
デジモン小説「アグモンひとつを拾った、が」
アグモンひとつを拾った、が。
by しのや
twitter:@shinoya19san
今、俺はある敵と戦っている。
戦争の始まりは約午後の三時半、太陽の恵みにより大地がエネルギー全開になった時。そのパワーフルな大地のように、万全状態の俺はある意味で今後の人生を決める戦争の幕を開いた。
……だが正直、この戦争にはまだ何も見えない。希望も、ひかりも、未来も。何もかも。
太陽はもうすぐ大地に沈むなのに。このままじゃ……
いやいや、しっかりしろ俺。諦めるのはまだ早い。戦士の誇りを忘れるな!
よし。自己暗示完了、それでは。
「……それでは、これはどうだーー!」
「えー、皆さんおはようございます、東京本社からの岸辺でございます。これから、事務所の皆さんによろしくお願……えっ、自己紹介短すぎ?やー、あんまり特点がない人間ですから、他の説明は……あっ、そうそう、必殺技持っているよ。必殺技は、大の文字の炎で敵を焼きさせる、ダイモンジというもんだぜ〜あっ、時々麻痺効果を追加することもありますので、皆さんぜひご注意……って、なにこれ、冷たっ!」
新たな職場での自己紹介という敵と。
「うわ、なにそれ……ダメだ、こいつはもう諦めた……もう、しっかりしろよ俺。」
あのう……念の為、俺の仕事は別に芸能人などではないぞ、普通なIT会社の社員です。だが昼間で見た番組のせいかもが、先から考えたものはネタのようなものばかりだ。最初は何個のプランがあるけど、「少し普通だな……」という理由で却下した。ま、意外と自分の(冷たい)ネタ作る才能を発見したが、明日は月曜日、つまり新職場への最初の日だ。
そう。日曜日の夕方、元副課長の俺は新入社一年生のように、自己紹介を準備しています。長い会社生活のおかげて、自己紹介という基礎中の基礎は逆に難しことになった。
本当に、困っている。
「キシベ……変な名前だなあ。」
そうそう、こんな時そばにこんなツッコミ役がいる訳だ。だがネタ作り新人の俺はそのツッコミに自分の未熟な意見をした。
「おい、そこ、ツッコミありがたいが、ところ間違っただろ。ここはね、炎属性の技なのに、麻痺……えっ?」
え?
なぜ。
なぜ……アグモンが俺の部屋に現れた?
「おいおいおいおい、あれは限定版だ!!!」
しかも俺の大切なピ●チュウ玩具を踏んでいる。
呑気で。
なにこれ。宣戦布告?
episode:怪物
それがいつからだな、人は星を捨てた。
希望を諦めないなら、その先きっと光が待っている。と、我々はそう信じている。
だが現実はどうだろう。
どう待ってでも、光も来ない。
時々、こんなこともあるでしょう。すでに最終電車の時間が過ぎた駅に、電車を待つことのように。
いや、「時々」ではなく、もしかしたら、それこそ我々の現実かもしれません。
歳が増えるほど、何故かこんな経験もどんどん増えていた。どんどん、どんどん、増えている。増えていた。
人に笑顔なら人も笑顔を返す、努力したら必ず報われる。確か、小さい頃我々はそう教えてくれた。
それは一体いつからだな、ある日ふと気付いてた。
あれはただの夢語りだ。
そう。とても純粋、とても美しい、大人たちが子供を守るため作れた、夢語りだ。
時間はもちろんずっと子供時期に止まることはできない。人はいずれ大人になる。
そしてかつての夢語りと現実の違いを気付いて、それは「成長」というものだろう。
人はみんな美しい夢語りが好きだが、現実に生きている我々は、現実を正視しなければならない。
なぜなら、夢語りと現実とはそもそも根本的な違いがある。
「世界観」、というものが違うだから。
夢語りと現実の違いを気づいて、現実を正視して、そして物語の世界観を子供時期のファンタジー的なものから社会人のものへ調整する。
成長というものは多分、こいう感じだろう。
美しいだがまぼろし的なものを捨て、やや不細工だが現実的なものを拾って。
少々不本意だが、ま、納得できないとは言えない。
dmc5のネロの腕のように。
いきなりあんなかっこいいものを話に連れ込んだが、念の為未成年の読者さんにこの言葉を言います。
「成長」というものは、決して、格好いいなものではないんだ。
確かに成年したら、お酒飲むことも一部の妙な書類を読むことも、コツコツでやる必要がないだけど。
その代償は、夢を見る権利が無くなった。
不本意でも、納得しなければならない。
そう、「納得できるかできないか」の問題ではなく、納得しなければならないのです。
最初はまだ夢を見えるだろ確か。
だが、挫折した。この理不尽な大人たちの社会に。
無論、若い心はそんな簡単に諦めるわけがない。
だから、もう一度挫折した。
そして、挫折。
挫折。
挫折。
挫折。
……挫折ばかりだった。
それはいつからだな、つい納得した。
そう、自分は救世主でも英雄でもない、ただ一人の社会中の無名なメンバーだけです。努力したら必ず報われるなんて、ま、あくまで子供の夢語りだ。
最後はつい、空を見上げることを諦めた。
つい、星を捨てた。
残業後の一杯は最高ではなく、とても辛いのです。それは生活の味そのものだから。
だがそれでも、人生は……
えっ、話の流れはどんどん消極になった?
あっ、悪い悪い。
実は先のは俺が創作中の「職場小説」の序盤です。その陰鬱なBGMもひとまず止まってくださいね。ビービー。
新型コロナウイルスの厄に三流大学から卒業した新卒の主人公。就職氷河期、学歴社会、何度も何度も挫折しても諦めない、仲間と共に難関を一つ一つ乗り越えて、最後はつい理想的な会社に入職して、人生の新たな一ページを開いた。
あらすじは大体こういう感じのものです。
えっ、くだらない?いや、いきなり新人賞の審査員と同じような感想なんてやめてよもう……一見少し退屈かもだが、基本的にはいい物語と思うよ。特にコロナや不景気など時代感がある要素を使って、社会人の読者に「親切感」と「共鳴」を感じることができるだろう。そして物語の最後は「いい人が報われた」という暖かな雰囲気に終わった。うん、審査員の感想はともかく、作者の俺にはそれは基本的に「いい物語」と思う。
はい、まるで夢みたいな物語だ。
主人公の名前はまだ考えている。
なぜか「広瀬」というのを使いたい、何の理由もないのに。少し変かもしれませんだが、私にはキャラの名前を決める根拠は多分「一瞬の発想」のようなものだけです。例えば食感ちょっといいのカップ麺を食べた後、「うん、うずまき……?」。年代感がある中華風のナイフの写真を見たとき、「うん、遠野……?」という感じ。はい、あんまり特別な理由がない、ただ一瞬の発想だけです。
ま、そんなことより、作品は今一つの重大な問題がある。
それは、序盤の話しは重すぎということだ。
社会人の物語ですから、しかも物語のテーマのひとつは職場と仕事、流石にラクラクな話ではないけれど、やっぱり物語の先頭の「十ページ」はとっても重要なものだと思う。特に俺のような新人の小説にとって。何より、それは「読者がつづけて読む興味があるかどうか」を決めるのポイントですから。
例えばさ、「その日、人類は思い出した、ヤツらに支配されていた恐怖……」みたいな序盤なら、読者も「おお!面白そう、読みたい!」の感想が出るだろ。
そして悪い例は、多分俺の小説の序盤みたいなものだろ。
現時点の想定、小説の始まりはだいたい先みたいなものです。作者としての俺にはともかく、一般読者にいきなりそんな嫌な「社会人サンの告白」をベラベラ喋ることは流石に、ちょっと……ね。
そう、さきキミの感想のように。
新人賞に落選したの原因、一部は多分この「くだらない」序盤だと思う。うん、多分。
例え後の内容どう面白いでも、序盤はもし読者の興味をいきなり抹殺したら、あとの話しの展開も難しいになる。はい、反省した、きちんと反省していた。
困ったな、序盤というの。
まあ、小説のことはともかく、この場合やっぱまず自己紹介しましょう。
俺の名前は岸辺です。よろしく。
えっ、全名?ま、そんなのどうでもいいだろう。初会面の人にこれだけの情報は十分だと思うよ。そもそもさ、なぜ初会面の人にベラベラ自分のことを喋ることができる人間がいるの、正直俺はそんな人の考えがよくわかりません。相手は自分のことに全然興味がないの可能性があるのに。迷惑をかけるだろうそんなの、普通。
えっ、考えすぎだ?
