#みの編マフィア小説 【第4夜】そして会は踊り出す。
『You Know What? ユノワ! I'm MINOWA!』
………ぅぉおおおおおおああああああ!!!!
一瞬の静けさの後、部屋のボルテージは一気に跳ね上がった。
その様子を見ていた狂一朗からは、思わず言葉がこぼれた。
「何度見ても鳥肌が立つな…奴の”ドウガ”は…」
横で見ていた達夜が嘆息交じりに反応する。
「一瞬で会合の雰囲気、持って行かれましたね… ボスからのメッセージがあるからってドウガのやつ、ノリノリで作ってたんですよ。」
「そうなのか。さっき一瞬見えたんだが、コマドリのやつも来てなかったか?あれだけ気まぐれな男が顔を出すのも珍しい。」
「なんでも、50年モノのレンズを手に入れたらしくて、『試運転させに来ただけっすわ〜』って言ってました。」
「相変わらずマイペースな奴だ…笑」
ドウガもコマドリも、自分の琴線に触れるもの以外には興味を示さないタチであるため、彼らとコミュニケーションを図ろうとする者はそう多くない。
しかし、究極のマイペースであると同時に、究極のクリエイティブメンバーであるため、いざ表に出た時の皆の熱狂は、計り知れないものがある。
「この組織には、自分の道を貫くヤツが多すぎる…」
エースである狂一朗ですら手を焼く、自我の強すぎる集団。
今この瞬間だってそうだ。
動画や写真にのめり込むメンバーも入れば…
「ねぇ、お菓子、食べる…?」
声のする方へ顔を向けると、狂一朗の前に小さな包み紙が差し出されていた。
「…美味しいよ?」
会合は、まだ始まったばかりだ。
いいなと思ったら応援しよう!
サポート代は全額写真の勉強代に当てさせてもらいます…!