読書記録≫カラフル/森絵都
どこかでタイトルを聞いたことがあって気づいたら積読していた一冊。
風に舞い上がるビニールシート読了後、森絵都持ってたじゃんと思って読み始めた。
著者特有の温かい、丸みのある感じとどこか後悔とか傷を感じるような、優しさ溢れるストーリーだった。
オチはもしかしたら、、?と思いながら読んだけどそれでも余る感動はあった。借り物の人生ならやってみるかと言う経験したことないのに共感できる気持ちは不思議。まさに死ぬ気でやればなんでもできる。
でも、頭の理解をそのまま実行するのは難しくて些末なことを気にして生きる多くの人とのシンパシーでヒットしたんだと思う。
文章も全体優しい中で、好転してるときと落ち込むときの波がよく見えて読みやすかった。非凡さを求めて忙しくなる気持ちも、平凡そうで実は波瀾万丈なサラリーマンも過ごしにくい友人関係も、思えばどれも自分とリンクしているような気がして自分へ目が向くけど、この本で言うのは同じことが他人にも言えるということだと理解できた。この世、人間はあまりにカラフル。
冒頭医者の「もう十分だろ。2度と死ぬなよ」とか満の「そんなもんてめえで考えろ」は口調と優しさのギャップが印象的。
いつでも形と中身は別もの。
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