[プロローグ] You know what?
薄暗い工場跡地に、赤い革張りの椅子がひとつ。
壁には、マルとバツを重ねたような奇妙なマークが至るところに描かれている。
床には破り捨てられた原稿用紙と、握りつぶされたハイボール缶
死ぬ… 以外… 傷…
何が書かれていたかは、もはや知る由も無い。
「貴様は何者だ…?」
反響する声に呼応するかのように人影がひとつ、ふたつ…
服装は違えど、どうやら同じものを手に持っていることが伺える。
右手にはスマートフォン、左手には……本。
ドラム缶から立ち昇る炎に魅せられ、狂ったように踊り出す。
さながら、キャンプファイアのように。
……それが、全ての始まりだった。
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