見出し画像

『Amazon』 柄本佑監督【在宅映画制作 LINER NOTES #16】

反復と叙情、家は境界に囲まれて、そのなかで僕たちは繰り返し、繰り返す。

何気ない日常を切り取っているが、それは、実際に濃厚接触者となった柄本監督のその瞬間の眼差しだ。温かい家族の団欒の残り香と、それでも否応なく続いているひとりの男の日常とのコントラストが、私たちに想像の余白を駆り立てている。外出自粛要請により、はじめての経験をした私たちには、この期間固有のそれぞれの記憶と感情が立ち上がっている。その中の一つとして、じっとりと染み込む、とある日の柄本監督の食卓。そして、最後の瞬間チャイムが鳴り、私たち全員の生活にあった知られざるシンクロに気付く。

柄本Amazon.mp4.00_02_43_07.静止画003

Postscript #16 柄本佑監督

柄本

・今回の作品の着想は?

コロナ感染者との濃厚接触ということで、2週間の自宅待機中にこの企画に誘っていただきました。毎日家から一歩も出ずに映画を観たり本を読んだり何もせずじっとしていたり。でまぁ腹が減るんで、飯作ります。いつの間にか無意識に昼食の時間を1番大事にしている自分がいました。映画観たり本読んでいる時はどこか上の空で外の世界に意識がいくんですが、昼食時は味に集中して「明日はこうしてみよう」なんて想像力まで働かせちゃったりして。その姿をベースにしたら何か生まれるかもと思いました。

・撮影時のエピソードや裏話を教えてください。

実は昼食時はめっちゃ独り言を言っていてその時は独り言を生かそうと思ってたんですが編集始めたらそのあまりに魂胆見え見えなお喋りする自分が大っ嫌いになりまして、おしゃべりは全部切ってやりました。

・今回の作品を制作して実感したことは?

まだ何も実感できておらず、どんな作品だったのか時々見直しては「観た方はどう思うだろう?」と不思議な心境です。

・ 在宅映画制作を通して、これからの映画制作に活かせそうなことだと思ったことは?

全編iPad上のiMovieで編集しまして、ここまで出来るんだなーと愕きました。

・作品をご覧になった人にメッセージをお願いします。

自由に観ていただければと思います。


『Amazon』

監督・編集 ・出演/ 柄本佑

濃厚接触者となった男。2週間の自宅待機。
外に出る事も出来ず妻にも娘にも接触出来ない男の楽しみは、昼食をひたすら無心で食すことだった。


#SHINPA #在宅映画制作 #柄本佑


いいなと思ったら応援しよう!