わが青春の阿呆旅(あほうたび) 中京編(その7)
三岐鉄道・北勢線は、三重県の北部を走る全長20.4kmの路線。
長い遍歴を経て近鉄の傘下に属していましたが、並行して伸びる三岐線の親会社・三岐鉄道が経営を引き継ぎ現在に至ります。
かつて、日本の隅々に「軽便鉄道」と呼ばれるミニ路線がありましたが、モータリゼーションの波に消え去り、現在は4路線が残るのみ。
まるで、遊園地の乗り物のようなミニサイズ。
15時35分に西桑名駅を発車した電車は、昔懐かしい釣りかけ駆動の「ゔぃ〰️ん」と言う、けたたましいモーター音をたてて線路を滑り出しました。
が、しかし…。
全てがミニサイズ、と言うことは、線路のつくりも、車輪のある台車もサスペンションもみんなミニサイズ。
近鉄特急のような快適な乗り心地には程遠く。
さんざん各地の鉄道を乗り回した疲労もあり、道中の不安がみるみる胸中に…😨
こんなノリで終点・阿下喜駅(あげき) まで58分、耐えられるのだろうか…。
まぁ、聞こえる音はディーゼルではなく、釣りかけのモーター音でしたし、
キラキラ輝くのは海ではなく、夕景の雲でしたが( ̄ー ̄)
と言う訳で、蓮花寺駅で逆戻り。
まもなく、反対方向から来た電車に乗って、西桑名駅へ。
ここでしょげるのも悔しいので、まずは西桑名駅そばのロッテリアで、ひとりだけの作戦会議を敢行。
(休憩とも言う)
オジサン、のんびりしているかと思いきや、スマホとずーっとにらめっこ。
そして、意を決して、JR関西線改札口そばの居酒屋「しちり」さんへ。
だって、「缶ビールを少し」では、伊勢の国に申しわけが立たないじゃないですか😁
「エネルギー充填120%!」とこころの中でつぶやきつつ、JR関西線のホームに降り立ったのです。
快速「みえ」は、名古屋から関西線・伊勢鉄道(第三セクター)を通り県都・津を経由。そこから紀勢線~参宮線と駆け抜け、伊勢志摩観光の中心地・鳥羽駅を結ぶディーゼル列車です。
これは快速なので特別料金は不要。
観光需要に対応した指定席(530円) もあります。
(名鉄特別車と異なり、座席は自由席と同じ転換クロスシートですが)
とは言え、同じ区間を「一大帝国」を形成する近鉄線も並走。
高性能な電車特急が頻発する近鉄に圧倒されています。
従って、指定席・自由席各々1両ずつの2両編成で、細々と運行されているのが現状…なのです。
(帰宅して気付いたのですが、2両編成の場合、指定席は鳥羽方の1両のうち半分なのだとか)
自由席車である名古屋方の車両に乗ると、車内はそこそこの乗車率。
次は終点の名古屋駅であるのをいいことに、車端部の転換しない「疑似ボックスシート」で、ひとりのびのびと脚を前に伸ばしてリラックス😁
河口に近いこの場所、ちょうど海からの潮目が止まった時間だったのでしょうか、水面は鏡のように空の雲を映していて…。
天も地も、まるで渾然一体となったような。
余談ですが、まるで、この番組のオープニングのようで😅
さて、快速「みえ」・キハ75形は一般型気動車でありますが、同じ関西線・紀勢線の特急「南紀」のキハ85系と同じく、1両にエンジン2台のパワフル仕様。
なんですが、愛知県に戻った弥富駅(やとみ) を過ぎると線路は単線に。
近鉄と異なり、こちらは複線化がまだまだなんです。
すると、スピードがみるみる下がり…。
弥富駅の先にある「白鳥信号場」での列車交換でした。
本来は、速度を落とさず通過できる構造の側の線路を、停車せず駆け抜けるところ。
どうもあちらも同格の快速だったらしく、先に到着したこちらが一旦停止となりました😯
近鉄に押されているとはいえ、名古屋近郊のこの区間はそこそこの本数があるので、仕方のないところですね😅
そんな、イマイチ実力が発揮しきれないところのある「みえ」ですが、ガンバるところはダブルエンジンをフル回転させてぐんぐん進みます。
美濃の国在住の友人の方は、パワフルなキハ85系「ひだ」の乗り味のファンだそうですが、その遺伝子はキハ75形が今後も引き継いでいくのです。
座席は、こちらでは平凡な転換クロスシートですが。
(できれば、指定席は名鉄仕様のリクライニングシートであって欲しいですね)
桑名から26分、本日3度目の名駅(名古屋駅)。
日も暮れて、そろそろ帰路につく頃合いです。
東に向かって出発するのはJRではなくて、再び名鉄の電車で。
さて、夕闇の中を駆ける電車、そのチョイスはいかに?
それは次回の講釈で😁 ←「西遊記」かい
【つづく】
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