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連載小説「出涸らしのティーバッグ」第5話
5-1
2021年4月25日に、3回目の緊急事態宣言が発令されてから、延長や対象地域の拡大が繰り返されている。昨年から繰り返し出される緊急事態宣言に、危機意識が薄れていることは否めない。それでも、出勤前にテレビをつけると、感染者数の増加と医療の逼迫が報じられ、身が引きしまる。
自粛を求められる二度目の連休が明けると、五月は足早に過ぎてゆく。群馬県がまん延防止重点措置の対象に加えられ、緊急事態宣言の対象地域の追加も続き、収束とは程遠い状況が続く。
仕事から帰宅してシャワーを浴び、サンダルウッドの精油を焚くとようやく緊張がほどける。理央さんとトーニオさんとのやり取りは続いている。理央さんとは毎晩寝る前にLINE通話で他愛のないことを話すのが日課になった。
理央さんからの通話していいかを確認するLINEに返信すると、すぐにLINE通話がかかってくる。
醍醐理央:
こんばんは。お疲れ様です。
理央さんの穏やかな声は耳に優しい周波だ。私はベッドに寝ころんでスマホをスピーカー通話に切り替える。
鈴木澪:
こんばんは。夕飯食べましたか?
醍醐理央:
はい。今日は海外の取引先との会議が長引いたので、職場で済ませました。
鈴木澪:
Uberですか?
醍醐理央:
当たりです。海外とのやりとりが忙しいときは、時差のせいで、どうしても夜遅くなってしまいます。行きつけの店が時短営業で閉まってしまうので、Uberに頼ることが多いです。アプリ入れてますよ。
鈴木澪:
そうですか。時差があるのは本当に大変ですね。
醍醐理央:
そうなんですよ。でも、いま自分のしている仕事が、将来の日本のエネルギー事情に関わってくると思うと、力が漲ってきます。
彼の高い職業意識と気負いを含んだ言葉が鼓膜をじんと震わせる。熱さを受けとめる適切な言葉がみつからず、月並みな言葉しか絞り出せない。
鈴木澪:
やりがいのあるお仕事ですね。でも、お身体にはくれぐれも気を付けてくださいね。
醍醐理央:
ありがとうございます。澪さんの声、安心するトーンですね。疲れているときに聞くと癒されます。
ところで、澪さんは、都内にいたときのオフィスと家はどこでしたか?
赤面するような言葉に、どう反応するか迷ったが、理央さんが何もなかったように言葉を続けたので、きっと言いなれているのだと解釈する。
澪:
お茶の水です。住んでいたのは千代田線沿線の綾瀬です。理央さんは?
醍醐理央:
オフィスは丸の内、家は南麻布です。
鈴木澪:
南麻布……、私には別世界です! 大使館がたくさんある高級住宅街ですよね。公園が好きなので有栖川宮記念公園を散策したことがありますが……。
南麻布に住む慶應エスカレーター組の彼と私は明らかに不釣り合いだと思い、風船がしぼむように心が萎縮する。だが、自分を貶めるような発言をしたら、余計に惨めになる。
醍醐理央:
別世界なんて言わないでください。うちはよく言われるお屋敷ではなく低層マンションです。住みやすくていい街ですよ。
理央さんは、少し間を取った後、ややかしこまった声で切り出す。
醍醐理央:
それより、こういうことを聞くのは失礼だと重々承知していますが、僕の他にも連絡を取っている男性はいますか?
鈴木澪:
一人だけいますけど……。
醍醐理央:
まあ、僕も同じような感じですけど。
でも、澪さんのこと本気でいいなと思っています。澪さんにとって、僕は真面目に考える男のなかに入っていますか?
直球で尋ねられ、肌がじんわり熱を帯びる。高まる鼓動を感じながら喉元から声を絞り出す。
鈴木澪:
もちろんです。
醍醐理央:
安心しました。今週末、ZOOMで話しませんか? そろそろ顔を見てお話ししたいです。土曜の夜とか、どうですか?
