ジュリアTシャツのはなし(制作秘話的な)
はじめに
はじめまして、しのうじ(@shinouzip)と申します。
この度、ミリオンライブ10周年のライブツアーにあたってジュリアのTシャツを制作しようと企画している者です。
2月27日現在 まだ参加者募集期間中です!
実は過去にもTシャツを作っていましたし、フラスタも数回企画していて
その度にイラストを絵師様に発注して、デザインをあーでもないこーでもないって模索してるんですが、果たしてその出来たデザインの思惑は企画参加者に伝わっているか…?というとたぶんそうでもないと思います。
なので、せっかく絵師様も心を込めて描いて下さっていることだし、
デザインのコンセプトみたいなものを皆さんにお伝えする場があればなぁと思い立って書き留めている次第です。
今回、イラストを担当して下さったのは、じりおん(@zillione)さんです。
ジュリアP界隈ではかなり名の通った方では、と個人的に思っています。
文字通り神絵師様です。
そんなじりおんさんと打合せして出来たデザインがこちら
このイラストだけでもかなり二人で話し合って決めたポイントがあります。
一つずつ解説していきますので、どうぞお付き合いください。
デザインのコンセプト
コンセプトテーマは「パンクロック好きなアイドルとして10年間やってきて事務所内のアイドル達とも仲良くやっていくなかで minorityな原点を忘れずに10周年のライブに立つ」です。
文だけで見るとなんのこっちゃ?って感じですね(笑)
細かく説明していきます。
パンクロック系を選んだ理由
まず、じりおんさんの2022年ジュリア生誕祭の時のイラスト
が個人的にめちゃくちゃ気に入っていて
生誕祭イラストみたいな「パンクロック系」でデザインをお願いしたい!
っていうところが始まりでした。
ジュリアが好きなものも”パンクロック”ということもあってまさに10周年にピッタリな選択だったと思います。
服装について
ジュリアの着ている服を見ると黒いワイシャツに赤いネクタイ、そして派手なベルトを巻いています。
実はこれアメリカのパンクロックバンド "GREEN DAY"のボーカル
「ビリージョー」の衣装からオマージュしています。
ではなぜGREENDAY?
とおもった方もいるでしょう。そうでしょう。
実はGREENDAYの数ある名曲の中の1曲に「Minority」というスーパー名曲があります。
そのサビの歌詞が以下の通り
和訳するとこうなります。
「マイノリティ」
つまり少数派っていうことです。
ジュリアといえば奇抜な見た目に、路上ライブ出身のアイドル
という過去に例を見ないレベルの個性派アイドルです。
パンクロック好きなところも鑑みると、恐らく人と違うことをやってきたと考えるのが妥当だと思います。
今では765プロシアターにも打ち解けて、さまざまな仕事をこなして仲間も増えていますが
原点は "マイノリティ" だと思うんですよね。
そういった点から今回の10周年で原点を忘れないという意味でGREENDAYのマイノリティをチョイスしました。
それぞれの文字について
イラストの枠内、枠外ともに何個か文字が書いてあります。
勿論これらにも、こだわりと意味があって付けています。
ひとつずつ説明していきましょう。
「Have you already~ .」
まずはこちらの英文
お気付きの方も多いかと思います。そう、流星群の最後の歌詞
「願い事はもう唱えた?あたしと未来へ」の英訳です。
英訳については下記の海外wikiから引用しています。
https://million-live.fandom.com/wiki/Ryuuseigun#English
これは序の口ですかね。次々いきましょう!