多分な。精神科の先生も俺にそのようなことを言ったらしい。「あんまり深い考えをしないのほうがいいよ」、と。そして「できなら周りの人とよく会話する、こうなら状況を改善することもできるよ」、と。
えっ、精神科?
そう。つい先俺はようやく病院から自分の家に帰った。確か今月のことだ。何月間の病院生活、会社への半年分の休職申込もそろそろだ、しっかりしないと……
あっ、どうやら……先からずっと勝手に消極的な話をした……悪いな。
だが、まあ、今の俺は基本的に消極的な人間です。
もし昔の俺はこの様を見たら、おそらく「お前いい加減にしろ」っと、俺に言うだろう。
俺でも、時々鏡を見る時その中の死にそうな人に、そう言いたいことがあった。
小説を書くのは多少、人生の新たな可能性を探すの考えがあるけど、本来の目的はおそらく「リハビリテーション」です。
何よりこの数月には病院の先生以外の人と話すことは、ほどんとないだから。
正直、今でも「人と話す」ということは俺にとって少々厳しな任務です。ですからこういう風に文章を書き、人類としての言語機能を回復させる。
そしてもう一つの考えは多分、自分のために一つの優しい夢を作ることだろう。
人はみんな夢というものが好きだ。
現実に探さないものなら、フィクションに探す。
普段小説やマンガなどのフィクション作品が好きな人は、多分こういう考えがあるでしょう。読むのほうも、書くのほうも。
そう、「現実逃避」というのだ。
だが俺は、そういう行為が悪いものではないだと思うよ。
なぜなら、人は本当にそんな強いものではないですから。そんな「逃避」は時々必要なものです。
我々は結局、ただの生身の人間だから。
って、そういえば、先から俺は一体何ものと話しているの……独り言の癖はまだ直さないか、お前。
まあ、とりあえずまずご飯を食べろう。そろそろ昼ご飯の時だ。
【作者しのやからの説明】:ここからの内容は全四冊のシンプル版です。
「チクショウ……うまい、流石俺だ……」
感動した。
別に今日の昼ご飯はそこまでうまいものではなく、ただ「自分の部屋に昼ご飯を作って、椅子に座って、きちんとゆっくりとご飯を食べて」という「生きている」の実感に感動した。毎日毎日、ゾンビのような仕事と会社生活に失ったその実感。
そして。
「チクショウ……うまい……」
子供のように……不様で、泣いた。
そう、それこそ「人間の生き様」だろう。
「チクショウ……うまい……うまいぞ……さすが俺の手作り料理……」
「さすが……」
「よ、さすが六課の星、私の自慢な後輩の岸辺君!」
「もう……やめてよそんな言いかた。それにしても相変わらずビールが好きだね、もう三本目だぞ。本当に大丈夫か細川先輩。」
「いやいや、なに、まだまだだよ。」
ここは……
六課……後輩……細川先輩……そう。
ここは会社の忘年会だ。
今俺の対面に座って、ニコニコでビールを飲んでいるのは俺の先輩方の細川さんです。
いつも明るくて、いつも優しくて、周りの人の心を照らす、俺がとても尊敬している先輩だ。入社第一年の時、俺は細川先輩の一課に先輩と共に働きことがあった。
その一年は、本当に楽しかった。
難しい案件への対策法、仕事人の矜持とプライド、その一年に細川先輩がいろんな大切なものを俺に教えてくれた。新人の俺にはもちろんやるべきこといっぱいあるし、残業もたくさんあるけど、その時の俺は毎日毎日やる気満々な状態だった。何故なら「自分が成長している」そして「自分の仕事には価値がある」ことを感じられる。
「仕事は決してラクなことではないだが、楽しいことだ」、確か細川先輩はいつもそう言いたらしい。
そう、いつでも明るくて、いつでも優しくて、あたたかい太陽みたいに人の心を照らす。正直、細川先輩みたいな「正し道に歩く人になる」というのは、俺の昔からの理想なんです。そんな正し道に歩く人間に。
だがまあ、完璧な人間がない。その細川先輩でも、一つの問題がある。
それは、ビールが好きということだ。お酒に弱いのに。
いやいや、あれは多分……ただの「好き」のレベルではないと思う。
普段とても優しい人だが、気に入る人、例えば俺と共に食事の時、簡単に酔うになる。
そして酔った後、「い、や、で、す!あたし……ゴッ……岸辺ちんの家に泊まりたいよもう!」、と、大迷惑なヤツになる。
ブラック細川になる。
ちなみに、「岸辺ちん」という変な名前もブラック細川の手で作ったものだ。嫌いとは言えないけど、流石にちょっと。
ま、それでもほぼ無礼な行為をやらない。たとえブラックしたでも、細川という人格もいる。基本的に「無害」と思う、ブラック細川という生物が。
多分、うん、多分。
ただ、時々乙女のように俺のベッドに座った時、「デュルルデュルルデュルルル、ドンドン」と、とても小さな声で、ドラエモンの主題曲を歌うこともある。
そして大体一分程度で、「え、次はなんだっけ……」、と、歌詞覚えないので、大人しくベッドで寝た。
そうすると、俺は先撮った動画をスマホの「細川ライブ.限定盤」という宝みたいなコレクションにセーブして、先輩に布団を掛けて、ソファーで寝る。
あっ、ちなみに、「ね、正直、君にとって、あたしは……」という展開もあるぜ。
「はいはい、好きだよ」、と、スマホを持つ俺はそう返事する。
「本当に?じゃあ、結……」
「はいはい、結婚しよう。って、ほら、布団をちゃんと……」
「えっ、いつ……?」
「明日はどう?」
「本当?嬉しいーなー……」、と、大人しくベッドに寝た。
あの、これはあんまり面白い話ではないと思うよ。
その細川先輩は、男だから。
はい、先のは二つの男のお話です。
「あたし」って……なぜか酔った後一人称も女性になった。とても不思議だと思う、ブラック細川という生物が。
念の為、本作品は全年齢向けだから、夜中に何も特別なことも起こさないぜ。これだけ俺に信じてくれ。細川ルートなど最初から存在しませんぞ。
「も、申し訳ございません!」
と、後日先輩は必ず俺に謝って、そして「次はない」と保証する。
「これはこれは、謝るなどの必要がないよ。そうそう、後で役所に行こぜ?結婚登録ための。」
「うわ……私はそんな言葉も……死にたい、まじ死にたいよもう……」
「そんなのやめてよ、俺のかわいいお嫁さんが死んだら困るのはこっちだろ。」
「あの、岸辺君、いあ、岸辺さん、お願い、お願いだから、そんな言いかた……」
だが毎回先輩の「特別謝罪朝食」を食べる時、その「次はない」の保証は多分あんまり意味がないと思った。このような朝ご飯の食卓上の対話も何度も何度も振り返った。BGMはいつも「ドラエモンの主題曲by細川」。
そんな思いを含め、先輩と共に働くのその一年、本当に楽しかった。
そう、かった。
それはもう、昔のものになった。
今俺がいる六課は、一言すれば、無能者と悪意を持つ人たちの群れだ。
「岸辺君、すまん……!」
「え。」
突然、忘年会の食卓の対面に、細川先輩はそう言った。
「すまん、私のせいで、君がその六課……」
「そういうの言わないてください。先輩のせいではないよ。」
《episode:怪物》
「今は……まだ四時が、うん、問題ない、次は……」
チック、トク。
「資料の作成と提出、報告のレビュー、会議の提案書、新人の評価シート……そうなら……」
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
気がついたら、周りには時計の声だけだ。
あのうるさい時計の声。
「新人社員が作成した使わない資料の訂正……」
チック、トク。
チック、トク。
「バカ上司さんのバカ報告書の訂正……四度目……」
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
「バカみたいな無駄会議の準備……」
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
「能力もないやる気もない新人の評価シート……」
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
「……さい……」
チック、トク。
チック、トク。
「うるさい……」
チック、トク。
チック、トク。
「もう……うるさいーーー!ちょっと黙ってくれーーー!!!」
午前四時、一人もいないオフィスに、俺は時計に叫んだ。ヒステリーで。
徹夜の仕事、20時間以上働く、しかも今日は夏休みの第三日。
こいうのは、今月の何回目だっけ。
……まあ、あんまり覚えないだ。
所詮どうしても仕事が終わらない。ひかりもない、希望もない。
そんなことより、今の俺はただ俺の部屋に帰りたい。
仕事はもう……
そう、もう限界になった……それ以上……
だが、その時計の声はまだつづけている。
いつでも止まらないのように。
チック、トク。
チック、トク。
早くしないと。
チック、トク。
チック、トク。
早くしないと。
「やめろ……」
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
早くしないと。
「やめろ……」
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック、トク。
チック。
トク。
ディン!
