【ぶらり散歩】町もビーチも心もピカピカにした秋の土曜日
夏に初体験したビーチクリーンを、この秋再び。
前回は猛烈な日差しと熱射で盛夏を全身で感じながらだったが、今回はさすがにすっかり秋めいて、最高気温20度。朝晩はちょっぴり冷え込むからコートが必要な涼しさとなった。
今回は前回とはちょっと勝手のことなる部分が2つある。
一つは、年に一度?の「フェス」と銘打って、ビーチクリーンだけでなく、シティクリーン(街頭美化)やアップサイクリングのワークショップが含まれている。前回は2時間程度で終了したが、今回は10時にJR逗子駅集合して16時頃に解散だから、活動は6時間。また新しい体験ができることにワクワクしてしまう。
もう一つの違いは、メンバーだ。前回体験してみてすっかり楽しさを知ってしまったボクは、職場の若手を次々を誘ってみた。団体の創設者(今はOGで会長的ポジション)であるアンミが「めちゃめちゃ誘ってくれるじゃないですか!(嬉)」と小躍りするほど。ということで、前回の3名(アンミ、おでん、ボク)に加えて、スビン、チナも合流し5名での参加となった。
腹ごしらえ
前回同様逗子海岸での活動ということで、すっかり気に入ってしまった待ち合わせスポット「ミサキドーナツ」に集合したいと(おっさんのクセに)申し出てしまった。※別におっさんが行っても全然いいのだが、店内はとにかくオシャレで若い女子がよく似合うから…
アンミとボクが9時に、おでんが30分後くらいに合流。店長の新作「ドーナツバーガー」という未知の甘じょっぱい物体を試してみたら、朝から味覚が混乱した(注:美味しいよ!)。
本当は一緒に食べるはずだったスビンが電車を間違えてゆっくり食べてる暇がなくなってしまったので、テイクアウトしてから逗子駅へ向かう途中で手渡し、食べ歩き。一番遠方のチナは、音信不通。夜型だからなぁ笑 あとで起きて来るだろう。
シティクリーン
逗子駅前の集合場所にはわかりやすい円陣ができていたので、そこでオリエンテーションを受け、まずはここから逗子海岸までシティクリーンをしながらぶらり散歩。チームに分かれて、拾ったゴミの数を競うゲーム制だから、それなりに目を皿にしてちゃんとゴミ拾い。
タバコの吸殻、ビニル傘の柄、空き缶、紙屑…日頃は見て見ぬ振りというか気にすら止めない小さなゴミたちが、今日は宝物に見える。一つ拾うごとにアイテムをゲットした感覚。そして、「ええことしてんなぁ」という自己満足感も心地よい。逗子の瀟洒な街並みを弾む会話をおともにテクテクと進むうちにチームワークも形成されていく。
ビーチクリーン
海岸には30分くらいで到着。生憎の曇天だが、今日は一日雨に降られることはなさそうだし、結構空は明るく風は穏やか。ビーチクリーン日和である。
同じチームで引き続きビーチクリーンに取り掛かる。今回も大小様々の「落とし物」に出くわすが、一番の狙いは「マイクロプラスチック」。小さく分解した色とりどりのプラスチックのかけらを拾い集めて、この後のワークショップでジェルキャンドル作りに使うのだ。
そうなると、みんなビーズを拾うような感覚で、わーきゃーいいながらピンクが欲しいとか、グリーン多過ぎとか、ブルーだけ集めてみましたとか言いながら大いに盛り上がる。「ここにいっぱいあります!」という声を聞けばワサワサと群がって、「これは宝石箱ヤァ〜!」と黄色い歓声笑
ひとしきり40分程度、だだっ広い砂浜のほんの一角をほんのちょっと夢中で綺麗にしたボクたちは、それでも達成感を顔にまとって休憩しながらゲームの審査を待つ。お隣には別のボランティアグループがいて、焚き火を囲んで楽しそうにやっていた。完全なるシニアグループなのだが、みなはつらつとしていて、「ああ、こういう年の取り方いいよなぁ」と考えさせられたものだ。
結局、あえなく優勝を逃したボクらだが、優勝チームには景品として協賛企業が提供するオシャレなパウダー歯磨き粉「ハミミー」が進呈された。ちゃんと環境配慮製品になっていて、生分解性の籾殻由来の素材をパッケージに使っており海洋プラスチック問題に対応している。
ここでちょうどお昼時。
地元民かつホスピタリティとリーダーシップあふれるアンミが、事前に「なぎさ橋珈琲」というイケてるカフェを想定してくれていたのだが、どこからともなく元気よく響いた「海鮮丼!」の声に一瞬でふっとんだ笑 1ミリも感情のさざ波を立てることなく海鮮丼を出す食事処を一緒に探すアンミ。君の心は海より広くて深いよ笑
みんなでググって、ターゲットは逗子駅近くに見つけた老舗「はら田」に定まった。
かなり年季の入ったその定食屋はこれから混むであろうその少し前に入店しスムースに注文することができた。味噌汁付きで1,400円の海鮮丼は納得の食べ応えと新鮮さで、みな一心不乱に箸を進めて大満足!
