依存関係と感情的関与について思ったこと
今回は、依存関係について少し思ったことを書きます。
依存関係については、難しいテーマなので、こうだって言いきれないところがあります。
一つヒントになりそうなことが思い浮かんだので、文章を書きながら言語化できるか試してみます。
ですので、ちょっと参考程度にしていただけたらと思います。
前回の記事『自分の感情が動かなければ相手に物を言わない』を読み直していてふと思ったのです。
これ依存についてもちょっと関連するのかなと。
私は相談の仕事をしているのですが、相談者に傾聴だけではなくて自分の意見をはっきり言わなければいけない場面が時にはあります。
相談者が向き合いたくないことに向き合ってもらうためや、一歩踏み出すときに背中を押すために。
この時、私は本当に自分の感情が動かなければ言わないようにしています。
自分の心から出た自然な言葉でなければ、相手に届かないからです。
前回の記事ではそのような内容を書いたのです。
これをやっていると、人と依存関係になりにくいのではないかとふと思い、それを言葉にしてみようと書かせていただきます。
先日、職場の同僚にこんなことを言われました。
「小林さんって、相談者からあまり依存されませんよね」
たしかに長年相談業務をしていますが、あまりそういう例を思い出せないなと。
私が淡々としている性格なので、感情的に相談者に巻き込まれにくいのもあるのかもしれません。
ですが、加えてこのことも一因かもしれないと思います。
「相手のためだと思って自分の感情が動く」時にしか意見をぶつけない。
(ぶつけないって言葉が荒っぽいですね)
自分のためではなく相手のためを思って感情が動いた時です。
相手から感謝されたり、頼られたり、良く思われたいという、自分への見返りのためではなく。
それだと相手の心に届かないと思うからです。
そして、何らかの自分への見返りを期待する心(無自覚でも)から、相手に意見することが常態化すると、依存関係になりやすいと思うのです。
中途半端に感情移入して意見している状態。
表面的ではありますが、
自分のことを思ってくれて嬉しい ⇔ 見返りが得られる効力感
ですが、何かが伴わず満たされないまま、このやりとりが続きます。
ここぞという時に「相手のためだと思って自分の感情が動く」ためには、依存と逆説的ですが、普段から相手に関心を抱いて感情的な関与をしていることが大事だと思います。
(これは前回の記事で書きました)
本当に相手に届く言葉は、相手への感情的な関与の積み上げで生まれます。
依存関係にある親子のご相談を受けることがあります。
親は子どもに寄り添って、子どもの要求に応えようとします。
寂しい気持ちや求めに応えてあげようと常にしています。
ここで親が子どものためを思ってではなく、自分のための行動になっていないかを問いたいのです。
子どもに嫌われないように自分を守りたいがために。
実は、親は自分自身に感情が向いてしまっている状態かもしれません。
このやりとりは、お互いにメリットがあるかもしれません。
しかし表面的で本当の思いが伴っていないと、子どもは満たされない状態が続きます。
そして、満たされたいという思いを持ったまま、同じ関係が続くのではないでしょうか。
逆説的ですが、依存関係にならないためには、相手に関心を抱いて感情的な関与をしていることが大事かと思います。
今回は、依存関係について少し思ったことを書きました。
自分の頭を整理する目的で書きましたが、まとめるのが難しい!
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師