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初めての学園祭とカプセルホテル

私には、推しのおかげで初めて経験できたことが最近二つある。


一つ目は、他大学の学園祭を一人で見に行くということである。
一か月ほど前、行動圏内の大学に推しが学園祭のゲストとして呼ばれたため、私は初めて他大の学園祭に行くことを決めた。
自分の通う大学の学園祭ではほとんど何もしたことがなく、毎年一人でさらっと一周して屋台で何も買わずに帰るような人間が、他大学(しかもキラキラした可愛い子が集まっていると名高い女子大)の学園祭に行くということで、当日まで緊張していた。キラキラした女子大生たちに、「こんなパッとしない風貌の女子大生もいるんだ~」「こんな子がこの芸能人を推してるんだ~」と思われるんじゃないか、というくだらない被害妄想を膨らませられるだけ膨らませて当日までの日々を過ごした。

でも、学園祭は最初から最後まですごく楽しかった。
運営している大学生は確かに皆キラキラしていて可愛かったけれど、それ以上に優しくてテキパキとしていた。ステージに立つ推しはとっても爽やかで、学園祭の雰囲気を楽しんでいるのが伝わってきてこっちまで嬉しくなった。学園祭ならではの近距離でステージを見られたのも、カメラがないからこその緩いトークを聞けたのも貴重で、本当に見に行って良かったと思う。


二つ目は、ホテルの大浴場に一人で行くということである。
実際に各地にある施設を紹介しながら話が進んでいく、テレ東などでよくある系統のドラマに推しが出演し、推しが出た回のロケ地が偶然にも近場だったので、初めてドラマの聖地巡礼をしてみることにしたのだ。
聖地巡礼をすることすら初めてなのに、その「聖地」は今まで足を踏み入れようと思ったこともない高級カプセルホテルだった。最初は思い切って一泊しようかとすら考えていたが、調べたところ大浴場とラウンジ(ドリンクバー飲み放題のくつろぎスペース)だけを日帰りで利用できるプランがあったのでそれを使うことにした。
高級版とはいえカプセルホテルはおじさま方に多く利用されているイメージがあったので、女子大生が一人で乗り込んだらかなり浮くんじゃないかとこちらも実際に行くまで緊張していた。

でもホテルではすごく充実した、あっという間の2時間を過ごすことができた。
昼食時を狙ったのが功を奏したのか大浴場はほぼ貸し切り状態だったし、さすがは高級カプセルホテル、シャンプーやリンスはもちろん洗顔料やアウトバストリートメントなどが何種類も用意されており、どれも使い放題だった。普段下宿ではシャワーで済ませているので、久しぶりの湯船(露天風呂まであった)は非常に気持ちがよく、ゆったりと全身をほぐすことができた。
ラウンジには各種ドリンクとお味噌汁が用意されており、お風呂で温まった身体はホットティーとお味噌汁でさらにぽかぽかになった。テレビがついていて、ふかっとした椅子があって、ほっと落ち着く空間だった。客層はおおよそ想像通りだったが、若者二人組や外国人のマダム(アメニティの使い方を教えてあげた)など、様々な人が思い思いにカプセルホテルを満喫していた。
推しのサインが飾ってあるのではないかという淡い期待は打ち砕かれたものの、推しが演技をしていた場所はばっちり写真に収めることができた。というかラウンジも撮影現場だったので、お味噌汁を飲みながら聖地にいる幸せを嚙み締めることができた。すごく幸せだった。


初めてのことに一歩踏み出す勇気と、実際の行動力と、充実感と幸せと。
私はリア恋したり、お金をたくさん使ったり、というような推し方はしていないけれど、日々推しに様々なものをもらって、推しに生かされているのは間違いない。


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