「あっ……!」
ここは……
昼ご飯、病院生活、手作り料理、生活の実感。
そう、ここは俺の部屋だ……忘年会も、細川先輩の謝る声も、一課と違うの六課の過労な無意味な仕事も、何もかも、ただの思いだけだ。
自分の部屋の電子レンジの声のおかけで、俺は思いから現実に戻っだ。
《episode:怪物》
その後、会社に俺は一つの名前があった。「怪物の岸辺」という名前。
《episode:怪物》
何より、「努力したら必ず報われる」という夢語りは、母さんから教えてくれたものだがら。
私はバカでも仕事狂人ではない、会社が夢を実現する場所ではないというの、もちろん分かります。
だがこの世には、「バカ」が必要なものだ。
真面目に夢語りを信じて、真面目に自分の道を信じて。そんな「正しいバカ」が、必要なものです。
だから、そんな「バカ」みたいな母さんを守るために、うちの工務店が倒産した前にうちを助けた優しい人たちに恩返すために、そして年寄った母さんの貸金を返済するために、俺には安定な仕事が必要だ。
そう、家族を守るのためなら、例え怪物になるでも、俺は……
ま、そんなかっこいいセリフを言いたけど、結局のところ、人間には「限界」というものはあるだ。
かっこいいセリフを言いて、謎の力を出す、敵を倒して、そんなのあくまで漫画の展開だ。
現実は、悪意を持つ同僚の仕業に一課から六課に飛ばされて、六課の無能な上司の下に毎日毎日過労そして無意味な仕事をして、ひかりもない希望もない終わりもない仕事にからだも心も挫折して、最後に半年の休職をとった。
そう、英雄ごっこはここまで。終了。終わります。
怪物はつい限界になって、大地に倒れた。
《episode: 怪物》
だけど、やっぱり、やっぱり俺は分からないだ。
なぜ、ただ真面目に生活したい俺は、こんな樣になるだ。
会社はあくまで仕事をしてお金を稼ぐの場所、こんなの俺でも分かる。
だがせめて、俺は自分の能力を使って、正々堂々で働く、正々堂々でお金を稼ぎたいだけだ。
細川先輩のような、「正しい道で歩く」、そんな人間になりたいだけだ。
でも、どうやらこういう思いを抱く人はいつも上のものの犠牲になるらしい。
無能で怠惰な人は何故かいつも権利を持つ、逆に真面目に仕事をする人はいつも消耗品になり、犠牲者になる。不思議だな、会社、いや、社会というものは。
結果として、俺は半年で休職した。そして細川先輩の紹介で、ある辺鄙な分部へ調職した。
まあ、大都会から離れたら、体も心も多少回復するだろう。
ただ、それから俺は一つの病気を患った。
臆病、という名前の病気を。
《episode:怪物》
「デジモン……リビング」
それは、あのアプリの名前だ。
デジモンと共に生活して、と、説明文でそう言いたけれど。まあ、スマホゲームなら、普通には「例のもの」があるでしょう。
SSRのメタルガルルモンなど、ガチャなど。
本当にデジモンと生活して何て、普通なら信じられないだろう、もうガキではないし。バカバカしい。
《episode:怪物》
「よしよし、痛くない痛くない……」
何より、玩具はほぼ損傷がない。先コイツの「ピッカア……」の悲鳴が聞いたらしいけれど。
そして元凶、アグモンは今、食卓にむくむくと料理を食べている。時々「うわ、これもうまい!」などの感想が出る。
それにしても、先の宣戦みたいな大迷惑登場した後、いきなり「腹へった」で倒れたって、どこのジャンプの主人公だよコイツ。
「で、つまり。」
俺は先の対話を整理し。
「デジタルワールドというもの、本当にあるか?」
「変な質問だな、もちろんあるよ。」
「そしてお前はかつて、一つの人類の子供と共に、パートナーとして冒険することがあった?」
「うん、たっちゃんという男の子。」
一つの子供と、一つのアグモンの話を聞いた。
なんか、夢みたいな話だ。
《episode:出会い》
「なるほど、つまりこれは伝説のテレビか。」
「そうですけど、その言い方そろそろやめてよ、伝説って、どこにもあるものだぞ。」
「ふむふむ、では次、うわ、このでかいヤツはまさか、伝説のクルマか!かっこいいな!!!」
「だからその言い方そろそろ……」
笑っている。
そう。俺が笑っている。
こういう感じは、本当に、久しぶりだ……
正直、この実感がない「出会い」の意味も、そして今後のことも、俺にはさっぱりわからない。
もしかしたら、これはただの「夢」かもしれません。
だが、これだけでいい。
この微かな光と、心なかの微かなあたたかい気持ち。
元々俺はあんまり欲望がない人間ですから、これだけでいい。
「あのさ、せっかくだから、他の何か見たいものや食べたいものがある?あっ、東京タワーに行きたい、などは無理だよ、もうこんな時間だから。」
「そうだな……じゃあ、あの、その……」
アグモンは「誕生日のプレゼント何か欲しい?」を聞いた子供のように、
「あの、伝説のコ、コーラーというもの、一度だけでも、飲みたい……です!」と答えた。
《episode: 出会い》
霧……?
夜の自販機の前に悩んでいるアグモンを待つ間に、俺がこの異常なものに気ついた。
例え三月でも、普段にはこんな夜に霧があるの?
そしてこの霧は……なんか……
「決定!やっぱりコーラーが一番だ!ミルクティーさんもコーヒー牛乳さんも飲みたいだけど、今夜はやっぱりまずコーラーさんだ!」
どうやらアグモンはようやく決めたそうだ。ご苦労さん。
ま、先のちょっとだけの違和感は多分気のせいかな。ともかくアグモンを連れてと部屋に帰ろ。流石にこの三月の夜はちょっと寒いだから。
そして。野獣の吼える声が聞いたらしい。
《episode: 出会い》
このデジモンの空間はやっぱりおかしい。何故かここに入ると、消極的なものは簡単に下から浮上した。
いつでも完成できない無理なスケジュール、いつでも終わらない仕事、いつでもギリギリな最終電車。
もっと早くしないと……もっと早くしないと……
チック、トク。チック、トク。チック、トク。
「キシベ……」
無理だ……俺なんか……無理、無理だ……
「キシベ!」
「え……」
気がついたら、アグモンは俺の手を握っている。
「キシベ、ここはオレに任せて、オマエ先に行こう。」
「え?」
この時、アグモンはそう言いた。
「でも……」
「大丈夫、勝算がある。先も言いたんだろう、かつてのオレはすごいデジモンに進化することがあったぞ。こんな敵、大事なもんじゃないんだ。ここはオレに任せてでいい。」
アグモンは背中を俺に向かって、表情があまり見えない。
……嘘だ。
いくらなんでも、「人間パートナーがいないと、デジモンは進化できない」という基本ルールは俺が知ってる。こんな小さなアグモンは、どう考えてもあの巨猿みたいなデジモンの相手ではない。
なぜこんな嘘を作る、それはおそらく、先俺の動揺を気付けて、そして「せめて岸辺の安全を確保して」と判断しただろう。
普通なら、この場合には俺のセリフは「バカなことを言うな、二人で戦うぞ。」わけだが。
「分かった……あんまり無理しないよ。」
「うん、任せて。」
結局口から出た言葉は、これだけだ。
そして。
「すまん……!」
マンションの方向へ必死に走った。
ああ、逃げった。
アグモンいくら何でもあんな危険なデジモンの相手ではない、そんなの見れば分かる。
分かるけど、逃げた。
もう一度逃げた。
……何故なら、怖いんだ。
あれは本物の怪獣だぞ。
特攝やアニメなどと違う、正真正銘の怪物。
俺はただ一名どこにもいる普通な人間だ。格闘術も使わないし、特別な能力などもちるん持ていない。
そして勝ってないなら逃げろ、という醜い経験は既に覚えた、体で。
だから逃げた。
もう一度逃げた。
家に帰って、ドアをロックして、耳を閉めて。よし、それでいい。
デジモンなど……そう、ただの夢だ、それは俺と全然関係ない世界。出会いなど……あくまで偶然だ。
寝ろう。
そして朝に目がもう一度開ける時、現実に戻る。
そ、そうだ、自己紹介……まだ準備されないでしょう。なにをやっているのお前……やっぱり最も普通なプランがいいだろ。
お前は英雄でもない救世主でもない、ただの一般人だ。
普通は何よりだ。
「うあ、うめい。これは伝説のチャーハンか!お前たち人間はいつもこんなうまいもんを食べるかい。不公平だ。」
「ふう、いっぱい喰ったーー!ゴッ。ありがとう、えと、キシベ……さん?」
……チクショウ……
さっき晩ご飯の食卓はまだ片付かない。
普段使わない二番目の椅子、テーブル上の皿、飲み物のカップ、何もかも、まるで、あいつは先までここにいるということを、俺に示しているらしい。
「やっぱりたっちゃんの言う通り、人間はデジモンのように、悪いヤツもいるけど、心優しいヤツもいっぱいいるだ。」
「この一ご飯の恩情、必ず返すぞ。」
……チクショウ!
