佐倉彩海写真展「透明な珊瑚礁」を終えて(前編)
10/5~7の3日間、代官山のアップステアーズギャラリーさんで行われました佐倉彩海さんモデル/主催の写真展「透明な珊瑚礁」に参加させて頂きました💡
その記録を、私の視点で残しておきたいと思いますが、長くなりそうですので…まずは前編ということで、私自身の展示について正確に書いておきたいと思います。
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佐倉彩海写真展「透明な珊瑚礁」出展作品
『キロ。』
主演: 佐倉彩海
制作: 篠山吉信
私は『キロ。』というタイトルで制作したストーリー物の写真集をメインに、そこから抜粋したプリント4点の展示を行いました💡
『キロ。』の主人公の女の子、ここでは仮に「彩海」としておきましょう笑
このストーリーは、彩海のモノローグで綴られていきます。
ではその概要を、写真と共に追っていくことにします:
「ある梅雨の日。」
あの日は朝から雨が降っていた。
まるで自分の気持ちを表すような、じめじめとした梅雨の一日の始まりだった。
※私はストーリー物の写真集を制作する際、章を分けて、それぞれの章にサブタイトルを付けることが多いです💡
「川辺。」
このままでいいのだろうか。
このまま、流されていいのだろうか。
彩海は悩んでいた。
今自分が進んでいる道は、本当に自分の進みたい道なのか。
「プラム。」
プラム?
駅のベンチで、誰かが忘れていったであろうプラムを拾う彩海。
その偶然の出来事が、彼女の熱い想いを呼び起こす。
「芸能活動。」
2年前、少しだけやっていた芸能活動。
初めてのグラビアの仕事で小道具にプラムを使ったことを思い出す。
何かを表現することは魅力的であり、楽しいものだった。
「目標。」
学業に集中してきたこの1年半。
目標の為だったけれど、それは本当に自分のやりたいことなのか。
彩海は家に帰り、少し眠った。
そして…
「プラムを持って。」
プラムを握りしめ、私は家を飛び出した。
「歩き慣れた街。」
歩き慣れた街が違った景色に見える。
「何かが変わる。」
確信がある訳ではない。
でもきっと、何かが変わる。
思い悩んだ暗い時間から解放され、明るい世界に抜け出した彩海。
「本当の自分。」
本当の自分に会いにいこう。
「レールの上。」
そう、私はもうレールの上は走らない。
ゆっくりでもいい。自分の足で歩いていこう。
「人生の始まり。」
私の人生は始まったばかりだ。
彩海は自分の夢を追い掛けて、芸能活動に復帰したのだった。
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このストーリーは、お気付きの通り、彼女の置かれた状況に重ねてつくったものです。
進学のために一時モデルをお休みされていたこともあるかと思いますし、もう少しすると就職のためにモデルをやめてしまわれるかも知れません💡
正確なことは聞いていないので、間違っているかもしれませんが←
私はこのように、主演の方に合わせたストーリー、その方、および見てくださる方々に向けたメッセージを込めたものをつくることが多く、そしてそれを楽しんでいます💦
プリント展示の下には、撮影で使ったキャリーバッグを台として使い、写真集と(フェイクの)プラムを置きました。
篠山らしくないオシャレ演出ですよね💡
ほっとけ←
そして重要なプリント展示ですが、この4点でした。
まず左上からの対角に、思い悩んでいる状況の彼女と、そこから抜け出して晴れやかな状況の彼女を配しました。
額装のマットの色は、それらの状況に合わせて、黒と白に分けました。
右上の猫は、悩んでいる状況における羨ましい存在(未来の自分)。
自由に思ったまま生きるものの象徴として配しました。
左下の植物(ツタ?)は、晴れやかな状況における疎ましい存在(過去の自分)。
何かに沿ってしか生きられないものの象徴として配しました。
どうでしょう、よく考えられた展示ではありませんか←
実際は、ツタを撮ったのは、たまたま自分が絵的に気に入ったからで…
猫を撮ったのは、たまたま人懐っこい猫に絡まれたからで…笑
もちろん、あの辺りは猫が多いことは知っていたので、チャンスがあれば撮ろうとは考えていました💡
マットの白黒は、最初黒だけにしようと考えていたのですが、お通夜みたいになりそうで怖かったので💧、追加で白のものもオーダーしたのでした…
まあ、、偶然を掴むのも実力のうちと言ったり言わなかったり、、💦←
展示で頂いたご感想からいくつかメモを残したいと思います。
>『キロ。』というタイトルがよくわからん
はい、仰る通りでした。
岐路なのか、帰路なのか、キログラムなのか、キロメートルなのか、、それらの掛け合わせなのか。
実際は単純に「岐路」をイメージしていただけなのですが、彩海さんのイメージとして漢字のタイトルは重いな…と考えたのと、何となく音だけでふわっと「岐路」をイメージして欲しかったという所からです。
甘かったです💧
>写真集買いたい
少なくとも4,5名のかたから言われたかと思います。
10名くらい集まれば現実的な価格でお分けできるのですが…
>事前にストーリーとかを考えてから撮るのですか?