鈴木澪:
はい、大丈夫です。
醍醐理央:
よかった。来週から時差のある国との会議が続くので、夜の電話は難しくなります。その前に話したかったんです。ZOOMの招待送りますね!
真っ直ぐに放たれる弓矢のようなエネルギーを受け、余計な先入観でうじうじしているのは損だと思った。
5-2
理央さんと初めてZOOMで対面する土曜は、目覚めたときから緊張していた。鏡の前で何度もトップスを着替え、似合う服を探した。ナチュラルメイクでも若見えすることを意識し、試行錯誤した。画面が暗くならないよう、ZOOM会議で使うライトを入念に調整して臨む。
指定された時間になり、理生さんから送られたメールからZOOMに入ると、彼は既にスタンバイしていた。クリスチャンディオールのロゴの入った上質なスウェットシャツを着こなし、にこやかに手を振っている。彼のスウェットの値段に相当する服は、私なら一生に一着買うかも定かではない。
醍醐理央:
こんばんは。初めましては何だかおかしいですね。
鈴木澪:
ふふ。メッセージや電話でたくさんお話していても、姿が見えると初対面ですね。実物を見てがっかりしていないといいですが……。
気分を上げるために周囲に吹きつけたシャネルのクリスタルオーヴェルトがほんのり漂う。シトラス系から花の香りに変化し、風や光、花などの自然を想起させるフローラルフレッシュグリーンノートだ。
醍醐理央:
とんでもないです。写真よりもきれいです。その若草色の服、似合っています。僕こそ、失望させていないでしょうか?
理央さんの声は、通話よりも穏やかで、達観したような響きがある。物心ともに満たされた環境で育まれた安定感と、努力で望むものを手にしてきた自信が、年齢よりも落ち着いた空気を醸し出しているのだろう。
鈴木澪:
写真よりも大人びていて素敵です。
初対面の挨拶を終えると、互いに話題を探し、ぎこちない沈黙が流れる。そんなときは、年上の私がどうにかしなくてはと思ってしまう。
鈴木澪:
コロナで何かと動きにくいですよね。フットサルや舞台鑑賞も自粛中ですか?
醍醐理央:
はい。高齢の祖母がいるので、僕も姉も母も、感染リスクがありそうな場所はできるだけ避けています。学生時代の友人との同窓会が開けないのは寂しいですが、クラスターを出したら大変なので自粛中です。
感染防止に対する考えが合うのは素直に嬉しく、安堵が胸に広がる。
醍醐理央:
コロナ禍で出会いの機会がなくなりましたが、アプリで澪さんと出会えてよかったです。
鈴木澪:
私もです。ところで、コロナ前はどうやって出会っていたのですか?
醍醐理央:
学生時代の先輩や友達の紹介がメインで、あとは同僚が開いてくれるお食事会です。
鈴木澪:
素敵ですね。財閥系の総合商社だと、お食事会のお相手は華やかな職業なのでしょうか。モデルさんとか、女子アナさんとか?
醍醐理央:
いえ、そこまでは……。キャビンアテンダントとか美容部員とのお食事会は行きましたが。
鈴木澪:
そんなきらきらした職業の方との出会いがあるなら、なぜ私みたいなのと?
理央さんは心外だと言いたげに、眉間にしわを寄せ、諭すような口調で話し出す。
醍醐理央:
付き合いでお食事会に行き、綺麗な方と話すのは楽しいですが、元港区女子みたいな人は正直ひきます。駐在妻を狙って近づいてくる女性も無理です。そういう方と交際したことはありますが、下心が見えて、興ざめしてしまいました。
結婚を考える人に求めるのは、安らぎを与えてくれる思慮深さ、賢さと芯の強さです。
そんな非の打ちどころのない女性こそ、下心を巧妙に隠していると思うが口にしないでおく。
醍醐理央:
ところで、澪さんは、どんな方と交際してきたのですか?