「Distortion, capo. = 0/1f and zeal」
「Distortion」とは、ロック用語でいうところの「歪んだ音」という意味です。
歪んだ音といえば「オーバードライブ」や「ファズ」というものもありますが、"Distortion"は更に歪んだ音のイメージです。
ここでは音に歪みを与えるエフェクターの種類として書きました。
本来、音楽に "歪み" というのは不要とされがちです。
しかしロックにおいては長く愛された効果であり、ロックを語るにあっては必要不可欠なサウンドとなっています。
少し話が変わります―
先に記載した通り、ジュリアは "マイノリティ" な存在としてアイドルの世界に足を踏み入れました。
「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE 06」に収録されている
「Marionetteは眠らない」という曲ではジュリアのボーカルは特に耳を惹くものがあり、ジュリアの持つ"マイノリティ"な一面が特に色濃く聞こえる一曲となっています。
そう、ジュリアのボーカルは良いスパイスとなって曲の中で調和していくのです。それがまさしく音楽の中に潜む "歪み" では?と私たちは考えます。
次に「capo. = 0/1f」についてですが
"capo."というのは「カポタスト」のことです。
カポについての詳細はここでは省きますが
流星群を演奏する際にはカポは装着しません。つまり"0"。
プラリネを演奏する際は1フレット目にカポを装着します。つまり"1f"となります。
そして「Zeal」に繋がります。
"Zeal" の和訳は「情熱」
ジュリアが情熱を持って静香と組んだユニット「D/Zeal」と掛けて表現しました。
"Distortion, capo. = 0/1f and zeal" を簡潔にまとめると
歪み(ジュリアの礎) → 流星群 → プラリネ → ハーモニクス
という今までのジュリアの歩みを表しています。
「FUZZ>>WAH」
FUZZ、WAHというのもエフェクターの種類になります。
それぞれどういった音なのか等は是非YouTube等で調べてみてください。
実はFUZZ、WAH共に愛用していたギタープレイヤーがいます。
それはギターの神様とまで呼ばれた伝説的ギタリスト
「ジミ・ヘンドリックス」です。かの有名な「歯ギター」は彼が発祥です。
ではなぜジミヘンをチョイスしたのか?
まず、ジミヘンとジュリアの似ている点についてです。
ジミヘンは左利きでありながら右利き用のギターを逆さまにして愛用していました。
そしてジュリアも左利きですが、右利き用のギターを愛用しています。
この辺りのジュリアについての過去等は特に語られてはいませんが
少なからずジミヘンに影響を受けていることが想像できます。
更に理由を裏付けるのはこのカードの台詞
『信じられないよ…!子どもの頃からずっと、アンタのレコードを繰り返し聴いてたんだ。憧れのギタリストと、セッションできるなんて…サイコーだ!』
ここで出てくる "憧れのギタリスト" が先述した「ジミ・ヘンドリックス」だとされているからです。
このカードについての詳しい元ネタ等については大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を見てもらえればわかります。
「ROCK\\:IDOL」
デザインの中でも特に大きく書かれた「ROCK\\:IDOL」という文字です。
パッと読んだだけでも「ロックなアイドル ジュリアだな!」と分かってもらえるかと思います。
では、ROCKとIDOLの間に潜む「\\:」はどういう意味があるのか。
「:(コロン)」は一般的に使用される、例示や列挙といった意味と同等なので説明不要かと思います。
「\」はバックスラッシュです。
日付を表す際や、分数を表す際に通常使われる「/(スラッシュ)」の逆で
バックスラッシュは自然言語で使われることは、ほとんどありません。
このことから
アイドル(偶像)という”世間から愛される存在”が求められる世界で、
ロック(社会問題や政治的体制に対する反乱)という概念は本来、かけ離れた存在であるが、ジュリアはその垣根を超えた存在だという意味をこめて
バックスラッシュを使用しました。
また、" \(バックスラッシュ)"は、一部のプログラミング言語において、通常では記述できない文字列を表示する「エスケープ言語」として用いられるのですが、「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 02」に収録されている「エスケープ」という曲と名前が一致します。
その他のデザインについて
イラストや文字以外にもデザインがあります。
そちらについても解説いたしましょう。
バーコードの意味は?
オシャレ感をマシマシにしてくれるバーコードですが、もちろん意味があり、これを文字に変換すると「B♭ C Am Dm Gm C F」となります。
これは、流星群の終盤のコード進行です。
先述した流星群の歌詞ともここで一致してくるわけですね。
ちなみに、このバーコードを作成するために使用した規格は「CODE39」というコードで、MILLION STARSの「39プロジェクト」と掛かっています。
3色のバーの意味は?