デザートタイム
さて、午後はワークショップ。
しかしそれまでちょっと時間がある。
ということで、向かったのは、はら田からビーチへの道中にある大人気のアイスクリーム屋「CREMAHOP」。
朝はドーナツ、ランチは海鮮丼。そして、デザートに美味しいアイスクリーム!なんて(最高の)日だ!
このCREMAHOP、店外まで長蛇の列ができることも珍しくないというが、来店タイミングが絶妙だったのか、すぐに注文することができた。ビーガン向けを含むオシャレでそそるたくさんのフレーバーから好きなものを選んで、シングル/ダブル/トリプルにでき、かつ、紙カップ/コーン/ワッフルコーンを選ぶこともできる。
それだけではない!なんと注文後に最大3つの味を試すことができて、気に入ったものがあれば注文を切り替えることも可能なのだ!神!アイスクリーム屋というものには滅多にお世話にならないが、こんなに気持ちの良い体験こそ人気の秘密なんだろうなぁ。
「バナナマシュマロ」というおよそ仏頂面の四十路に似つかわしくないガーリーでゆるふわなフレーバーをシングルで頼んだ。口の隅々まで一気に広がる濃厚な甘い衝撃に身を委ねて悶絶したのは言うまでもない。
時折忘れてしまいそうになるが、これはボランティア活動のレポートなのだ。食レポではないのだ。(しっかりしろ)
ワークショップ
お腹も心もご満悦で、今度はJR逗子駅近くのワークショップ会場へ。マンションの一室みたいなこじんまりしたオシャレレンタルスペースでの開催。バルコニーがついており、大きな窓が開放されていて風通しもよく寒すぎずなんとも心地いい。
ここで、たっぷりの睡眠を確保し、長閑な土曜の午前を布団で謳歌したチナがようやく合流。全員集結!
ワークショップでは、先ほどのビーチクリーンで回収したマイクロプラスチックを使ったジェルキャンドル作りと、着古したTシャツをエコバッグにアップサイクルする体験が用意されていた。ボクはTシャツはどんなにクタクタになってもパジャマにするので持ってこなかったから、キャンドル作りに専念することにした。
これが、ハマるハマる!主催のSEA HOPEの学生たちが一生懸命に事前準備してくれた美しい貝殻、石、ラメ、金箔、その他アクセントになる様々なアクセサリーを、自分の美意識一つを頼りに自由自在に組み合わせて、小さなガラスジャーの中に「My Sea」を造っていく。
ボクはジオラマや箱庭、アクアリウムが(やらないけど)大好物。きっと、限られたスペースに切り取られた風景、しかも適度に複雑で生気を感じるようなものに強く惹かれるのだ。
まずは海底となる土台を敷き、集めたマイクロプラスチックを心込めてレイアウト。そこへいろんなアクセサリーを散々迷い悩みながら楽しく重ねていく。途中途中、他のメンバーの進捗も見ては、それぞれの個性的なあしらいに刺激を受けてワイワイ盛り上がる。
慣れないピンセットを駆使してどうにかこうにか思い通りの「海底」ができたら、今度は、そこにジェルワックスを注いでもらう。これがキャンドルの燃料になるわけだ。時折入る泡が、キラキラと光を反射し生気が吹き込まれる感覚だった。
こうしてついに仕上がったのがこちらの作品たちだ。初めてにしてはなかなかでしょう?
一方、バルコニーでは古着のアップサイクルチームも着々と作業を進めていた。
一体どんなふうにバッグに変身させるのかまったく検討がついていなかったのだが、何やら端っこをチョキチョキ「のれん」のように刻んで切って、それを一つひとつ結んでいる。
なるほど、ちょっと風通しの良い洒落た感じになるのね!もとがTシャツだから幾分ペラペラした感じではあるけれど、お世話になったものが捨てられることなく、また形を変えてそれらと生活をともにするのも面白い。
エピローグ
確かに、一つ一つ、一人ひとりの作業は微々たるものでしかない。だけど、大事なのは「意識」だ。この体験はあくまで入り口であって、これをきっかけに環境に意識が変わり、行動が変わる。それをこんな若い人たちが、大勢の人を巻き込みながら楽しく一生懸命に取り組み続けていることに感服するし、尊敬してしまう。
このイベントに参加した中には、小さな女の子もいたし、英語の先生もいたし、台湾からの留学生もいた。そしてボクら社会人も。それぞれがそれぞれの友達や家庭や職場でこの活動を話題にし、小さな波紋を広げていく。ましてや、もっと大きな団体も多数存在するし、SNSでも拡散されるのだからその影響力は決して小さくはない。
そんなことを思いながら、盛況のうちに本日のイベントは終了!
とはいえ時刻は16時過ぎ。少しだけ時間を持て余し、そこそこ満腹なボクらは、コンビニでアルコールとおつまみを買って、夕方の逗子海岸のテトラポットで他愛のない雑談に花を咲かせたのだった。
青春か!
今回のぶらりはいかがでしたでしょうか?ぶらりというには長い時間を歩き、歩数は13,000を超えた一日。文章も長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます!
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