投球フォームの間違った教え方
投球フォームを指導される選手は多いと思います!又は指導する方もいます!ほとんどの方が自分の経験則で選手に教えています!少年野球の場合は監督・コーチと親御さんなど、高校野球で多い感じがするのが指導者がピッチャー経験者である場合、このパターンが一番やっかいです。自分の指導が間違っていると思っていなくこちらが選手を指導したとしても指導しなおされてしまいます!選手も監督・コーチの指導を優先してしまいます!
僕が学生時代の監督がそうでした。間違った指導をして自分が間違っていると思わない!僕が理学療法師の方から正しい指導をされてもそのフォームが気に入らずにいじられる!自分のいうことをきかないと不機嫌になる。
今回間違った指導をしている例をフェーズ事に紹介したいと思います!
ワインドアップ期 wind up phase
投球時にセットに入ってから足を上げて膝を上げた状態まで
・真っすぐに立て
・胸を張れ
投球時の荷重位置は母指球にのっていることです!そのためにセットに入った状態では母指球に荷重があるために体はやや前傾か重心がやや前方にあります。
真っすぐ立つ・胸を張ると意識をすると重心が後方に位置してしまい後方荷重になります。
コッキング期 cocking phase
足(膝)を上げた所から体重移動して前足(踏み込み足)が地面に接地する所まで
・軸足(後ろ足)に荷重を乗せるために膝を曲げさせる・重心を落とさせる
・体重を後ろに残そうと上体を後ろに傾ける(投手だと二塁方向)
・投球方向に軸足の膝を入れさせる(膝を投球方向に倒す)
・前足の膝を伸ばさせてつま先を体から遠くに離す
上の書いたことは前足が着くまでの体重移動の時です。
後ろ足に体重を残そうと軸足の膝を曲げたり腰(お尻)を下げる選手がいますがこれは後方荷重になって上体が起き上がってしまい体が開く可能性があります!
上体を後ろに傾けると前足が地面に着いて体重移動をする際に体重移動をうまく行えない可能性があります!ただ、うまく体重移動をできる選手もいるので選手の個性を診る必要があります!
軸足の膝を投球方向に倒す選手をよく見るし、指導する方もよく見るのですが上体が突っ込んでしまいます。
前足のつま先を体から話す選手や指導者もいますが重心が前に(右投手だと三塁)行き過ぎてしまい上体が後ろ(一塁)に倒れる可能性があります
コッキング期後期 足が着いた時
・手を下げろ(ボールを持った方)
・グローブを相手に向けろ
・胸を張れ
・つま先を相手に向けろ(前足)
上の画像のようにコッキング期のトップを作る前からトップを作った際に腕を下げてここから勢いをつけて投げろと指導します!僕には理解ができないのですが実際に僕がこのような指導をされました!トップを作った際はSSEが基本になります。この時に肘が下がるとここから肘を上げるのは無理です!
グローブを相手に向けなさいとグローブ側の腕を相手に伸ばして相手に向けさせるように指導しますが上体が開いてしまう可能性があります!僕なら肘を相手に向けるように指導します。肘が軽度に曲がり上体の開きが起こりにくいです。
トップを作った際に胸を張るようにとか弓を引くようにと教える方がいますがトップを作った際には上体は前傾位にあるのが理想です。このような指導をすると上体が立ってしまい後方荷重や体の開きにつながってしまう恐れがあります!もう少し細かいことをいうとトップ時はグローブ側の肩甲骨はこの時前傾しボール側の肩甲骨は後傾しているのが理想です!
ほとんどの指導はつま先を相手に向けなさいと指導します。しかし、ただつま先を相手に向けると膝や上体が開いてしまう可能性はあります!足が着いた際は膝や股関節は内旋・内転位になっていけないといけません!しかし、つま先を向けるだけ教えると膝や股関節が開いてしまう可能性があります!
僕は足を斜めに着くように教えます!実際にはそんなに斜めにはならないのですがそのように意識すると膝や股関節の開きを抑えられます!
加速期 acceleration phase
トップからリリースまで
・肘やボールは遅れて出てくるものだ
・肩や肘のしなりをつかえ
・肩の捻りをつかえ
よく聞くのが腕や肘がしなって遅れて出てくるのいい!です!遅れて出てきちゃダメです!肩や肘を壊します!遅れて出てくるように・しなっているように見えるだけです!SSEが基本になるので肘が遅れて出てきてこの関係が崩れてしまうのはだめです!
選手や指導者の多くが投球時肩の捻り(回旋)を使って投球していると思っていますが投球は肘の伸展運動によって行われています!リリースの話になってしまいますが、肘の伸展によって肩ー肘―手と一直線になり運動が伝わりゼロポジションに近似する状態で投球することができます!肩の捻りで投げてしまうと運動が十分に伝わりません!それよりも肩の負担が強くなってしまいます!腱板の筋肉は小さいために大きな力を出すのに適していません!それよりも肩を安定させ運動する際に肩の動きをコントロールする役目が大きいです!よく腱板はハンドルだと例えられます!ハンドルで力はだせませんよね?
フォロースルー期 follow through phase
リリースからフォロースルーまで
・リリースを前に球離れを遅く
・バレーのアタックをするように腕を振る
リリースを前にや球を長くもつようになど指導する方がいますが、これは結果的にリリーズが前になるのであって意識しリリースを前にしてしまうと手投げになってしまう恐れがあります!リリースで球離れが遅く前になるのは体重移動や体の屈伸運動や回旋運動が十分に行われた結果であり、それができずにリリースだけを意識してしまうと手だけで投げてしまう恐れがあります。
僕の所にきた選手が実際にいわれたみたいなのですがバレーのアタックのように腕を振るように指導されたそうですがバレー野球だと腕の使い方が違うので僕にはわかりません。僕はバレーは専門でないのでわかりませんがバレーのアタックのような腕の振り方をすると肘が伸展した際に肘頭を痛めてしまう可能性があります!
今回、指導時に多いと思った内容を書きました!もっといろいろな指導の仕方をしている方もいますが選手によって指導内容も違ってくるので書いてません!
ただ今回書いた指導内容や他の指導内容でなぜそうしないといけないのか?どうやったらできるのか?をわかっている指導者が少ないです!やり方も教えてないのに出来ませんし出来ないものをやらそうとしても無理です!
選手であればなぜそうしないといけないのか指導者に聞くことも大切です!自分が納得してないのに言いなりになってしまうのは危険です!難しいことですが
指導者なぜそうしないといけないのかそれがダメなのかを説明する義務があります
間違った指導は選手の身体を壊すだけではなく選手の未来もつぶしてしまいます