球審を見てくださ～い♬

『球審を見てください』
と言っても、
『俺、球審頑張ってるんだから、みんな注目してよ！』
ということではありません(笑)
まだ数えるほどの試合数しか経験していない審判の方々に、
日頃から伝えたいと思いつつ、なかなか言えないでいることがあるんです。
それは、
「球審から合図を出すこともあるから、ちゃんと見ててくださいね」
という、ただそれだけのことなんですけどね。

たまにあるのがスイングチェックでしょうか。
打者への投球がボール判定だった時にバッターが少しバットを出しかけてたり、ハーフスイングっぽい感じだったりすると、
捕手が 「スイング、スイング！」 なんて感じでバッターを指さしながら
球審にアピールするんです。

すると、球審は一塁審判（右打者の時）か三塁審判に対して
Did he go ?? （彼はバット振った？）と発声して
とジェスチャー付きで意見を求めます。
この様子を見ていた塁審は、スイングしていない判断ならセーフ、スイングしたと判断すればアウトのジェスチャーをします。
もちろん、アウトのジェスチャーを出されたら、ボールカウントを取り消してストライクの判定に切り返るわけですね。

これは、審判が勝手にそうしているわけじゃなくて、野球規則で決められているルールなんです。
捕手からアピールされたら、球審は意見を求めないといけない決まりなんですね。
なのに、スイングチェックのリクエストを出しても塁審がよそ見してたりすると、球審としては・・・( ﾟДﾟ)  となります(笑)。

こんなこともあるので、塁審は投球後のプレイがないからと言って、目を話してはいけません。
しっかり球審の方を見ていて欲しいわけです。

他にもありますよ。
野球には 『インフィールドフライ』 というルールがあって、
0アウトか1アウトの時に打球が
『これは普通なら捕れるだろ』という内野フライだったら
審判がインフィールドフライを宣告してバッターをアウトにする決まりです。
ところが、このプレイがインフィールドフライに該当するかどうかをまったく考えない審判がいたりするんですよねぇ。
実は、0アウト、または1アウトで走者一二塁とか満塁になると、
次の打者がバッターボックスに入る前に、
『次の打者はインフィールドフライがあるかもしれないよ』
ということを審判同士で合図を出し合ってて確認し合うんです。
これはそういう決まり事です。
でも、一人だけこっちを見てない・・・とか
初心者の審判が多い時なんて誰も見てないとか・・・
そうなってくると、いざ内野フライの時に、インフィールドフライを出しそびれた・・・
そういう経験もあります。

そんなこともあって、
『せめて球審の事はちゃんと見ててちょうだいな』
と試合中に思うことは何度か経験しています。

後は色々サインを出して塁審に伝えること結構ありますね。
これはルールで決まっているわけじゃなくて、審判同士で打ち合わせておいて決めたサインで伝えます。

・タイムプレイあるよ
・外野フライだったらタッグアップあるよ～
・三塁のベースカバーは俺が行くわ
・一塁か三塁の空いた方にカバー行くね
・俺はホームステイだからね♪ （ベースカバーに入れないよ）
・了解だよ～ん
・オッケー♬

こんなことを手でサインにして塁審に送ったり、塁審から球審に送ったりしています。

球審を見てくださいは、こういう意味でした。

テレビの野球中継だと、カメラは選手や打球の行方を追うし、
打者が打席にいない時にはベンチの様子なんかを映してますからね、
なかなか審判のサインは見れないと思います。
でも、球場で球審が見える位置にいれば、球審のなぞのサインをたっぷり見ることができます。
球場で観戦すれば、そういう楽しみ方もあるかもしれませんね。