2023年版京大講義紹介記事(あくまで参考に)

どうも初めまして、こんにちは。京大総人新3回生の東雲と言います。
今回は今まで自分が受けた講義を新二回生以下向けに紹介する記事となっています。
まず最初に新入生に向けた前期の全学共通科目を主としたものと次に二回生に向けた、国際文明学系の歴史文化社会論の領域での講義紹介となります。

注意として、あくまで自分個人の所感で書いてますのであくまで参考程度にしてください。

全学共通科目

まず一回生の時に受けた講義を紹介していきます。

①精神分析I
 総人では専門科目として扱われている精神分析Iは、いわゆる精神分析の創始者として名高いフロイトの理論を学ぶのではなく、狂気と創造性との関係を時系列順に学ぶ講義です。フロイトの理論に直接触れているのは精神分析学という精神分析Iと同じ教員が行う講義で扱われています。ただ自分はこの講義を真面目に受けておらず、教科書を読みこんで試験に挑みました。というのも講義内容は教科書になぞってやっていくので、まあ教科書読めばいいか、と思ってあまり出席してませんでした。ただ、今から考えると出席すればよかったかなあ、とも思ったりしてます。というのもプラスアルファの話とかもあるのでそれ目当てでもいいんじゃないかな、と思います。大学に入りたての一回生向けの話とかも最初の頃にしてくれますので、やっぱり一回生向きかな、とは思います。
 成績評価は試験一発が基本ですが、世間の状況によっては課題のみで成績評価を付けます。自分が受けたときは試験でマーク式の十問で、教科書持ち込み可で教科書を読みこめば100点も取れる感じです。なお過去問は無く、過去問が流れた場合、流れた過去問のエリアからは出さない、と公言しているので、ちゃんと勉強しましょう。

②神話論I
 毎年抽選で五倍以上を叩き出している講義です。但し神話論Iはいわゆるギリシャ神話や北欧神話などの神話を直接扱うわけではなく、神話体系に対して意見を述べたフロイトやニーチェなどの学者の意見を紹介する講義なので、講義名だけで判断しないように。講義自体は自分にとっては楽しかった記憶がありますが、だんだん人が少なくなっていった記憶があります。
 成績評価は課題と期末レポートですが、期末レポートは授業中に紹介された本の中から一冊選んで全部、あるいは一部を要約するものですので真面目にやっていれば単位は来ます(どの講義でも言えますが)。

③認知心理学I
 認知心理学と言っているが、やっていることは視覚科学。といってもちゃんと心理学はしている。毎回レジュメがあるが、画像が殆どで毎回ちゃんと出席してメモを取る必要がある。個人的にはこれが大学の講義かあ、と思った講義。講義の度にクイズがあり、答えがその講義中で一回しか言っていない事とかもあるので集中して聞くように。
 成績評価は毎回のクイズと期末試験。期末試験は大問が二問あり、当時は過去問が京大wikiにあったので大問1はそこからある程度対策が立てられるが、大問2は総合理解力に近い問題でちゃんと論理的に解答する必要がある。ちゃんと論理的に書けていたら大丈夫、単位は来る。

④神経心理学I
 症状と脳との関連性を学ぶ講義。レジュメはわざと大雑把にしか書いておらず、ちゃんと講義を受けないと分からないスタイル。授業中のパワポに殆ど書いているので全部メモれば試験はオッケー。内容を大雑把に言うと、脳のこの部分が失われるとこの症状が出る、ということをひたすらやっていく。あくまで大雑把なので講義自体はもうちょっと深くやっている。
 成績評価は試験一発。自分が受けた年はオンラインで講義メモ等色々と持ち込み可で選択式と記入式、論述は無い。ただそれでもかなり忙しい試験だった記憶。

以下二回生の時に受けた全学共通科目

⑤日本史I(月2)
 同じ講義が月3にも行われている講義。講義内容は自分が受けた年は平安時代の摂関家を中心とした政治史と当時の文化であり、三年周期で講義内容が変わる。今年は推古朝から。先生が楽しく喋るのでこちらも楽しくなってくる。ちゃんと講義を受けていると高校時代の日本史の内容の流れが、こういう理屈で展開されていったのか、と思うことも多々あった。とはいえ、その理論で確定している訳ではないので、疑問に思ったら先生に質問するのもいいかも。
 成績評価は試験一発。扱ったテーマから一本と単語説明の三問で論述する。

⑥東洋史I(月3)
 同じ講義が月2にも行われている講義。講義内容は古代中国と日本などといった対外関係について。当時はレジュメが完璧すぎて毎回課されたクイズが授業を受けなくても答えられてしまっていたため、後期からはレジュメの完成度をわざと下げ、また出席点が追加されるようになった。ちゃんと出席しているかは全学共通科目を管理している部署のシステムから判断する。
 成績評価は通常点と期末レポートで半々。以前通常点を六割にした結果、通常点だけで単位を貰ってしまった先輩がいたため、このような形式になったとか。レポートの体裁はかなり厳しくチェックしているらしく、体裁不備で成績が一気に落ちている人が毎回少なくとも一割から二割は確実にいるらしい。もうちょっといるかも?

