600字映画レビュー『劇場版 きのう何食べた?』
『劇場版 きのう何食べた?』(2021)
視聴方法:Amazon prime video
視聴日:2022.11.4
漫画を3巻だけ読んだことがあり、実写も気になっていたので今回初めて観た。
映画というよりドラマの特別編を見ている感じで(その通りなのだろうが)、肩の力を抜いて楽しめた。
シロさんの料理シーンは期待通り。料理系YouTubeのような雰囲気だった。
食事シーンもどれも印象的だけれど、りんごのキャラメル煮を食べるシーンが一番好き。二人とも心から幸せそうで。こんなふうになれたらいいなと憧れる。
原作のシロさんはシャープな顔立ちで無愛想だが、西島秀俊のシロさんはより柔和で、無愛想というより不器用な感じで可愛らしかった。
ケンジは本当に漫画から出てきたみたいだった。くねくねしててちょっとオカマっぽい感じとか、表情がコロコロ変わって可愛いところとか。内野聖陽、演技がうますぎる。微妙な表情の変化で感情が伝わった。
ストーリーがこの映画だけで完結していて、原作やドラマをよく知らなくても楽しめたのがよかった。男同士で過剰にベタベタすることもないので、BL漫画と敬遠せず、ほのぼの日常系お料理ドラマとして気軽に観ていいと思う。
「俺たち、年取ったなぁ!」
満開の桜の下で、好きな人と手弁当を食べながらそう言って笑えたら、どんなに幸せな人生だろう。
スピッツの「大好物」が温かく包みこんでくれる幸せな映画。