鈴木澪:
え?
醍醐理央:
すみません。過去の恋愛のことを聞くのは失礼だとわかっているのですが、あまり合わないと上手くいかないと思います。素敵な方なので、たくさん経験はあるでしょうが、一番印象深い恋人のこととか聞いておきたいです。
理央さんは、濃い睫毛に縁どられたアーモンド形の瞳で、私を真っ直ぐに見ている。その眼差しを受け止めながら、合わないものは断固として受け入れない手強さを感じる。
鈴木澪:
大丈夫です。私もそういう話をしておきたいです。
醍醐理央:
ありがとうございます。では、言い出した僕からですね。
理央さんは立ち上がってドアか窓を閉めてから、画面に戻ってくる。
醍醐理央:
僕が自分の好みがわかるきっかけになった彼女について話しましょう。彼女は2歳年上で、大学1年の夏から3年の終わりくらいまで付き合っていました。
知り合ったのは中等部1年のときです。サッカー部の先輩の彼女で、たまに話をする程度でした。浅黒かったですが、美人でスタイル抜群、頭の回転が速くて、かっこいい女性でした。公爵家の血を引くお父さんが財団の理事で、家は松濤だと聞きました。将来は慶應医学部に進みたいと意気込んでいたのが印象的でした。その頃、僕は一歳上の先輩と付き合っていたので、彼女と知り合い以上の関係にはなりませんでした。彼女が慶應義塾ニューヨーク学院に進んだので、それから顔を合わせることはありませんでした。
再会したのは僕が慶應法学部1年の夏休みです。僕はイギリスに交換留学したいので、IELTSのスピーキングとライティングのスコアを上げたくて、近くに住む英国人の先生から個人授業を受けていました。その先生が、生徒や友人を集めてホームパーティーを開いたとき、そこに彼女がいて、3年ぶりに再会しました。彼女はエルメスのシックなパーティードレスを着こなし、長身で一際目立つ存在でした。そのとき、彼女は慶應医学部の3年でした。ニューヨーク学院で猛勉強し、わずか2枠の医学部推薦枠を勝ち取ったそうです。卒業して臨床経験を積んだらWHOに入りたいので、英会話力を磨いていると熱く語っていました。英語と日本語、フランス語、中国語を操る彼女の周囲には人が絶えず、僕もたくさんの方に紹介してもらいました。社交的で頭の回転が速く、美しい彼女に、どきどきしっぱなしでした。
彼女と一緒にいると、そのエネルギーで僕まで引き上げてもらえる気がして、絶対に手に入れたいと思いました。僕の家族は、交際相手の家柄や学歴にこだわります。うちも旧華族の血筋ですが、旧華族の中でも最上級の公爵家の血を引く医学部の彼女なら、文句なしに気に入ってもらえると思いました。
彼女はフリーだったので、僕の猛アタックで付き合ってもらえることになりました。医学部の彼女は忙しかったのですが、メリハリをしっかりつける人で、遊ぶときはとことん遊びました。美味しいレストラン、行ったことのない国内外の穴場、初めてのトライアスロンやボルタリング、ヨガ、魅力的な人脈……、僕の世界は彼女に導かれて広がっていきました。
僕の家族は、美しくて聡明、家柄も文句なしの彼女を気に入り、娘同様に可愛がってくれました。母と祖母は、僕に彼女との将来を真剣に考えるよう言っていました。
傍から見れば何の問題もない交際でした。
でも、彼女は電話やLINEに淡泊で、LINEは既読スルーされてばかりでした。電話したときは楽しく言葉を交わすのですが、僕が満たされた思いで電話を切ることはほとんどありませんでした。彼女が悪いのではなく、単なる相性の問題で、彼女が僕の心に響く言葉を持たなかったのでしょう。彼女は、僕の愛情がエネルギーになると言っていましたから……。