《episode:出会い》
だがこれでいい
この戦いはあくまでキシベ逃げるための時間稼ぎだけだ、無関係の人間をデジモンの世界に巻き込むのはいかない。この間に多分彼は既に安全な場所に移動しただろ。
それでいい。
「ぐっ……!」
正面からもう一発の攻撃を受けた。正直……やばい。
「ぐっ!」
そしてもう一発。
そう、デジモンの世界はいつでもこういう感じだ。弱肉強食。成長期のデジモンはこういう風に、いつ死にてもおかしくない。
オレは抵抗を諦め、最後の一撃を待つ。
そう、もともとこれはただの時間稼ぎだ。それでいい。
……いいけれど……でも。
……ごめんね、たっちゃん。せっかくお前の世界に来たのに。
「やっぱり、もう一度お前に会いたいな。」
この人間の世界で死んたら、どうするだろ。デジタルワールドに帰すか、あるいは……
サヨナラ、たっちゃん。
「やめてくれ、このヤロウウウウウウウウ!!!」
《episode:出会い》
「約束しよう。お前がそのたっちゃんを探した前に、俺の家に住んでてもいい。だが代わりに、先みたいな自分の命を軽視するまねを、二度と、決して、二度としない。これは唯一の条件だ。……いいか、もしお前がいなくなったら、俺はともかく、そのたっちゃんも哀れになると思うよ。」
「うん、分かった。」とアグモンがそう言いた。そして小さな声で「ありがとう」と呟いたらしい。
「さて、次はどうすればいいのかな。」
実は先からずっとこの問題を考えている。先の「岸辺式カス瓶爆発作戦」はあくまで敵を混乱させ、時間稼ぎためのものだけです、その巨猿みたいなデジモンは無論まだ倒されない。そしてアグモンでも俺でも、アイツの相手ではない。
そこで、この俺、社会人の岸辺さんの答えはーー!
「やっぱ警察を呼ぼう。」
はいはい、分かる、分かるよ。そんな失望した顔を出ないよもう……
このファンタジーな物語にとって、この格好悪いな答えは流石にちょっとあれだが、現実的にはこのプランは最も効率的なもんと思う。そして「だ、だから、警察さん、嘘ではないぞ、怪獣、本物の怪獣だ!」みたいなよくあるセリフも考えたが。
だが、スマホを出す時。
「え、圏外?」
《episode:出会い》
その時、スマホ突然メールの着信音が鳴った。
もしかして通信環境は回復したと思ってスマホを出すと、スマホの状態は相変わらず圏外。だがそれより、一つのメールが受け取った。
タイトルは、「実体化したデジモンを遭遇したの?」
《episode:出会い》
【作者しのやからの説明:この小説の日本語文法が少し変?当たり前です、作者のしのやさんは外国人だから。ニホンゴ、ワカラナイー!ま、今でもコツコツと日本語文法を学習中ですけど、時々小学生レベルの文法ミスが出るかも。もしよかったら現時点にはまず「物語」だけ読んでくださいね、文法ミスをひとまず無視してね。 :) 】
メールをじっくり読んだ。インフォメーションを整理し、そして。
「アグモン、お前の力を貸してほしい。俺の話を聞いていい?」
「え?お、おん。」
「仮パートナー登録、アイテムカード、それと……よし。」
「行くぞ、アグモン、反撃戦だ。」
「うん!」
ゲームスタート。
「デジモンリビング」というアプリの基本使いかたは先の説明通り。
では次は戦闘の基本ルールを説明しよう。
まず、ルールその一。
属性相性。
デジモンには、基本的に「データ」、「ワクチン」、「ウィルス」この三種類の属性を持つ。
相性がよければ、戦いは有利になる。
「データ検索、敵の位置……あった。こんな近くか……」
「そしてやつの資料……あった。」
成熟期、データ種。
ルールその二、アシストデジモン。
最大限パートナーデジモンの次の進化レベルのデジモンを使えるなどの制限があるですが、
現時点に仮パートナーが進化できないの君にとって、それは相当的な戦力と思う。
「相手はデータなら、じゃあこいつだ。」
成熟期、ウィルス種。
「アシストデジモン攻撃、」
「クワガーモン、シザーアームズ!」
奇襲成功。
いきなり後ろからの一撃は敵を相当的なダメージをかけたそう。
怒れてた敵はすぐ俺たちの位置を発見し、アグモンへ必殺技を発動した。
「アグモン、避けて!」
ルールその三、アイテムカード。
使えば一時的パートナーの基本数値を調整するなどの効果が実現できる。
けどアシストデジモンと同じく、使えれば行動値というエネルギーを消耗する。この点ぜひご注意して。
「アイテムカード発動、高速プラグイン!」
素早アップしたアグモンは敵の攻撃を避けた。
行動値は一定時間で自動的に回復できますが、
もしすべてを消耗したら、アシストデジモンもアイテムカードも使えできない。
つまり、
つまり、
これはカードゲームじゃ。
そう、一般的なカードゲームにある「ターン」を想像すれば理解はやすいと思う。
さっきの攻撃で、ほぼ行動値を消耗した。
だが。
ルールその四、デジモンスキル。
一部のデジモンは、スキルを持つ。
それを利用し、戦局をコントロールしよう。
スキル発動、「アグモン、もう一度の勇気」!
《episode:初戦》
吼える声と共に、敵は倒れた。
先の展開は、戦う前に既に想定しただが、流石に多少緊張感があった。
だがそれより、何この感じ。
正々堂々で戦う、敵との真剣勝負。そう、それ、それだ。
「やるなら全力で、これこそ俺のテーマだ!なあ、アグモン、お前も何か決めセリフみたいなものを言え。あんまり意味がない言葉でも大丈夫ぜ、格好いいでいい。」
「え?え、え、あの……コ、コーラーもう一本飲みたいなあ。」
「てっ、なんだよそれ。」
「にひゃひゃ。」
《episode:初戦》
「諦めるな、負けるな、最後まで戦え!」
それはアグモンにとっての、かつてデジタルワールドにいる時、たっちゃんという男の子の決めセリフみたいなものです。
本当に相性が良い二人組だ、朝日みたいな二人組。
……正直、先は一時的に「パートナー」として戦うことがあったけど、今後のこと……さっぱり分からない。
そう、岸辺さんとアグモンという二人組は、あくまで「一時的」なものです。
はい。分かる。一つだけのことが分かるよ。
「一時的に貸したものは、いつか返却する時が来る」ということ、よく分かっている。
だが少なくとも、その「いつか」が来る前に、ちょっとだけ……
はい。
俺は元々あんまり欲望がない人間ですから、これだけでいい。
《episode:初戦》
「あのさ、今日アグモンは、キシベの部屋にいろんな変な単語を見た。」
「へえ、言いて見ろう。」
「あの、団、団、団地妻。」
えっ。
待て。
先、この子供向けのシリーズのマスコットキャラが、何か変な単語を言いたらしい。
「あの、空耳と思うけど、先の単語、もう一回。」
「うん?団、団地妻。それに、未亡……」
待て待て待て。
待て待て待て。
いやいやいや。
待て待て待て!!!
