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アピールプレイ(その1)

アピールプレイに関してはとっても量が多いだけでなく、
複雑でわかりにくいことだらけなのではないかと思います。

そこで、いくつかのシリーズで記事にしますので、興味ある方は是非
全回を読んでみていただければと思います。


【アピールプレイとは?】

● 勘違いがないように

これもけっこう勘違いをしている人が多いプレイで、
例えばですが、
野手が走者にタッグした時に「アウト アウト!」 と審判に対してアピールする・・・とか、
投球がバッターにスレスレのところを通ると 「当たった当たった」 と
打者が球審にアピールする・・・とか
そういうプレイを「アピール」 として考えている人が多いんです。

確かにそれらのような主張を「アピール」 というのは間違いではありませんが、野球規則としてのアピールプレイはまったく別の話なので注意が必要です。

● 正規の走塁ではない走塁に対するアピール

アピールプレイとは、走者が正しく走塁をしていなかった場合に、守備側がそれを指摘し、審判に対して走者をアウトにするように求めるプレイのことを言います。
このことは野球規則 5.09(c) の中で明記されていて、守備側からアピールがあれば(アピールが認められれば)走者はアウトです。

では、正しく走塁をしていなかった(正規の走塁ではない)とはどのような走塁の事を言うのか?
というのを次の項目で紹介します。

● 4つの正規ではない走塁

以下に挙げる4つのプレイは正規の走塁ではないとして、アピールプレイの対象です。

  1.  フライ(飛球)がダイレクトに捕球された後、走者が塁にリタッチをしなかった(塁を離れるのが早かった)

  2. 進塁または逆走する時に塁を順番に踏まなかった(触れなかった)

  3. 打者走者が一塁を駆け抜けた後でただちに帰塁しなかった

  4. 走者が本塁に触れていないか、触れようとしなかった

これらのプレイに気付いた野手が、走者が塁に触れ直す前にタッグをすることでアピールプレイとして審判に判定を求めることができます。
また、走者がベンチに戻っているような場合には塁にタッチ(触球)をすることでもアピールは可能です。

【アピールの方法】

例1:フライ捕球後に走者がリタッチしていない

走者三塁のとき、打者が大きなレフトフライを打ちました。
三塁走者はレフトが捕球できないと思ったので本塁へ走りましたがその直後、フライはダイレクトキャッチされました。
ボールは三塁へ送られ三塁手はボールを持ち、三塁ベースを踏みながら
審判に対して三塁走者の離塁が早かった(ライト捕球後のリタッチしていない)とアピールをします。

例2:走者が塁を踏まずに(触れずに)進塁した

走者一塁のとき、打者が球場の奥深くへ長打を打ち、三塁打となりました。
当然、一塁走者は本塁へ、打者走者は三塁へ到達しています。
しかし、一塁走者が二塁を踏んでいなかったのを見ており、ボールを二塁へ送り二塁手が二塁に触れて「一塁走者が二塁を空過しました」 と審判へアピールします。

ここで大切なのは、審判に対して何をアピールするのか、どの走者がどんな不正規な走塁をしたのかをはっきりと示さなければいけないということです。

よくありがちなのですが、野手がボールを持って塁の上に立っても、審判には何をしているのかがわかりません。
特にこのケースのように一塁走者と打者走者の二人が二塁を通過しているような場合には、必ずどちらの走者に対するアピールなのかを明確にしてアピールする必要があるのです。

「一塁走者が二塁を踏んでいません(または触れていません)」
のように、審判に対して言葉で伝える必要があります。

例3:走者が一塁駆け抜け後に一歩だけ二塁の方向へ踏み出した

これはよくある「二塁へ進もうとする素振りを見せた」というプレイです。
一塁審判の重要な役割として、一塁セーフとなって駆け抜けた走者がどんな行動をとっているのか目を離してはいけません。
セーフとなったことでプレイが終わり、安心してよそ見をしている間に一塁手が走者にタッグしていることだってあります。(僕はこれで失敗しかけたことがあります)

野手(一塁手)は、他のアピールと違い、ボールを持って必ず走者にタッグしなければなりません。
塁を踏んでも走者アウトにはなりません。

例4:走者が本塁を踏み忘れた

これ、けっこうあるんです。
一塁から三塁までは厚みのあるしっかりしたベースなので、踏まなけれな走者も気付くんですけど、本塁は地面に対して平面で凸凹がありません。
なので走者は踏んだつもりでも、得点した喜びなども重なって案外踏み損ねたことに気付かないままベンチに戻ってしまうことがあります。
しかし、捕手が外野や内野の方にばかり気を取られていると、走者が本塁を踏み損ねたのを見てなくて、そのままアピ―ルしないで得点される場面も多く見ています。
こういうミスはやっぱり少年野球に多いですね。

こんな時に野手の方はどうするかというと、野手(通常は捕手)がボールを持ち、本塁に触れて審判にアピールします。
その場合、前項と同じように2人の走者が本塁に達していたような場合には、「〇塁走者が踏んでいません」 とか 「前位の走者が触れませんでした」 などのように、きちんとどの走者なのかをはっきりと伝えなければいけません。

アピールプレイ その2へ続く

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