『鳩 THE PIGEON』 達上空也監督【在宅映画制作 LINER NOTES #4】
大島渚監督『鳩を売る少年』から60年。もはや売る鳩すら持てない男の、孤独と囁き。
”石井達也”から”達上空也”となり、新たな一歩を踏み出した達上監督。自分自身の存在や理想を探究し、フィクションと現実を横断しながら物語を紡ぐ達上監督の在宅制作映画は、どこまでもアウトローで自分に誠実だ。 自身の孤独と闇に向き合い、飾ることなく身体を晒していく。そのスタンスや佇まいがどこまでも今日的なのだ。変わりゆく世界の中で、達上監督が人々の嘆きや孤独を背負い、映画界のダークヒーローになる日は近いのかもしれない。
Postscript #4 達上空也監督
・今回の作品の着想は?
今の自分を撮ろうと脚本を書き始めたら、彼女(日本画)の話になっていました。感想は自由ですが、僕はそう撮ったつもりです。
・撮影時のエピソードや裏話を教えてください。
好きな落語家の口調を真似たつもりが、あまりに下手くそで落ち込みました。
・今回の作品を制作して実感したことは?
SNSをあまりしないので反響は分かりませんが、言葉にせずとも感じてくれている人がいると思うと胸がすっとします。
・ 在宅映画制作を通して、これからの映画制作に活かせそうなことだと思ったことは?
個人から立ち上がるものには、制約はあまり関係ないんだなと感じました。
・作品をご覧になった人にメッセージをお願いします。
物事に寛容になれれば、全てがもう少し良くなるんじゃねぇかな と普段考えるんですが、映画も然りだと思います。多様な映画を面白がれる人は素敵です。この企画は自分を鑑みる機会でもある気がしました。
『鳩 THE PIGEON』
監督・出演 / 達上空也