一見すると、ミリオンの属性カラーかな?という印象を持たれると思いますが、ここではミリシタのSSRカード「流星群 ジュリア」の衣装のアナザーカラーを表現しています。
左から入手時、マスターランク☆4、マスターランク☆5
となっています。
アイコンの意味は?
まず、向かって左側の虹マークですが
これはミリシタのSSRカード「止まらないディスティニー ジュリア」のジュリアが持っているギターに貼られているステッカーをオマージュしています。
ぐーーーっと目をこらしていくと…
次に、向かって右側の王冠マークですが
これは見覚えのある方も多いかもしれません。
「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4th LIVE TH@NK YOU for SMILE!!」
のマーク内からオマージュしました。
また、王冠は1stライブの衣装である「プロローグ・ルージュ」と今回の10周年衣装である「リ・プロローグ・X」にもあしらわれています。
ジュリアのイラストについて
ここまでパッと見て気づく点について解説してきましたが、最後にジュリアのイラストについての説明をします。
ジュリアが弾いているギターは?
これはもはや説明不要かと思いますが、「ギブソン・レスポール・スペシャル」というギターで、ジュリアの声優を担当している愛美さんが愛用しているギターのひとつです。
「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!! 2014」で愛美さんがこのギターを抱えステージ上で流星群を披露してから、ゲーム内でもジュリアが同じギターを持つようになったことで有名です。
是非、当時の愛美さんのブログもご一読ください。
ちなみに余談ですが、じりおんさんから「ジュリアの持つギターはどうしましょう?」と聞かれて「王道でレスポールスペシャルでいきましょう」と言ったところ
「得意です」
と返答がきたときは笑いました。
ジュリアが押さえているコードは?
ここで押さえているコードは「A7(Aセブンス)」というコードです。
"A7" は「流星群」のなかで使うコードの一つになっています。
ジュリアのポーズの意味は?
マイクスタンドに腕をかけて歌うこのポーズですが
ミリシタの「プラリネ」のアナザーアピールから引用しています。
背面のデザインについて
2023年03月05日に背面のデザインを公開しました!
こちらについても詳しくご説明します。
ギターについて
まず目に入るのは、7本のギターです。
ジュリアといえばギター。
気づかれた方も多いかと思いますが
グリマス・ミリシタのカード内でジュリアが使っているギターを並べました。
順番に解説していきます。
まず一番左側は、ミリシタの初期SSRカード「シャイニングワールド ジュリア」の覚醒後のギターです。
ギターのモデルはおそらくいくつかの変形ギターを組み合わせた形状と思われます。
ボディが近いのは「Dean Guitars」のMLシリーズ
ヘッド部分についての元ネタは不明ですが、恐らくストラトキャスターをベースとしたオリジナルかと思われます。
続いて、左から二番目は表面のデザイン案にも引用したカード「夢のセッション!ジュリア」のギターです。
元ネタは先述した通り、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマーティ・マクフライが作中弾いていたギターでモデルはGibson社の「ES345」です。
しかし、「ES345」にない装備や特徴がいくつかあるためオリジナルのカスタムモデルかと思われます。
今回、シルエットにしたのは現行のES345をベースに、ES355(のビグスビーアーム)を組み合わせる形で作成しました。
左から3番目は、グリマスの頃からのRカード「熱闘!ビーチバレー ジュリア」の覚醒前のギターです。(グリマスのカード名は「パンクロックの魂 ジュリア」)
モデルはfender社の「Stratocaster」です。
シルエットは「Heritage 60s Stratocaster」をベースに作成しました。
なお、本家Fenderはイラストのような茶色一色のギターが無く、最も色味が近いとされるのは上記画像の"Sunburst"系です。
実は表面のデザイン解説の際に出てきたジミ・ヘンドリックスもStratocasterを愛用していたという話があり、ここからもジュリアはジミ・ヘンに影響を受けたと考察できます。
また、このStratocasterは他のカードにも登場しており代表的なところでいくと
ミリシタSSRカード「流星群 ジュリア」の覚醒前
