『12D815-6』川島直人監督【在宅映画制作 LINER NOTES #8】
在宅待機を任務とする男に巻き起こるタイムリミット・サスペンスの顛末とは!?
コロナ禍による外出自粛によって逆説的に自明化した、物理的距離は無効になり、世界中の誰とでも等しく繋がりうる可能性を、川島監督は、スパイ映画の様式の中で表現した。スパイという職責の中で過敏になる主人公、終わりの見えない自宅待機、外敵による得体の知れない爆弾、笑ってしまうようで、これら全て現状に翻弄される私たちの姿そのものなのだ。おまけに、川島監督は遠隔であることを忘れさせるほどの周到なカット割りを、キャスト本人に託すという”ミッション:インポッシブル”まで成し遂げているのだから、ブラボーである。
Postscript #8 川島直人監督
・今回の作品の着想は?
まず、シンプルに楽しい映画を作ろうと思いました。コロナを絡めない、zoomを使わない、という個人的な縛りはなんとなく頭にありました。
お話としては、《任務がない殺し屋が街中をぶらぶらして、偶然参加した草野球チームでヒットを打つという》プロットを書いてたことを思い出して、スタートしました。
そこに、台湾で活動中の希さんとも偶然連絡とっていたので、日本-台湾間ではありますが、遠いところで人が繋がるというの面白いと思い、出演をお願いしました。
・撮影時のエピソードや裏話を教えてください。
主演に撮影も兼務してもらう訳なので、僕と妻でまずビデオコンテをつくり、俯瞰図と共に主演の門田君に送り、それをみながらカメラのセッティングをしてもらうという事をした点です。
また、主演の門田君の自宅を使わせてもらっているので、基本、門田君の家族が寝静まった後〜起きる前に撮影するという、昼夜逆転撮影も意外にしんどかったです。笑
ちなみに、ラスト近くの回想で赤ちゃんを抱えているの僕の妻です。
・今回の作品を制作して実感したことは?
とても楽しかったですが、疲れました。本当に疲れた。笑
やはり、人と人が同じ空間にいて初めて僕の映画は成り立つんだと思いました。地元の友達からも「見たよー」って連絡きたのは嬉しいかったです。
・ 在宅映画制作を通して、これからの映画制作に活かせそうなことだと思ったことは?
ワンちゃんを絡めた撮影。笑
・作品をご覧になった人にメッセージをお願いします。
終始、くだらないなーと笑ってくれたら嬉しいです。
また、主演の門田君、シャオラン役の希さんは本当に素晴らしい役者なので、ぜひ応援お願いします。
『12D815-6』
director / Naoto Kawashima
camera / Sodai Kadota
special tahnks / Kadota's Family
cast
Sodai Kadota
Xiao Xi
Tama Kadota
Taijyu Nakane
Sora