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【解説完】冷涼少女は囁いた

story END . ignorance.(無知)

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湯川が彼女の元へとたどり着くとそこには二人の凛がいた。一方の凛はどこか思い詰めたように悩んでいた。久しぶりの再開に心を躍らされるも、一方の方を気にかけていると 白衣を来た凛は状況を話し始めた。そこで湯川はふたりとも一度 閉鎖都市の外へ出てみればいいさ と。

16
閉鎖都市の外。しばらくすると白衣を着た少女は自身の身体が熱いと言い始めた。次第に溶けていく彼女にメンバーはおののきながらも青年は澄ました顔で言う。
クローン実験は失敗していたんだ。いや、君がそう仕組んだのだ。わざとね

17(END)
凛は完全に溶け、白衣だけとなったソレをすくいながらこういった。
「私はこうでもしないと自由になれなかった。自分を偽る事で… そして、実験は成功していたけれども具現化させてはいけないし、公になってはいけないと直感で感じた。
そう本物の彼女は囁いた。

だが、本物であるはずなのに。青年が共に過ごしていた彼女との記憶が別の世界線のような気持ちがあり、どこか素直になれないでいた。だが、目の前の彼女は確かにあのとき、最初に会って僕が恋した彼女そのものなのだ。

老人は言う。
クローンは私だけとなってしまったなぁ と最初に造られて最後のクローンとなった男は閉鎖都市の門の外、夜空に映える工業都市とビル群を眺めながらそう囁いた。「ただのバグであった、唯一の成功例だった」

another story(可能性)

【another story 001 skyHi】
実験施設で自分という存在を無くされた少女が出会った青年との淡い恋物語

【another story 002 photegraph】
ifの世界。戦争が連合国による介入で終戦した世界。実験で研究者に出会った少女は国連軍によって逮捕された。だが状況や彼女が上官である両親からの強制的な命令下にあったことから釈放され高校生として生活することになった。そこで出会った同じく釈放された桜との日常の物語。カメラを買った少女がかつての実験施設が科学的な美しさがあると撮影し、過去の記憶とともにwebノートに投稿し話題となる物語。

【incident】
本作のanother作品 科学者の少女が偶然人体実験の際に誕生させてしまったもうひとりの自分。自分の鏡写しのように根暗で人付き合いが苦手な様子に嫌気がしていた。そんな中、戦争の戦略でミスした政府のせいで実験施設が国連軍によって占領されてしまう。そこでクローンが実在することが公になったことで囚われてしまう。だが、手違いでクローンであるほうが連行され本物である少女は捕獲ゲージに囚われてしまう。他のクローン動物と同じように… 精神が崩壊してしまった少女を取り戻そうとしたが時は遅かった。クローンである彼女は、自分の壊れた光景に恐怖を覚えるも事態を知っていた為にチャンスだとも思っていた。ただのモノからヒトになれるのではという…

追記:どちらが本物の凛なのか問題への回答
物語で閉鎖都市の外での凛は本物
閉鎖都市内で、脱出をしたのは本物

なお、閉鎖都市脱出後の凛が諜報局員となったきっかけ・成り行きは作中には書かれていないが、脱出の情報を掴んでいた諜報局局長である女によって保護された。目的は(クローン実験における)最悪の状況としてクローン兵が製造されそうになったときの証拠とする為というのと局長自身の辛い過去による哀れみによる。なお、局長は現在療養施設にて入院中。

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