全て「自分のせい」だと考えてしまう癖
人を生きにくくさせてしまう思考の特徴について、4回に分けて書いています。
今回は、4つ目の特徴を紹介します。
物事をポジティブにとらえやすい人もいれば、ネガティブにとらえやすい人もいます。
その違いは、ある出来事を経験したときに個々人のフィルターを通して解釈していることから生じます。
「考え方の癖」(認知の歪みとなることも)があり、それが強すぎると、生きづらくなることがあります。
その「考え方の癖」の一つを説明します。
「個人化(personalization)」という「考え方の癖」です。
何か問題が起きたときに根拠がなくても、「自分のせいだ」とすべて自分の責任であると考える認知の歪みです。
例えば、職場で一人の退職者が出たとして、根拠はなくても、
「ああ、自分の配慮が足りなかったからだ」
「自分が話をきちんと聞いてあげなかったからだ」
「○○さんが辞めたのは自分のせい」
のように考える傾向です。
これ、私がたまに思ってしまうことです。
(私も個人化傾向?)
個人化は、幼少期の事象のとらえ方や養育者からの対応によるところがあるかもしれません。
幼少期はまだ世界のことを理解していないために、事象を自分と関連付けて考える傾向があります。
親が理由も言わずに悲しい表情をしていると、
「自分が良い子にしていないから」
失敗の理由を話そうとすると、「なに人のせいにするの?」と問い詰められるから、
「自分のせいにしておこう」
のような考え方が身につきます。
個人化へどのように対処すればよいのかについてです。
「影響」と「操作」を区別することです。
私たちは普通に生きているだけで何かしらの影響を人に与えたり、受けたりします。
ちょっとしたしぐさや息づかいでさえ、周囲の人にはと不快に感じることもあるかもしれません。
ただ存在しているだけでも、人に何らかの影響を与えているはずです。
それはごく自然のことで免れようもないことです。
一方で「操作」というのは、意図的に結果を変えようとする行為です。
人や物事をコントロールしようとする行為。
「操作」には責任が生じますが、「影響」のほうはどうしようもない面があります。
起きている事象について、自分の「影響」なのか「操作」なのかを区別して考えると良いのです。
今回は、ネガティブな人の思考の特徴として問題をすべて自分のせいだと考える個人化と、「影響」と「操作」を区別するという考え方を説明しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師