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昨年末、人生初のすっぽん料理に挑戦。

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


…みたいな挨拶の旬を1週間ほど逃しつつ。
さらには新年1回目のこのタイミングで昨年末の出来事を書こうかなと。

・・・


昨年の仕事納めの日、同じ業界(違う会社)で働く少し年下の2人と飲みにいきましょうとなった。

1人は仕事よりもインスタの食レポ投稿に命を燃やしているほどのグルメ通、Mくん。食べる時間よりも写真を撮影する時間の方が長く、同席している人たちをちょっとだけイラつかせるのが彼の特徴。

もう1人は体育会系営業ウーマンのKさん。歯の矯正器具が丸見えになるのもお構いなしに大きな口を開けて笑う人。ちなみに数年前に初めて会ったときから歯の矯正をしている気がする。よほどの大工事なのか、サクラダファミリアに信仰の深い歯医者さんに通っているのか。


3人で飲みに行くのは初めて。何を食べましょうかと相談し、仕事納めの日だしパーっと肉を食べようか、あるいはお魚系か。そこからどう時空が歪んだのか、「すっぽん」を食べてみましょうということになった。

なぜすっぽんを食べようということになったのかは覚えていないが、おそらく僕が思いつきでテキトーに発言したのだと思う。


なぜか異様にウマが合う人やコミュニティというのが確かにあって。感覚的なものなのでなかなか言語化しづらいのだけども。
僕にとってそれは例えば、自分がテキトーに発言したことを、雑にツッコんでくれるか、あるいはテキトーに乗っかってくれる人たち。

↑難しいのが、「真面目にツッコんでくれる」とか「一生懸命乗っかってくれる」とかだと微妙にニュアンスが異なってしまう。

「すっぽん食べてみたいっすわ」とそこまで体重の乗っかってない感じ(あまり何も考えてない雰囲気)で返してくれる2人は、異常なほどこの定義にフィットしていた。



お店選びから予約までをすべてグルメ好きのMくんにお任せ(丸投げ)し、富山ですっぽん料理が食べられる数少ないお店に決定。


かくして人生初の、すっぽん忘年会がスタート。


以後載せる写真は自分で撮ったものではなく、すべてMくんがインスタ投稿用に撮ってくれた写真を拝借。





「すっぽん鍋コース」で、お通しや刺身系のメニューを経た上で、すっぽんゾーンに突入。


まずはすっぽん茶碗蒸し。



人生で初めて口にしたすっぽん。
アホみたいな感想だが、「めちゃくちゃ美味しい魚」だった。

出汁が絶妙に染み込んでいて味わい深い。魚介系の贅沢な茶碗蒸しのよう。

Kさんも「めっちゃ魚っすね」と言っていた。
Mくんは写真の構図を悩んでいて5分後くらいに初めて一口食べて「くにゅくにゅした魚だ」と言っていた。ものすごくすっぽんに失礼な気がする。


メインディッシュの「すっぽん鍋」の登場。



再びアホみたいな感想になるが、こちらは「めちゃくちゃ美味しい肉」だった。


すっぽんは部位によって食感も風味も大きく変わるようだ。先ほどの美味しい魚っぽい部位がどこなのか、今食べた美味しい肉っぽい部位がどこなのかは定かではないが。

しまいにはゼリーっぽい食感の謎のプルプル部位も出てきた。
同じ食材とは思えないほどの多種多様さ。


Kさんは「めっちゃコラーゲンっすね」と言っていた。
Mくんは相変わらず写真の構図に悩んでおり、撮影を終わる前に鍋をつつきだした僕らに対して、少しだけムスっとしていた。




締めのすっぽん雑炊。



ひとくち食べる。これはもう、絶品中の絶品。さっきまで食べた、すっぽんのいろんな食感のいろんな部位が、米と卵と共にごちゃ混ぜに。

味の美味しさはさることながら、すっぽんエキスを凝縮した米を食べると、心なしか身体の芯からエネルギーが漲ってくる感覚がある。思い込みかもしれないけども。


すっぽんのエネルギーの効果も相まってか、Kさんが突然「年末、旦那の浮気が発覚したんすよ」とカミングアウトした。

箸を止める僕と、撮影の手を(一瞬だけ)止めるMくん。


「まあでも仕事納めの今日、超大型案件受注したんです!」とKさんはカラッと笑った。歯の矯正がキラリと。

カラッとしててほどよくテキトーな人は強いな、と思った。

先ほどのカミングアウトがなかったかのように、数分後、KさんはMくんのスマホの前に手をかざしてデザートを撮るのを邪魔する遊びに興じていた。Mくんは本格的に不機嫌になっていた。


まあいろいろありますけれども、今はすっぽんが美味しいということがすべて。

日常生活もすっぽん料理と同じように、いろんな風味とかいろんな食感とか、いろんな味わいみたいなものがあって。

そういう一括りにできないもろもろがごちゃ混ぜになってる日常の中で、来年も気の合う変な仲間たちと、たまに変な料理でも食べられたらなと思った。

もう来年だけど。

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