「いつもそうである」という否定的な思い込みから抜けるには
何回かに分けて人を生きにくくさせてしまう思考について書いています。
物事をポジティブにとらえやすい人もいれば、ネガティブにとらえやすい人もいます。
その違いは、ある出来事を経験したときに個々人のフィルターを通して解釈していることから生じます。
「考え方の癖」(認知の歪みとなることも)があり、それが強すぎると、生きづらくなることがあります。
今回も、その「考え方の癖」の一つを対処法とともに説明します。
「過度の一般化(over-generalization)」という「考え方の癖」です。
一度か二度の個人的に経験したことを「まるでいつもそのような結果になる」と全ての状況に当てはめようとする癖です。
ネガティブな経験を今後起こり得る状況にも当てはめて考えることで、自分を苦しめてしまいます。
特定の誰かに拒否された経験から、「私は皆から嫌われている」と思い込んだり。
一度の入社試験の失敗から、「私を雇ってくれる会社なんて世の中にはない」と思い込んだり。
このように個別的な人生の出来事を一般化された法則的な出来事と解釈してしまう思考です。
「過度の一般化」への対処法として、「具体化する質問」を自分にするというものがあります。
「いつも」「全部」「皆」のような一般化された表現に対して、具体的には何を指しているのかを質問するのです。
「私は皆から嫌われている」
→「皆というのは誰と誰?」「クラスの皆?」
実は2~3人のことを指していて、その他の人についてはわからない。
「私を雇ってくれる会社なんて世の中にはない」
→「世の中というのはどこまでの範囲?」「まさか日本中ということ?」
1社から不採用だっただけで、他の会社はわからない。
「いつも仕事が遅くて皆に迷惑をかけている」
→「いつもとはどの場面か挙げてみて?」「皆とは誰と誰?」
特定の場面、特定の数人でしかない。
「過度の一般化」という「考え方の癖」があることを知り、自分の癖になっていないかまずは気づきましょう。
そして、自分に対して「具体化する質問」をして、否定的な思い込みから抜け出しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師