話さないのは話せないのと同じ。反応しないのは無視しているのと同じ。
英語のネイティブスピーカー2人を囲んで、英語を話せるようになりたい日本人の方たちとZoomで集うイベントがありました。みな初対面ですが、普段から同じアプリにお金を払って英会話を練習しているという共通点があります。
ネイティブの1人はこのアプリでユーザーの英会話を音声添削するReviewer。つまり、参加者は普段ではアプリでReviewerと音声のみでやりとりしているんですが、このイベント=オフ会では直接話ができる状況です。
2人のネイティブが掛け合いをしながらMC役を務め、参加者に自己紹介を促したり、参加者から事前に寄せられた英語学習に関する質問について答えたり意見を求めたりして行きます。
イベントは1時間で終了するのですが、参加中にとても気になったことがありました。それは
「とにかく静かだな…」
ということ。
参加者(7人くらい)の英語スピーキングレベルは、自己紹介を聞く限り初級から中上級といった感じで、中にはアメリカ留学中の学生さんも。
だから、全然話せないわけじゃない。
けど、発言がない。。。
司会役のネイティブは明るく素敵な笑顔で、
・英語学習しているモチベーションは何?
・どんな勉強法が好き?
などなど、参加者の意見や体験を引き出すべく声をかけていくのですが、手が挙がらない。
一番違和感を覚えたのは、参加者のリアクションがとても薄いことでした。
恥ずかしいから?
人前で英語を辿々しく話したり、間違えたりしたら笑われそう、バカにされそうと思っているのかな…
でも、そもそもこういうイベントに参加しているってことは、他のユーザーとの交流もあり得るわけだし、少なくとも普段は顔の見えなかった自分の添削講師と話せるチャンスだからできれば話したいと思っていたのではないかな、と推測します。
じゃ、遠慮してたのかな?
1時間という短時間で、MC入れて10人位いる中で、自分が話すことで図々しいと思われるのを恐れた?
いや、ひょっとすると、MCがが流暢すぎて聞き取れなかった?
それならしょうがないかなぁと気もするけど、「もうちょっとゆっくり喋ってくれませんか?」て言えば済む話だし。。
MC同士が会話している時間が長すぎた?
これは結構あるかも笑
とはいえ、MCたちは参加者たちに、話さないまでもZoomのリアクションボタンを使って「いいね!」をしてくれたり、カメラに向けてサムズアップ(👍)して反応してね!チャットでもイイよと語りかけますが、イマイチ反応ないんだよなあ苦笑
そんな中、ボクはバシバシ「👍」や「👏」を送りまくったり、質問に手を挙げて答えたりしたんですが、なんかあまり出しゃばるとウザがられそうな気がして、あえて控えた局面もありました。
いや、反応が読み取れなくて「アイツ出しゃばってウゼェな」と思っていたかどうかすらわからない…
で、本題に戻りますが。
英語が話せるようになるのは何のためなんですかね?
英語の響きがカッコイイからマスターしたいの?楽器を習うみたいに?
そんな人いませんね。少なくとも動機のど真ん中ではないでしょう。
外国人とコミュケーションが取れるようになるために話せるようになりたいはずですよね。
自分の考えをシェアして、相手の考え方も理解する。何かを決める必要があるかもしれないし、必要な情報を引き出したいかもしれない。共通の話題で盛り上がって仲良くなりたいのかもしれない。
いずれにせよ、
目的:何らかの状態に向けて外国人と意思疎通すること
手段:英会話
ということです。
そもそもコミュニケーションを取るってことは、誰かが一方的に話しているだけでは成り立たないわけで。
話せようが話せまいが、相手に話しかけられたら、言葉なり表情なり動作なりで反応を返すのがコミュニケーション。
だから、例えスピーキングに自信がないとしても、だからといって反応しないってのは、意味がわからないんです。ましてや、話せるのに話さないとは何事ぞ、と思っちゃうんです。生きてる?楽しい?つまらない?体調悪いの?ねぇ、何を考えているの??
そうか!
英語を話すことと、コミュニケーションを取ることを別物と考えてるのかも。英語を話すことを「自分の意見を表明すること(だけ)」と捉え違えているのではないだろうか。そう考えないとこの状況には説明がつけられないと思いました。
だとしたら、それは大間違いだと思います。
たとえ思ったことをスラスラ言えるようになったところで、英語によるコミュケーションが必要とされる職業においては人材として役に立てないでしょう。これは英語が話せるか否か以前の問題であり、意思疎通を図るべき相手への敬意の問題だからです。
リーディングとリスニング、そして論文や翻訳するという場面におけるリーディングと、スピーキングは全く違う性質のものだと考えています。
何が違うのか?というと、
自己完結するか否かの違いです。
スピーキング以外は一人でできますが、スピーキングだけは自己完結できません。スピーキングというのは、目の前に相手がいて、アクションとリアクションを重ねながら何らかの状態に持っていくという作業なんですよね。
「うちのクラスに日本人がいるんだけどさ、あいつ何考えてるかわかんなくて薄気味悪いんだよね。」
これまで幾千人の日本人留学生がこうした印象を持たれてきました。日本人は何を企んでいるかわからない(だから無視しよう)。諸外国の人はといえば、文法はめちゃくちゃ、発音は訛りだらけ。だけど、バンバン何かを話しまくる。人に話しかけまくる。聞かれてもいない自分のことを話し始める。
いろんな国の人が集う場所では、話さない奴は「危険な奴」とみなされると言います。だから、みんな話す。自分はこういう奴だよ、安心してね!という意味を込めて話すんです。例え変な奴でも、「変な奴」ということが周囲にはわかる。本人が発信すればこそです。発信しなければ、そこには誰もいないのと同じ。話しかけられて反応しないのは、相手を無視しているのと同じ。
スピーキングスキルにはソーシャルスキルが含まれるんです。
だから、話せるようになりたければ、例え陰キャでも陽キャの仮面も手に入れなければなりません。
とはいえ、いきなり「陽キャになろう」と思っても難しいとは思います。ボクもなんちゃって陽キャであり、根っこは比較的内向的だったりします笑 でも、人とコミュニケーションする(ソーシャライジングする)場面では陽キャを演じています。それでイイんだと思います。
かつて、MCのLaurenさんが教えてくれた素敵な言葉を思い出しました。
Fake it until you make it
できるようになるまでは、できているフリをしなさい。
(そうすればいつか本当にできるようになるから)
■ついでに
英語を話せるということが国際的にどう定義されているかを知りハッとしたことがあります。まさに今回の記事につながる内容なので、お時間が許せばぜひ以下の記事を読んでみてください。
■「アプリ」について
今回のイベントは、英会話練習アプリ「SpeakNow」のユーザーとレビュワー(講師)の交流会でした。
このアプリ、スピーキングを上達させたい方にかなりオススメです。
30秒以内で自分のスピーキングを録音して提出すると、Laurenさんを初めとするアメリカ・カナダのネイティブ講師が24時間以内に音声であなたのスピーキングを添削してフィードバックしてくれます。
英会話スクールではいちいちミスを正してはくれないことが多いので、自分のスピーキングとじっくり向き合ってくれる唯一無二のサービス。いわば英会話の「かかりつけ医」を手にするようなものです。
興味があれば2回分の無料チケットもあるので試してみてはいかがでしょうか。