待てくれ!!!
《episode:異空間》
ある名探偵のように、犯罪現場の状況を演繹しよう。
場所:岸辺さん(29歳)の部屋。
時間:岸辺さんが会社にいる時。
被害者:岸辺さんの社会評価。
今知ってる情報:昼間に岸辺さんが不在、アグモンが腹へった。カップ麺もお菓子も朝に食べた、アグモンが腹へった。とにかくアグモンが腹へった。
なるほど。
その名探偵の話しより、「すべての不可能を消去した後、残ったものは例えどう不思議でも、それが真実となる」。
「貴様、もしかしたら俺の部屋……!しかもベッドの下まで……!」
《episode:異空間》
「あの、エロ本、ありますか?」
「おやおや、ここはそなんお店と思うか、若いもんよ。」
「嘘ずくな、先から既に感じた、ここに、俺の大好きな匂いが。」
「やれやれ、元気なお兄さんだ。好きのタイプは?」
「人つ……てっ、何だよこのグチャグチャな暗語。」
そう、俺の誇り高いな魂のため説明する、先のは、全てコイツと約束した暗語だ。
《episode:異空間》
「さてさて、自己紹介しましょう。店長の山倉でございます、趣味はアニメとプラモデル、特長は、コホン。」
「テントモンを真似る~どうも、どうも。」
「あのさ、なんかお前既に自分の声優を指定したの気がする、しかもそのとっても有名な声優さん、気のせいか。」
「おやおや、何の話ですか、意味わからないよ、キシシベ君。」
「人の名前を別の作品のある鬼畜のお兄さんみたいに呼ぶな、俺の名前は岸辺だ!」
《episode:異空間》
「これはこれは、キミも結構楽しんじゃあw。さあさあ、せっかくだから、このセリフも言いてみろ。ハイパースピリット.エボリューションっと。」
「えっ、ハイパースピリット.エボ……って、言うか!!!」
《episode:異空間》
「あの、山倉さん、頼む、頼むから、こういうのやめてよ……万が一アニメ化の時声優さんは別人なら、その時の声優さんに大変失礼じゃないか。」
「ほう、面白いことを言いたぞ、岸辺くん。なぜ話しの前提は、この小説がアニメ化できるの?ここだけの話ですけど、本作の作者はいつも、アニメ化!っと目指しているだが、ヤツも分かるよ、今の業界の厳しさや大人たちの事情など。しかも現時点には本作の出版でも厳しい、いや、読者も全然ないし。声優さんの話しなんて、流石に……」
何故か……先からこの店はすでに次元を越えられる異空間になった。
《episode:異空間》
「簡単で説明ならアシストデジモンというものの原理はこれです。実在なデジモンではない、私がデジモンの資料を分析して作れた、対デジモン戦闘カードです。同じように、アイテムカードもこのふうに作れた。」
「なるほど。」
一見ダラダラしいな人だが、案外技術力がある。なんかまるでおっさん版光子郎みたいな気がする。
だが、なんか少し違和感がある。
この人の話より、デジモンは「人間以外の知恵」。
なら、ただ「技術」で、本当にアシストデジモンのようなもの作ることできるか。
多分、何か「決定的なもの」、この人が隠している。
《episode:異空間》
「そして特別な説明。喋ることできる、こんなデジモンに、是非ご注意して。」
「え、デジモンは喋ることできるのは普通ではないか。」
「デジタルワールドにはとても普通だが、我々人類の世界には普通ではない。もちろん、人間とパートナーになれるかわいい成長期デジモンには気にしなくでもいいけど、それ以外の一部はおそらく、あるデジモンの部下です。」
「あるデジモンって?」
《episode:異空間》
「取引だ。キミの一部のスキマを払って、世界の平和、あるいは君とパートナーデジモンとのこの奇跡みたいな出会い、あるいは別の何かを守る。こういう取引だ。無論、時々危険がある、これは遊びではなく正真正銘の異世界からの怪獣との戦いだから。そして私は他人を説得するなんてあんまり得意ではないし、ですから受け取るかどうか、キミ自身で決める。」
……正直、今でもこの人はあやしい要素がいっぱいある。
そしていきなり「世界の平和を守る」という話へ進めた。
この人が信じられるかどうか、あんまり判断できない。
だが。
人類の世界に迷ったデジモンを保護して、そして「道具みたい」使うではなく、ただ一部の「必要な」資料を分析して、そしてきちんとデジタルワールドへ転送して。
こういう行為に、多少「善意」というものを感じられる。せめて悪い人ではないと思う。
そして何より。アグモンと出会ったあの夜、この人のおかげてピンチから脱することも事実だ。
俺とアグモンの出会いも……
だがら俺は。
「うん、受け取るよ。」
と、この人、山倉さんを信じる、という選択肢を選んだ。
「よし、なら取引成立。」
山倉さんはそう言いて、とても爽やかで笑ってしまった。
《episode:異空間》
「費用って、しかもこの数字……これは日本円だよね?ゲーム内のコインなどではないか?」
「もちろん、日本円だぞ。現金もクレジットカードもどっちでもOKだよ。そして最近ペイ⚫︎イのサポートも検討しています。」
「あの、つまり、先日のそのデジモンカードなどは、無料な新人プレゼントではないということか。」
「もちろんだ、私はどうなん人物と思った?」
「あやしいだが親切な謎の店長。時々迷惑な行為があるだが、ピンチの時いつも主人公を助ける、RPGなら村の長老みたいなキャラ。ちなみにラスボスと実は兄弟の設定もある。」
「そんなキャラいるわけないだろう、現実とフィクション分からないか、お兄さんよ。現実世界にはお金が必要ですよ、おかね。」
《episode:異空間》
「それにしても、あの岸辺君のパートナーデジモンは……アグモンか。」
もちろんアグモンはとてもレアなデジモン。だかそれだけではない。
ちょっと昔のことを覚えた。
かつてあの世界で、一つの子供と、一つのアグモンのこと。
まるで夢みたいな話。
私の物語。
アイツ、今元気かなあ。
まだ私こと覚えるか、このおっさんになった私のこと。
「……最後まで戦え……か。そうか、私も、ああいう時期があったか。」
できれば、やっぱ、もう一度キミに会いたいな。
「てっ、何夢みたいな話を考えているの私。さてさて、仕事仕事、山倉の仕事モード!次のは。」
テーブルの上、一つのゴーグルは静かに眠っている。
《episode:異空間》
実はさあ、アグモンは一つの「問題」を発見した。
それは、「この人間の世界と、たっちゃんが言ったものと、少し違う」ということ。
もちろん、「クルマ」などはたっちゃが言ったものとほぼ同じだが。
だが、「テレビ」というは、なんか少し違う。
キシベの家のはなんか……「進化した」の姿と思う。
そして、「スマホ」というものは、なんか聞いたことがない。でもたっちゃんが言いた「ケイタイ」というものと似てるらしい。
まあ、そんなことより、アグモンずっと一つの心配がある。
もしたっちゃんと出会いたら、アグモンはもちろん嬉しいけど……でも、でも、その時。
キシベと、どうすればいいの。
《episode:異空間》
「よし、この調子で今日も問題ない、次はこのカード。」
