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『brother』渡辺大知監督【在宅映画制作 LINER NOTES #24】

ピザとコーヒーと缶ビール、そして2つのリズムのベーシック・トラックが織りなす、翻訳小説のような味わい深い一品。

在宅映画制作に参加した監督たちは皆、自宅で自問自答をする日々だっただろう。自分自身を営んだこの場所から、一体何を表現することが出来るのだろうか?その自分との対話の作業は、どこが自分を冷静に客観視することに近かったのかもしれない。渡辺大知監督の在宅制作映画『brother』は、そんな監督たちの特異な経験を、代弁するかのように鮮やかに描き出し、軽妙に掬い取る気持ちの良い作品だ。タイトル通りのブラザーとの対話は、ずっと何気ないものだが、そんな蓄積が私たちの人格を作っているのだ。そんな普通だけどスペシャルな時間は、大好きなピザを囲んで、コーヒーとビールで乾杯したい。そんな渡辺監督の粋なロマンを、私たちのステイホームのエピローグに添えるのは少々贅沢だろうか?いや、そんなことない。きっと大丈夫さ、ブラザー。

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Postscript #24 渡辺大知監督

渡辺

・今回の作品の着想は?

まず一人暮らしなので、自分で全部やるしかないなと。それを最大限にうまく使える方法は無いものかと画策して出来ました。
内容に関しては、まずピザを食うというのが、タイマーが減ってくみたいで面白いと思ったので、気まずい時間の表現になるかなと。そして提出当時1ヶ月間ずっと家の中にいて、誰にも触れてこなかったので、触れる瞬間があったらどんな時だろうと思って考えました。
あと、今年頭に『ねじまき鳥クロニクル』という舞台をやらせてもらって、自分の中のもう一人の自分というのに興味を持ったのもきっかけです。

・撮影時のエピソードや裏話を教えてください。

最初は引っ越しの設定で、家にある人形たちにアテレコしていこうと(TV番組「オー!マイキー」の要領で)思って書いていたのですが、上手くいかなかったので提出日ギリギリになって急遽こっちに変えました。変えてよかったと思います。

・今回の作品を制作して実感したことは?

とにかく映画はひとりで撮るもんじゃないって思いました。ピントを合わせるだけでこんなに苦しい思いをしなくてはいけないのかと勉強になりました。
せめてあとひとりいて、あーだこーだ言いながらやれたら楽しかっただろうなと。
その分、編集中のやつを友達に送ったりして感想聞きながら、進めていけたとき、心から幸せでした。

・ 在宅映画制作を通して、これからの映画制作に活かせそうなことだと思ったことは?

自分は普段自撮りとか滅多にしないし、自分の映ってる姿に興味もそんなにないので、映画でも自分を撮りたいと思ったことがないのですが、今回の事で自分をかなり客観視出来た気がします。もう多分、TikTokだって出来ます。

・作品をご覧になった人にメッセージをお願いします。

いい暇つぶしになったら幸いです。
二分割、大変ではありますが、誰でもできるので今度皆さんもおウチでやってみてください!!映えると思います!

・その他、感じたこと、考えたことがあれば、教えてください。

この企画、とても素敵なアイデアだと思いました。
自分が本当に楽しめることとはなにか、について改めて考えさせていただきました。
素敵な機会をありがとうございます。
この企画がきっかけで、観た人たちもなにか今の自粛に限らず「自分で勝手に楽しめること」について考えてくれたら嬉しいです。


『brother』

監督 ・出演 / 渡辺大知

#SHINPA #在宅映画制作 #渡辺大知

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