活や経済活動への影響を最小化するという観点から何が効果的な対策か不断の検討をしていきたい」とも話した。
補助金は3月末までの期間限定と位置づけられている。追加策の検討が本格化しそうだ。
発動後初めての価格調査となった1月31日時点のガソリン価格は170.9円だった。経産省は補助金がなければ173.4円だったと分析している。3.4円の補助に対し抑制効果は2.5円にとどまった。灯油の抑制効果は2.6円だった。給油所は補助金の発動前に仕入れた在庫のガソリンも抱えており、補助金の効果はまだ十分に行き渡っていない。
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