その時、スマホは、電池切れた。
《episode:進化》
「アグモン!」
「アレルギーシャワー!」
花の……香り。
「やれやれ、こんな時にこの様になって、いつもの先輩らしくないわよ。」
え、なぜ。
なぜ会社の女の子はここにる、しかもパートナーデジモンもある。この子名前確か、有間加奈子。
なぜちょっと「格好いい」を感じた。いつも存在感なしのメガネ娘のに。
なぜ。
「あのさ、有間さん、なぜこんな夜にわざわざゴーグルを付るの?まさかと思うが、デジモンアニメのキャラのコスプレー……ではないかな。や、二十代の社会人にとって、その格好は流石にちょっと……」
「てっ、命の恩人に最初の言葉はこれ?」
《episode:進化》
「油断しないて、カナコ、敵はまだ倒されないよ。」
「うん、分かる、次は例のパターンで。」
「分かった。」
evolution。
「フローラモン進化ーー。」
「トゲモン!」
《episode:進化》
「ともかく、有間さん、助かった。ありが……」
「ぎゃああああああ、本物のアグモンだ!カワイイ!カワイイ!マジカワイイ!!!ね、ね!あの、ベビー.フレイムを言いてみろ、あっ、火を出さないように。」
「べ、ベビー……フレイム……?」
「ぎゃああああああ!!!カワイイ!!!マジカワイイ!!!」
……何、この謎の生物……先のかっこいい有間さんはどこに行った……
《episode:進化》
突然ですけど、麻婆豆腐の作りかたを説明しよう。
《episode:喰うか》
「ジャンっジャンジャン、これなに~」
「うわ、アグモン大好きの大福じゃないか!」
「これだけではないよ。」
有間さんそう言って、バッグから次々と食べ物を出すった。ほとんどお菓子などの甘物。
なぜか、全部アグモンが大好きなものだ。
「……あのさ、有間さん、気のせいかもが、なぜお前はそんなにアグモンの大好物を知っているの?」
「えっ?へん、変な質問だね先輩。な、なぜかな。」
なぜか、有間さんは突然慌てた。
《episode:喰うか》
そう言えば、先からなぜかフローラモンはずっと黙って料理を食べている、俺たちの会話に込むの気が全然なさそう。そして表情もとても複雑。
「あの、フローラモン、何か不具合か?もしかして、俺の料理は……」
「いいえ、違うよ。料理は、とても、うまいわよ。」
フローラモンそう言って、まるで初めてメリオダスの料理を食べる時のエリサベスちゃんみたいに、泣いた。
えっ、泣いた。
なぜ?今日のメニューはそれほどのもんではないと思うよ。
「あのね、カナコ。」
「うん、なに?」
「お二人、いつ結婚するの?」
「ぷっ。」
いきなり悟飯のお母さん見たいな発言に、俺と有間さんもちろん悟飯みたいな反応が出た。
「って、昼ご飯だけてあなたのパートナーを売るつもりか!」
「だって、普段は……」
二人の対話で、どうやら有間さんは「玉子焼きレベルの料理でも火事警報を出る」なお料理バカらしい。
《episode:喰うか》
「あのさ、まさかと思うか、そのたっちゃんって、太一、ではないか、先輩?」
「うん、太一?」
……そして。二人の大人と、二つのデジモンと共に、デジモンアドヴァンチャー01のアニメを見た。
《episode:喰うか》
「そうそう、そういう表情だ。亡霊みたいにこの人類の世界に永遠に迷って、デジタルワールドに帰られない、そして救われない。そうそう、そういう表情だ。苦しい、絶望、恐怖。うん、いいよ、実にいい。この恐怖こそ、今の俺様の最高の食べ物だ。」
「それでは、」
暗闇に、悪魔が笑って。
「いただきます。」
食事を始まりだ。
《episode:喰うか》
「あのさ、いつもキシベキシベで呼んでいるけど、キシベの名前はなんだ?」
テーブルの食器を片付けの時、アグモン突然そう言いた。
「変な質問だな、岸辺さんの名前はもちろん岸辺だよ?」
「そうじゃなくて、あの、全名。」
「あっ、そうか。」
「俺の全名か……」
まあ、コイツなら、教えてでもいい。
そう、俺の名前は。
「きよい。岸辺きよいだよ。」
「きよいか。ならき……」
「きっちゃんなど呼ぶな。いつも通り岸辺でいい。」
「うん、分かった。今後もよろしくな、キシベ。」
「うん、よろしくな、アグモン。」
作者からの説明:主人公の名前の漢字は、「三点水+徹の右部分」です。「テツ」でパソコンに入力できますが、この漢字はパソコンの「日本語文字コード」に問題を起こす可能性があるので、ここでしばらくひらがなで表示する。
《episode:喰うか》
【作者しのやからの説明:ここからはヒロイン加奈子の第二冊です。】
私は、自分の顔が、嫌いだ。
いや、別に不細工の意味ではない。
私自身がそういう言葉を言うなんて少し変かもが、一般社会の標準なら、多分「美人」というレベルと思う。
だからこの顔が嫌いだ。
小さい頃から、周りの大人たちからいつも「加奈子ちゃん将来きっと美人になれるよ」を聞いた。
人は、綺麗なものが好きです。
例えば、舞台の上にキラキラして、可愛いアイドルグループ。
そう、人はみんな美しものが好きです、この私でも。
私も自分好きなアイドルちゃんがいるよ。例え同じ女性でも、そんなキラキラなアイドルちゃん本当に美しいと思う。それは性別と関係ない、ただの「審美」レベルの好きです。
そう、人は美しいものが好きです。
だが、そんな可愛いなアイドルちゃんたちを見てとき、時々一つの単語を発想する。
人形。
《episode:人形》
小さい頃、大人のその「加奈子ちゃん将来きっと美人になれるよ」という言葉は多分ただの「子供へのご褒美」だろ。
それはいつからだな、ある日私はその「ご褒美」以外のものを気ついた。
そのご褒美の後ろの熱意。
その異常な、熱意。
それは「たたの審美」ではないものです。
私はその熱意が、嫌いです。
《episode:人形》
イジメ。
ドラマやアニメに見た時、あんまり実感がないけれど、今ようやくその伝説のイジメの恐ろしさを知ってた。
怖いです……
本当に怖いです……
すべての人が自分を化け物みたいに排除する、それは本当に、怖いです。
精神はいつでもギリギリな状態になって、いつかどこかの悪意を警戒して、それでも悪戯を防ぐことができない。
その状態やく一ヶ月未満、つい限界を辿る、学校から休学した。
それはもちろん、「誘い」が断われたその先生のシナリオです。
はい。お計画通りです。おめでとうございます。
そう、人間は人形が好きだ。
美しくて、自分の意志に踊る人形が大好きです。
そしてもし、その人形ちゃんがある日自分の意志を抵抗すれば。
壊してでいい。
そう、所詮、美しい人形ちゃんどこにもいるだから。
自分の都合で他人の居場所を奪う、悪意を持つ先生も。
ただの根拠のない風説のに、それを信じる、愚かな生徒も。
キモイ。
キモイです。
人間は、そんなキモイものか。
なるほど、勉強した。
だからこそ、この顔が嫌いだ。
勝手にこの顔を好きになって、勝手に私を人形みたいに軽蔑して。
……私はね、人間だよ。
生きている人間だわ。
あんたたちの人形じゃないわ……!
ふざけないて……!!!