これが一番多い感想、というか質問だったかもしれません。
応えはイエス。
いつもどこかで書いています通り、私はほとんどの場合、事前に何を撮るのか決めて、モデルさんにお知らせします。
その日のスケジュールも細かく提示します。
特にストーリー物の撮影の場合は、ストーリーやそこから分割されたシーンの設定が存在しなければ、何をどう撮るのかが決まりませんので、事前に用意することは必須です。
スケジュールや衣装のイメージを比較的正確にお伝えするのは、それをしないと機嫌を損ねるモデルさんがたまにおられるので(笑)、それに合わせてやっているだけです💦
(彩海さんではありません)
>猫ちゃんかわいい
いや、かわいいですけど🙀
>背筋がぞくっとした(鳥肌が立った)
何名かのかたに言われたかと思います。
>どれくらいで撮影したのですか?
これもよく聞かれるのですが、(鶴見線界隈で撮影した)本編で1日(休憩込みで5時間くらい?
それと、回想シーン等のジューシー的な撮影が別の日に少し、です。
>フィルムですか?
いえいえデジタルです。
フィルムでこれだけのものを撮り切る自信はありません💦
ただ、トーンカーブをフィルム調(?)に調整しています。
実は『decisions.』とほぼ同じトーンカーブなのですが、こちらの撮影が比較的アンダー目が多かったため、グリーンが浮いた感じになったかと思います。
>レンズは何?
ほぼ全てSonnarです💡
何なら、ギャラリー展示の記録写真もSonnarです💦
ジューシーな撮影分は一部Distagon(Otus)です。
Sonnarと言っても、現代のレンズでして…
Sony Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA (+α6400)
Sony Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (+ α9)
ZEISS Batis 1.8/85 (+ α7S)
となります💡
特に Batis 1.8/85 + α7S の組み合わせは癖になりますから、是非試してみて頂きたいです💦
展示の4枚で言うと、彩海さんの写っている2枚がBatis 1.8/85で、猫とツタがSonnar 1.8/55です。
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個人的には、プラムを拾って自分の想いをぶり返す、というのは何とも強引で笑←
もっとうまく繋げられなかったかな、、とも思うのですが、
一方で #JuicyFruits展 の絡みもあり、うまく繋げたいという狙いもあったりなかったり(あったり←)💡
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ということで、私の展示に関してはおよそこれが全てです。
何かの参考になれば幸いです…
最後に、これはきっと「後編」でも書くのですが…
今回ご一緒させて頂いた8名の出展者の皆さん、主催の佐倉彩海さん、事務局のやっくんさん、31名のデジタル参加での出展者の皆さん、とても素晴らしい機会を与えてくださり、ありがとうございました!
そしてお疲れさまでした!
ご一緒できてよかったです。
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モデル: 佐倉彩海(@ayami_s222)
展示『キロ。』より