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下町カプリコ
数年ぶりにコンビニで「ジャイアントカプリコ」というものを買いました。
そして驚きました。
美味しさもさることながら、その「軽さ」に。
あんなに軽いお菓子は他にありません。
並々ならぬ企業努力を感じました。
きっと日夜、商品の改良会議を重ねているのでしょう。
~町工場の会議室にて~
経理部長「社長、このままでは今月も赤字になりそうです・・」
生産部長「やはり・・カプリコの研究開発費がかさみすぎているのでしょうか」
営業部長「これじゃあ俺たちが毎日売り歩いたところで、赤字は膨らむばかりだな」
社長「そうか・・でも俺は、世の中の人たちに、もっと軽いカプリコを食べてもらいたいんだよ!」
生産部長「宇宙で一番軽いお菓子を作るのが、社長の夢ですもんね」
経理部長「社長、もうカプリコの研究はやめませんか?研究開発費も、銀行からはこれ以上の融資はできないと言われてしまいました」
社長「そう言われてもなあ・・」
経理部長「社長、いつまでも夢見てないで現実を見てくださいよ!」
生産部長「おい、言い過ぎだぞ!」
経理部長「まったく・・私は今日は行くところがあるのでこれで失礼します」
バタン
営業部長「あの経理部長、銀行からの出向だったよな?」
生産部長「ええ、うちの会社がどうなろうと、ゆくゆくは銀行に戻れるからどうでもいいんでしょうね」
社長「まあまあそう言わずに。俺もカプリコの研究のことは改めて考え直してみるよ」
~翌日~
社長「昨日一晩考えたんだが・・・カプリコの研究はこれで終わりにしようと思う。俺の夢は、諦めることにするよ」
営業部長「そうですか・・」
生産部長「会社の今後のことを考えると・・仕方ないですね・・」
一同「・・・」
経理部長「なにを言ってるんですかっ!!!」
営業部長「経理部長・・??」
経理部長「社長、簡単に夢を諦めるだなんて言わないでくださいよ!」
社長「でも・・銀行からの融資がおりないんだから仕方がないんだよ・・」
経理部長「融資なら、昨日銀行を説得してきましたよ」
生産部長「えっ?でもそんなことをしたらあなたの立場が・・」
経理部長「銀行なら、辞表を提出してきました」
社長「経理部長・・」
経理部長「私はあなたの、夢に突き進む姿に心打たれました。この会社のために、耳の痛いことも誰よりも言ってきた。私は、この会社が好きだ!」
(↓ここからはこのBGMを流しながら読んでください)
営業部長「そうだったのか・・」
社長「ありがとう、これで完全に目が醒めたよ。もう一度夢をみんなで追おう!」
一同「はいっ!!」
営業部長「でもこれから資金繰りはどうしますか・・?」
社員「社長、ロケット開発会社からお電話です」
社長「今盛り上がってるとこなんだ、後にしてくれないか」
社員「なんでもロケットエンジンの開発のためにカプリコの軽量化技術の特許を数億円で買い取らせていただきたいとのことです」
社長「なんだってー!?」
つづく
いや、つづかない