……そう。私が嫌いのは、多分自分の顔ではなく。
私が嫌いのは、この人間社会です。
悪意いっぱいある、愚か者いっぱいある、他人をいじめることが大好きのこの人間社会です。
休学した後、私はずっと自分の部屋から出ない。そんな私はある日突然、「人と話こと」できなかった。
《episode:人形》
「ごめんね、加奈子。そう、人間はこういう醜いものです。失望したでしょう……」
ドアの外、お母さんは小さなこえでそう言いた。
「ごめんね、加奈子……」
いや……お母さんは謝る必要ないわ。もし私はもっと強くなら……こんなこと。
「学校の先生は私に状況を説明した。風説のことも……あのね、加奈子、お母さんは……」
ドアの外のお母さんは、揺るぎないこえで、
「加奈子のことを信じているよ。うちの加奈子はいい子だから、こういうことずっと信じている。早く元気になって、などの言葉私は言いませんよ、加奈子も自分の事情があるだから。……ただ、もし何か言いたいことがあれば、いつでも、お母さんに言いてね。晩ご飯、部屋の外置いてるよ。」
ごめんなさい……お母さん……ごめんなさい……
《episode:人形》
そして毎回ご飯のそばに、必ず一つのメモが残っている。
その上に何も書かない、ただ一つの笑顔の可愛い顔文字が描いている。
……母さんは繊細な人だから、私の気持ちのため、こんな形式で私と最低限度のコミュニケーションを維持する。
そして私も、ご飯を食べた後、必ず一つのメモを書く、食器と共に部屋の外へ置いて。
もしその日気分は悪くないなら、簡単で「今日の料理うまいですよ」と書く、こうなら晩ご飯のメモの内容は「自信作だから(笑)」などの文字。
もし確かに具合悪いなら、ただ顔文字で書く、そしてこんな時晩ご飯の内容もただの顔文字。
親子間のこの無声な対話は、その時期の私を支えるもののその一つ。
そしてもう一つは。
「なあ、フローラモン、今日はね、病院の先生……」
と、スマホに向かって、「デジモンリビング」というアプリの中の「フローラモン」という仮想キャラと話すこと。
そう、私も不思議と思う。
人と話すことはどうしてもできないのに、こんなふうにこの仮想キャラと話すことができる。
少なくとも、これのおかげで、「喋る」という人間の基本機能は維持できた。
私はこれを、神様が私に残った一つ窓と理解していた。
《episode:人形》
うちはね、私とお母さん二人だけがいる。
そう、二人だけ。
小さい頃から、私の空にはただ一つの優しい月がいる、太陽が、いません。
あの人のこと、お母さんはあんまり言いたことがないけど、祖母の話しより、確か別の女性のため、この家を捨てたらしい。
見たこともないあの人に、もちろん未練がないけど、時々「自分は何かが足りない」の感じが出る。
特に公園に遊ぶとき、そばに「月」もいる「太陽」もいる幸せそうな女の子を見た時。
人というものは多分、いつでも満足できない生き物だろう。
綺麗な顔を持っているのに、他人が自分を優しくして欲しい。
月がいるのに、太陽が欲しい。
そして。
「ま……フローラモンもかわいいけど、でもやっぱアグモンが欲しいな。」
はい。私はずっと昔から、「アグモン」というデジモンが好きです。
原因の一つはもちろん、確かにかわいいキャラですけど、もう一つの原因は多分、アグモンというデジモンには「太陽」の要素があるでしょう。
そう。私は太陽が好きです。
自分はそういう陰湿な性格だからこそ、暖かい太陽みたいなものが好きです。
太陽みたいに、この弱い私を守って、この臆病な私を支えて。多分私の今までの人生には、こういうものが足りないでしょう。
《episode:人形》
少し変かもが、時々私は「並行世界」のことを考える。
例えばさ、ある「加奈子がいない」の世界b、その「世界b」に、若い頃のお母さんは「ある優しい男性」と出会って、幸せな家庭を築いた。
子供は男の子もいいけど、でもやっぱり女の子がベストです。お母さんは花が好きですから。
ひまわりみたいな元気な女の子、優しい月と頼りな太陽、こういう小さな三人の家。
太陽の仕事が忙しいので、家族と共に時間を過ぎることは少々少ないけど、少なくとも月一回、日曜日に三人で公園に遊びに行く。
夏の花火大会も、お新年も、入学式も。いつも三人で。
風邪が引いた時、「頑、張、れ!頑、張、れ!早く元気に、な、れ!頑……えっ、うるさいからちょっと黙れ?そんな……」。
彼氏との付き合いがバレた時、「娘をお前みたいなヤツに渡さないぞ!」と言いたけど、最後は「ちっ、もし浮気の気があればやってみろ、貴様をぶ殺してやるぞ……」っと。
いいな、そんな平凡な幸せそうな三人の家。
その並行世界の家に、私がいないけど。
《episode:人形》
【作者しのやからの説明:いや……まずい……キーボードに……水が……(意外と自分の朝ドラのシナリオを書く才能が発見したしのやさん。)】
「なあ、フローラモン、死は、どういう感じだなあ。」
「あまりいい感じではないと思うよ。」
「そうですね、私でも、死にたく……」
え。
先、空耳かな、何か……
いや、よく見れば、部屋に「もう一人」がある。
いやいや、「もう一人」ではなく、もう一つの「何か」が、私の部屋にいる。
待て待て、もう一度。もう一度。
暗闇の部屋に、子供程度の身長だが人間の姿ではない「何か」が、喋った。
待て待て、もう一度。頑張って、もう一度。
もう一度。
今日はね、母さんは病院の祖婆のところにいるので、家に私一人だけ。
そして暗闇の部屋に、子供程度の身長、だが人間の姿ではない「何か」が。
喋った。
喋った。
喋った。
あ、あの……読者のみんなさんはこの状況を理解したのか。
わわ私は、りり理解していないわ……
こここんな時に、普通はどんな反応をすればいいのかな。
ああ、そうそう、あれだ。
では、よかったらしばらく耳を……
え、今は小説版だからそんなこと気にしないでもいい?
よし、なら、行きます。
フ……
「ぎゃああああああ、私を食べないてえええーーー!!!」
《episode:人形》
「や、や、やめてよ!なぜこの小娘の部屋にこんな沢山なアグモン玩具があるの?やややめて、やめてよもう!私を撃つな!落ち着いて加奈子!私ですよ私、フローラモンですよ!」
「うわーーー!フローラモンとはなに!?なになに!?殺し屋のコードネーム?宇宙生物?怖い怖い怖い……えっ、フローラモン?」
《episode:花》
「あの、そこの性格悪いなデジモンさん?私のパートナーから離れていい?小娘は困っているから。」
「え……フローラ……モン?」
《episode:光》
「というわけで、正式的なパートナーになる……どう、加奈子?」
「うん……もちろん……もちろんよ……!」
そうか。見つけた。
この弱い私を守って、この臆病な私を支えて。
……ありがとう、フローラモン。出会って良かった。
なんか、まるで……
「まるで、織川先輩みたいなあ、などのセリフを言わないてよ、加奈子。」
「うん、もちろん、そんなの……ええええええええええええ!!!ななな、なぜそれを……!!!」
えっ?なぜ慌てた?
その……その織川先輩は……中学時代の好きな人ですから……
いや、そうじゃなくて……あの、その、だから……
その織川先輩は……女の子だから……
なによ……悪いか。
周りの男性に失望して、そして中学生の思春期、そして同じ文学部に頼りな女性の部長がいる、自分にも優しくて、しかも美人……
なによ。悪いか!
いやいやいや、待て待て待て。
「ということは、あの秘密も、あの秘密も、そしてあの秘密も……?」
「もちろんさ、あの秘密も、あの秘密も、そしてあの秘密も。フローラモンはぜーーーんぶ知ってよ。毎日毎日私にベラベラで自分のことを言うのを忘れたか?って、まずい、殺意を感じた!」
《episode:光》
そしてその後、転校、引っ越し、いろんなことがあった。
でももう、迷いがない。
なぜなら、そばには大切の家族と、大切なパートナーがいるだから。
そう、人間はいつでも満足できない生き物です。
だからこそ、「知足」ということは、人にとってとても重要なものだろ。
高校三年生の時に何月分の休学、流石にラクな話しではない。
最後はただ三流大学に進学、卒業後ある大手IT会社の辺鄙な分社に就職した。
ま、結果として、事務所の皆さんはいい人し、社長さんも親切、毎日の仕事は基本的にラクラク(その少ない年収を無視すれば)。
そうして、加奈子さんは陰湿JKから頼りな(多分)社会人になった。改めて、読者の皆さん、よろしく。
でも、時々あんまり順調ではないこともある。
例えばさ、ある日曜日の夜に。
「むむむ……ねむ……何よ、今日は日曜日だよ……しかも明日は仕事あるし……デジモンさんたち休日がないの……?」
「文句は後で、早くしなさい加奈子、目標デジモンはすでに実体化したわよ!」
「はいはい……」
こういう風に、せっかくの日曜日の夜のに、スマホの「WARNNING!」のメッセージのおかげて休日出勤、じゃなく、休日にデジモンと戦うこともある。
「アグモン、避けて!」
「えっ、そこに……」
《episode:光》
「コ、コーラーもう一本飲みたいなあ。」
「ぷっ、なにそれ、面白いな二人組じゃないか。」