僕は問題が生じたら、納得できるまで話し合わないと気が済まない性分なので、何度か彼女に不満を伝えました。彼女は論理的に話し合ってくれる人なので、その都度議論しました。
話し合った末、定期的に電話かLINEを入れてもらうことになりました。けれど、彼女は義務的に連絡をすることに意義を感じず、すぐにうやむやにされてしまいました。彼女は心がつながっていれば、連絡がなくても、会わなくても心穏やかでいられるタイプでした。なので、僕の物足りなさは理解されなかったのです……。
鈴木澪:
恋人とのあいだに問題が生じたときは、納得するまで議論しないと収まらないのですね? 結構、頑固なんですね。
理央さんは、小さく苦笑いする。
醍醐理央:
他のことでは、筋を通さないと気分が悪いのですが、恋愛だと骨抜きにされてしまいました。
彼女は僕と会うときは全力で向き合ってくれて、とても刺激的で楽しいので、恋愛に対する温度が違うことには目を瞑ってしまいました。
僕の愛情が彼女のエネルギーになるのが嬉しかったし、家族が彼女との交際を喜んでくれると、自分が順風満帆な人生を歩んでいると証明されているようでした。見栄っ張りでしたね……。
本音を言えば、僕はいつも彼女に置いていかれないように気を張っていて、安らぎはありませんでした。魅力的な彼女は男友達が多く、僕と別れても、すぐに次がいるとわかっているので、失いたくない意地もありました。彼女のおかげで成長できていると自分に言い聞かせ、神経がすり減る現実から目を背けてきたのです。
鈴木澪:
理央さんの留学中もそんな状態だったのですか?
醍醐理央:
僕がイギリス留学に発つとき、彼女は車で成田空港まで送ってくれました。離れたら、彼女は僕のいない時間を他のことで埋めてしまう。遅かれ早かれ終わるという切り裂かれるような哀しみと、なかば諦めの気持ちが同居していました。
海外旅行は何度か2人で行っていましたが、いつも2人で保安検査場を通り、搭乗口に向かいました。そのとき、1人で保安検査場を通るのが悲しいなと思い、彼女を振り返りました。そしたら、いつもクールな彼女が、タオルハンカチで口元を覆ってぽろぽろ涙を流していて、びっくりしました。そのうち嗚咽が漏れ、周囲の人が振り返るくらいに大きくしゃくりあげ始めました。彼女を椅子に座らせて慰めながら、ずっと胸に燻っていたものが溶け、清々しい気持ちになりました。彼女は、こんなにも僕を必要としてくれていたとわかり、気持ちが楽になりました。
鈴木澪:
そこで吹っ切れてからは、一年間遠距離でも大丈夫だったのですか?
理央さんは口元だけで力なく笑う。
醍醐理央:
彼女の連絡の頻度や熱量は相変わらずでした。空港での涙の記憶が鮮明なうちは、彼女は僕と愛情表現が違うだけで、同じくらい思ってくれていると信じられました。
でも、その効力も時間とともに弱まっていき、やはり満たされないという思いが頭をもたげてきました。英語がままならず、大学のレポートがきついことを彼女に愚痴りたかったし、日々感じる他愛のないことを聞いてほしかった……。
もちろん、彼女の勉強がますます忙しくなったのもわかりましたが、そういう問題ではないんです。相手と向き合おうという気持ちの熱量の差は埋められないと強く意識させられました。
鈴木澪:
留学中、彼女に会うことはなかったのですか?
