投手が走者のいない塁に送球したら?
結論から言うと投手の遅延行為としてボークです。
ボークに関する規定として、野球規則 6.02(a)(4) にはこのように規定されています。
「投手板に触れている投手が、走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合。
ただし、プレイの必要があればさしつかえない。」
ここだけを見ると、投手板から軸足を外して走者のいない塁へ送球するのであればボークではないと解釈できます。
しかし、アマチュア野球の場合ここに落とし穴があります。
全日本軟式野球連盟が発行している「競技者必携」の中に、「アマチュア野球内規」という規定が記されています。
このアマチュア野球内規の ⑪ では投手の遅延行為が規定として以下のように規定しています。
「走者が塁にいるとき、投手が投手板から軸足をはずして、走者のいない塁に送球した(送球するマネも含む)場合 ・・・中略・・・投手の遅延行為とみなす。」
投手の遅延行為はすなわちボークですので、投手板をはずしていてもはずしていなくても、走者のいない塁に送球すればボークということです。
【例1】
走者一塁の時に、走者は投手がセットポジションに入る前に二塁へ盗塁した。
しかし、投手はこのことに気付いておらず、まだ一塁に走者がいるものと思いこんでいたので、セットポジションの姿勢から一塁へけん制球を投げた。
審判員はプレイが続かないと判断すればその場でタイムをかけて投手にボークを宣告します。
【例2】
走者一塁の時に、走者は投手がセットポジションに入る前に二塁へ盗塁しようとしてスタートを切った。
投手はすぐにこれに気付いて走者のいない二塁へ送球した。
この場合、二塁への送球が走者をアウトにするために必要なプレイであったと審判員が判断すればボークとはなりません。
但し、走者がスタートしたような動きを見せただけで実際にはスタートしていないような場合で、審判員が「二塁への送球は必要のないプレイ」と判断すればボークを適用する場合があります。