うん、どうやらこのエリアは心配しないでも大丈夫そうだ。よし、社会人の加奈子さんは帰るよ。
ところで、明日うちの事務所に人事異動があるらしい。確か東京本社からの先輩、なんて。
ま、私と関係ないけど。
そして後日の会社で。
「おはようございます、東京本社からの岸辺です。必殺技、いや、あの、その、何もない。よろしく。」
「え?」
えっ、何これ。
何この「謎の転校生」みたいな展開。
《episode:光》
「あの、加奈子。キミたち人間の社会に、今キミのこの行為へ定義、分かるか?」
「うん?定義?知らないよ。ほっほうーーー!今日のアグモンもかわいいーーー!もう、撫でたいなあ、撫でたいなあ……!」
「ストーカー、だよ。」
《episode: 加奈子のアグモン観察日記》
「って、こんな時にスマホが電池切れたなんて……すごいな、岸辺先輩。マジすごい。笑えるよ。」
「で、そうする、加奈子?」
「決めたじゃ、ここはヒロインの私たちの出番だぜ!ふふふ、アグモンよ、加奈子を待ってね……ふふふ……」
「あの……加奈子、顔、怖いぞ。」
「ルっルル、聞こえないー!」
《episode: 加奈子のアグモン観察日記》
「あの……空耳かもが、先の話し、もう一度、先輩、もう一度。」
「だから……その……近所の小学のPTAからの……警告を受けた……子供達に手を出すなっと……おいおいおい、待て待て待て、電話を切るな!話しを聞け!!!」
《episode: PTA》
「なるほど、つまり、そのたっちゃんを探すため、我々の町に最近、一つの表情が怪しそう、格好も怪しそう、時々スマホに何か呟いて、時々スマホでかわいい小学生の姿を撮って、という怪しそうなKさんが現れた、ということか?岸辺先輩。」
「その言葉中の悪意の部分を無視すれば、うん、基本的にこういうことです。」
「そして、正義の味方のPTAさんたちの、そこのキミ、何をやっているの、恥ずかしくない?という質問に、Kさんの答えは、ち、違うです、カ、彼女は子供が好きですから……ということか?」
「はい……」
「そして、もちろん彼女がいないKさんは今、彼のメガネ娘の後輩の加奈子さんに、日曜にデートでいい?と、誘っていますか?」
「もう……その言い方……だ、か、ら……ただの仮彼女だよ、仮!PTAさんたちを安心させて為の!」
《episode: PTA》
でも……アグモンはともかく、もし本当にその「たっちゃん」を探したら。
岸辺先輩は……
自分にとってのパートナーデジモンの意味、皆んなそれぞれかもが、少なくともこの私にとって、フローラモンは「特別」な存在です。
ある意味で、「唯一」な存在かもしれません。
岸辺先輩とアグモンのこと、私はよくしれませんけど、でも「デジモンリビング」でパートナーデジモンを人間世界に呼び出したプレイヤーの皆んなは多分何かの「思い」がある。
高校時代の私のように。
私は見えるよ。
この「たっちゃん探す大作戦」をやる時の、先輩の顔。
その寂しそうな顔。
……何それ……
まったく……
バカみたい……
「ああ、疲れたーーー!今日はここまで!加奈子さん帰るわよ!」
「おいおい、待って有間さん……!」
《episode: PTA》
「……し、空が高いし、岸辺先輩は、人がいい。」
「何その南先輩みたいな言い方……」
「えっ、先輩もその古いドラマを見たことあるの?」
「ま……大好きな木村さんが主役のドラマですから……」
夕焼けの中の岸の辺りに、先輩とドラマの話しをした。
「……ですよね!マンションの屋根の上で、夜風の中の南先輩と瀬名くんのその人生相談のシーン、や、本当に最高と思うぜ!」
「その、ぜ、って……」
夕日……か。
そう、夕日。
朝日ではなく、ちょっと弱いけど、ちょっといいところで心を温めるの、夕日。
あんまり特点がないけど、必要な時いつも自分のそばにいる。
言わせずにやるべきことをやる。
そして多分、自分が家に帰った時いつも自分に、お帰り、晩ご飯できたぞ、カップ麺だけど、と言う。
そうか。夕日か。
ま、それも悪くない。
「知足」、それが大事なことだから。
ですから私は。
「ありがとう、先輩、今日は楽しかった。なんか、まるで、デートみたいなあ。」
と、この夕日みたいな岸辺先輩に、フローラモンとお母さん以外の人に、久しぶりに、心からの笑顔を抱いた。
《episode: 夕日と花》
「変、変なこと言わないてよう……!」
動揺した。
いやいやいや、落ち着いて俺、相手はただの地味なメガネ娘だよ。何を動揺しているの貴様!
でも……ま、ここだけの話しですけど、有間さんと共に時間を過ぎる時、なぜか自分はいつも自然に安定になった。
ちょっとバカっぽいけど、いつも元気で、いつも明るくて、他人のことも大事になって。
うん、これも悪くない。そのアグモンへの変な熱情を無視すれば。
実はさ、休職の何月間に自分も反省していた。
多分、自分の人生には、「もう一人」が必要だ。
そう、生活は「戦い」ではないのです。
毎日毎日、一生懸命で無理やりなんて、最後は多分、怪物になるしかいない。
我々は、マシンではなく、生きている人間ですから。
一つの心は、もう一つの心で照らす。
お互い支えて、生活を続ける。
これこそ人間だろ。
「ああ、だが残念、この加奈子は先輩の好きなタイプではないですから。」
「えっ?いや、俺は、別に……」
「だって、先輩の好きなタイプは……」
有間さんはそう言いて。
「三十代の綺麗な未亡人だろ確か。」
と、意味不明な笑顔が出た。
「や、趣味というものはそれぞれですが、でも流石に……」
《episode: 夕日と花》
時間:日曜日の夕方。
場所:雰囲気が良い岸の辺り。
被害者:……はいはい、犯人がわかった。
「もしもし、アグモン、聞こえますか。」
「うん、うん……今日曜特別デザートを食べているけど。」
「そうそう、その日曜特別デザートの話しです。いいニュースがあるよ。」
「えっ!もしかしたら、追加……!」
「今日から、アグモン大好きな、日曜特別デザート、キャンセル!!!」
《episode: 夕日と花》
ふふふ。やっぱり面白いな、岸辺先輩。
ルっルル、作戦大.成.功!イェイ!
《episode: 夕日と花》
「って……むかつく……もう、むかつくだよ、あの小娘!!!」
「おやおや、今日はどうだ岸辺くん、銃のゲームに光剣使いと出会ったの?さ、山倉コーヒーどうぞ〜」
「知らないよ、あんなかわいい偽娘。」
《episode: 大耳》
「ベビー.フレイム!」
いつも通り、あんまり効果がない成長期のベビー.フレイムだ。
「はいはい、先輩お疲れ、ここからやっぱりヒロインの加奈子の出番だぞ。弱そうな先輩は……」
「そして……!」
「えっ?」
フ……
「デジスキル.大耳の幸福、効果は全員のデジスキルをrefreshして!次はアグモンの、もう一度の勇気!そしてアイテムカード、大耳の幸福、もう一度の勇気、アイテムカード、スキル、カード、スキル、カード、スキル……」
やく一分ほど。
「よし、これでいいぜ、な、アグモン、もう一度ベビー.フレイムを打ってくれ。」
「ベビー.フーーーうわ!!!!」
それはもはやベビー.フレイムではなく、「unlimited.ultra.ベビー.フレイム」だ。
よし。新たな技の名前、略して「UUBF」と呼ぶぜ!
《episode: 大耳》
「フ、フフフ、フフフフフフフフフ……!ほら見ろ、有間さん、この戦いは、我々の勝利だ!」
「あのね先輩、そのセリフ、かなり有名な死亡フラグだよ。」
《episode: 大耳》
「もう……むかつく……本当にむかつくだよ!あの男!!!」
「おやおや、今日はどうだ有間さん、銃のゲームに光剣使いと出会ったの?さ、山倉コーヒーどうぞ〜」
「知らないよ、あんなかわいい……このネタはもういい!!!」
《episode: 大耳》
「落ち着いて、一体何かあった、有間さん?」
「トゲモン、トゲモンは、ヤツらに奪われた。」
《episode:成熟期未満お酒禁止》
「さてさて、ミッションコンプリート!帰るわよ、先輩。」
「ほう、帰るって、どこに帰るつもりかい?人類のお嬢さんよ。」
闇の中、悪魔は呟いている。
《episode:帝王》
もう十月だ。
今年の秋桜は、いつもより少し遅かった。だがら今でも町にやや香りが残っている。
肌に爽やかな風、周りに花の香り、それに空中に舞っている真赤な紅葉。実にいい季節だ。
うん、もう十月だ。
ただ、こんなふうに町に歩くとき、いつもその時のことを思い出す。
それからすでに何月経過した。
そして、もちろん、アイツのことも。
もうそばにいなくなった、アイツのこと。
そう、もう十月だ。十月になった。
《episode:夢の終わり、と》
インデックス。
第一巻。
怪物。
出会い。
初戦。
異空間。
進化。
喰うか。
第二巻。
人形。
花。
光。
加奈子のアグモン観察日記。
PTA。
夕日と花
第三巻。
大耳。
病気。
成熟期未満お酒禁止。
妖精。
帝王。
第四巻。
たっちゃん。
私とアグモン。
戦士。
とある昔の物語。
お酒と刀。
疾風。
決別。
夢の終わり、と。
shinoya19。
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しのや。