グリマスからのRカード「エレガンスバトラー ジュリア」の覚醒前
(グリマスのカード名は「個人練デート ジュリア」)
グリマスHNカード「アイドル節分パニック ジュリア」のカード
グリマスRカード「パンクロッカーアイドル? ジュリア」のカード
グリマスSRカード「ダイナミックステージ ジュリア」のカード
と、アイドルになる前から愛用していたギターらしく
かなり出番も多く、ジュリアの愛着も感じられる一本です。
そしてど真ん中のギターが表面デザインでも説明したGibson社の「レスポール・スペシャル」です。
色は"TV Yellow"と言います。
余談ですが、TVイエローは白黒テレビ時代に白黒カメラに合わせて、照明の光がギターのボディで反射するのを抑えて映りがよくなる色として作られたらしいです。
他にも所持しているカードはありますが、挙げるとキリがないので割愛いたします。
ちなみにこちらはイラスト担当のじりおんさんの私物になります。
左から5番目がミリシタSSRカード「止まらないディスティニー ジュリア」のギターです。
モデルはGibson社の「J-45」と思われますが、ブリッジの部分が逆になっています。
なお、J-45は愛美さんが5thライブの「スタートリップ」を披露した際に使用したギターと同じモデルとなります。
最後から2番目がミリシタSSRカード「小さなオーケストラ ジュリア」のギターです。
こちらのモデルについては不明ですが、YAMAHA社の「FG-TA」を参考にシルエットを作成しました。
そして一番右がグリマスからのSRカード「はにかみパレオ ジュリア」の覚醒後のギターです。(グリマスのカード名は「流星群 ジュリア」)
こちらのモデルについても不明ですが、"YAMAHA"社の「FGC-TA」を参考にシルエットを作成しました。
…と並べただけでも7種類のギターを所持(もしくは事務所貸与?)しているジュリアです。
グリマスがリリースされてからの10年間ともに歩んできたギターたちを並べたデザインを背面にあしらいました。
そして、その10周年を象徴するかのようにギターの下に記述している英文を説明します。
「Because each and ~…」
日本語で「ヒトツヒトツがあたしを作るから あなたと出会った日を忘れない」となります。
そう、ジュリアのソロ曲「スタートリップ」の歌詞から引用しました。
英詞は流星群と同様、海外wikiからの引用です。
https://million-live.fandom.com/wiki/Star_Trip#English
スタートリップの歌詞はジュリアがアイドルになる前のストリート時代を思い起こしながら歌ったのだろうと想像できる内容で、同楽曲内の歌詞に「連れてきたボロボロのギター まだ捨てられないまま鳴らしてるよ」とあるように、ジュリア自身がギターをいかに大切にしているかを感じ取れる内容となっています。
ジュリアは楽曲内で、この"ギター"を過去の思い出や生い立ちに例えて歌っているようだ、と私は考えました。
ジュリアは過去の失敗や挫折も決して忘れることなくアイドルとして10年間成長してきた存在であるので、この解釈については皆さんも納得していただけるのではないでしょうか。
そういった意味でも「スタートリップ」は10周年にふさわしい楽曲だと思い、裏面のデザインに採用しました。
謝辞
本Tシャツ企画にあたり、イラスト担当絵師であるじりおんさんには当企画の趣旨を理解し、快く協力していただき、大変お世話になりました。
当記事にあるコンセプトや細かいこだわり等はじりおんさんの提案も数多くあり、Tシャツがより一層有意義になりました。
また、ギターシルエットの監修や選定については100%じりおんさんの尽力です。ここに感謝の意を表します。本当にありがとうございました。
また、本企画を始めるにあたって私のプロデューサー仲間には、多くのご助言と激励をいただきました。本当にありがとうございました。
さいごに
以上で、前面デザインコンセプトの紹介を終わります。
裏面についてのデザインはまた後日公開する予定ですので、そちらについての記事はまた更新いたします!
如何だったでしょうか。制作側のアツい想いが皆様に伝われば幸いです。
企画自体はまだまだ参加募集していますので、この記事を読んでエモくなった方や興味が沸いた方は是非「参加する」のボタンをポチっと押していただければと思います!
みなさんでミリオンライブ!とジュリアの10周年を盛大に盛り上げていきましょう!
以上!ジュリアTシャツ企画 主催のしのうじでした!
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