醍醐理央:
彼女は忙しいスケジュールの合間を縫い、2回会いにきてくれました。彼女は英国を何度も訪れていたので、2人で旅行に出ることにしました。1回目はアイルランドを旅しました。パブに行って周囲の人と騒ぎ、ケルト文化を体験して楽しい時間を過ごしました。2回目はバルト三国を回り、旧ソ連の遺産をたどりました。彼女と過ごす時間は刺激的で、甘美で、アドレナリンが出っぱなしでした。国内外でたくさんの魅力的な女性に出会いましたが、やはり彼女が一番だと再確認し、失いたくない思いを強めました。
だから、帰国してからも、彼女とは根本的なところでわかりあえない現実から目をそらし続けました。
鈴木澪:
満たされないものを抱えていても、彼女と別れなかったのは、理央さんが求めているものが刺激と御家族を安心させることだったからでしょうか?
醍醐理央:
それに加えて、自分は満たされなくても、彼女に必要とされていることが嬉しかったのか大きいです。
彼女の臨床実習が始まり、彼女が必要とするのが僕ではなく、仲の良い医師の先輩だとわかる出来事がありました。そのとき、僕を支えていた糸がぷつんと切れてしまいました。彼女から別れを切り出されたとき、自分でも驚くほどあっさり受け入れました。
長々と話して、焦点がぼけてしまいましたね……。何を言いたかったかというと、言葉は悪いですが……
口ごもる理生さんが話し出す前に、私が口を開いた。
鈴木澪:
理央さんが恋人に求めていたのは、甘美な刺激やご家族を満足させるスペックよりも、恋愛に向き合う熱量が同じで、安らぎが得られることだとお気づきになった?
醍醐理央:
さすがですね。言いたいことを要約されてしまいました……。
鈴木澪:
それ以降は、そんな方を探してお付き合いしてきた?
醍醐理央:
はい。就職してからの恋人は、恋愛に注ぐ熱量が僕と近く、優しく賢い女性でした。そういう女性を求めた結果、年上の方になったのかもしれません。
実はコロナが始まった頃に、半年程付き合っていた5歳上の女性と別れてしまったんです。
鈴木澪:
それで、アプリを始めたのですね。
醍醐理央:
ええ。
彼がなぜ私に好意を示してくれるのか何となくわかってきたが、敢えて言葉にしてほしくて尋ねる。
鈴木澪:
私は……、理央さんが求めるものを持っているでしょうか……?
醍醐理央:
そう思います。画面越しでも照れますね……。
鈴木澪:
私、理央さんが話してくださった方のような由緒ある家柄も、学歴も、容姿もありません。御家族も納得しないと思いますが……。
醍醐理央:
前にも言いましたよね。あなたはしっかりした家の出身で、学歴も問題ありません。そして何よりも、相手のことを考えられる思慮深さと聡明さがあり、安らぎを与えてくれます。芯が強そうなので、きっと海外でもやっていけると思います。
鈴木澪:
ありがとうございます。でも、持ち上げすぎです。
理央さんは、思い出したようにディスプレイの隅に視線を投げる。
醍醐理央:
いつの間にか、日付が変わっていましたね。すみません、遅くまで。明日も話したいのですが、まとめておかなくてはいけない資料がまだできていないのです。あなたのお話を聞くのは、また次回ですね。
鈴木澪:
わかりました。そうしましょう。
理央さんは少し口ごもった後に、神妙な顔で畳み掛ける。
醍醐理央:
澪さん、近いうちに感染リスクの少ない場所で会うことを考えませんか。そのとき、あなたのお話を聞きたいです。
理央さんは、私の返事を聞く前に、「また、LINEします!」とひらひら手を振ってZOOMを切断してしまった。
ベランダに出て、すっかり深まった闇を見上げながら理央さんの言動を思い返す。
納得するまで話し合わないと気が済まない性質や、他人を思うあまりに自分を犠牲にしてしまうところは、かつて愛した人と似ている。そんな筋が通った頑固さも自己犠牲的な優しさも私の心の琴線を震わせる。何だかおかしくなり、乾いた笑いがもれる。
金色に輝く半月に手を伸ばし、月を掴むように拳を握る。彼の言葉を信じてこのまま進めるところまで進みたい。夜風に吹かれても引かない頬の熱が、言葉以上に気持ちを代弁してくれる。