⑦国語国文学I(火5)
 多くある国語国文学Iのなかで比較的人気のある講義。抽選は一昨年、去年必ず起こっていた。講義内容は萬葉集巻15の解説で、自分が専攻している分野でもあるので面白かった。巻15は遣新羅使の歌群が前半にあり、その歌を一首ずつ解説する。この巻は下手でもないが、滅茶苦茶上手いわけでもない、解釈が一本に定まりやすい歌群なので万葉集に触れてこなかった人にとってもとっつきやすいエリア。雰囲気は柔らかい。
 成績評価は小テストと期末試験、という体裁の小レポート群。必ず一問は調べる必要がある、と自分は思っている。なお毎年半分ほどが後半になると出席しなくなるため、単位取得率が低く見えるが、実際はちゃんと受けていれば単位が取れる難しくない講義(簡単でもないとも思うが)。

⑧哲学I(火2)
 大体月曜に集中する哲学の講義のうち火曜に回されている講義。教授のお子さんがたまに体調を崩すため、その時にはオンライン講義になったり、また本人も病弱気味なので比較的休講になりやすい講義(とはいってもあくまで確率的には高くない)。前期は「世界について」という名目で講義が行われ、シラバスからは内容が推測しにくい。「知識」というものがどういうものか、近代哲学から現代までの流れをやっていき、時々関連した内容のもの(中絶問題など)を講義する。なお後期になると一転して古代ギリシア哲学をやっていく。
 成績評価は試験一発。なお、毎回点数調整が行われている。

⑨言学I(木3)
 二種類ある言学のうち古代日本語メインの講義。なお上記の国語国文学Iと同じ教員の方が担当している。もう一個の言学は現代語の音声学を中心とした講義。前期に関しては音韻や上代特殊仮名遣いなどを扱うが年によってはテンションが上がって文法などの後期の内容にも突入することがある。なお京大は教養科目だって言っているのに学生を突き放すようなものが多い中で、教科書をちゃんと用いるタイプの講義なので教科書は買うことがほぼ絶対。
 成績評価は国語国文学Iと同様に小テストと期末試験という体裁の小レポート群。期末試験では考察タイプもあり、ちゃんと時間を取って考えるのであれば面白いなあ、とは個人的に思う。期末試験の提出期間が試験期間終わってからもしばらくあるタイプなのでかなり余裕がある(はず)。 

番外編
⑩統計入門(後期金1)
 数多くある統計入門という講義名の講義の中で文系向けの統計入門の講義。2023ではどうなるかは分からないが、授業内容が録画され、授業後に公開されたのでかなりありがたかった講義。高校で習った中央値などといったものから標準的な推測統計までをやる。成績評価はレポートと通常点、期末試験だが、期末試験で出る計算問題が高校レベルなのでビビらなくても大丈夫。

総人向け国際文明学系歴史文化社会論の講義

①西欧古代中世表象文化論IA
 文学部と共同開講されている、古代ギリシア哲学史の講義。教員は文学部所属で、他学部聴講では文学部は3回生からだが、この講義は総人ならば二回生から取れる。講義内容は二年周期で今年はプラトンの基礎からアリストテレスなどを扱う。自分が受けた年は古代ギリシアの哲学以前、神話・宗教から始まり、プラトンの基礎まで。先生の喋り方的に眠くなるかも。
 成績評価は期末試験の練習としての小レポートと期末試験が1:3。なお点数が低いのか点数調整が行われている模様。というのも期末試験では五つのテーマから三つ選んで、提示された五つのキーワードを全て用いて記述するものであるが、自分は一つのキーワードを用いずに記述したのにもかかわらず満点だったため。とはいっても、大雑把にではなくプラトンやアリストテレスあたりの哲学を表面だけでなくちゃんと学びたい人向けであるので、教養的にもいいのではないか? と思い紹介した。

②日本語学・日本文学IA
 様々な日本語学・日本文学系の講義のうちの一つ。恐らくシラバス詐欺の講義で成績評価も色々書いていますが、実質はレポート一本です。総人では二回生から取れますが、文学部は三回生からであり、個人的には受けてよかったけどちょっと寂しかった講義です(周りが文学部の三回生以上か院生なので)。講義内容は今は日本書紀歌謡の最新の研究内容を交えた解説であり、大体ワンクールで15程の歌謡を扱います。平安時代以降の和歌とは異なり、付帯文脈が存在するため、単純に読むことがかなり難しいんだな、とはここ一年で思った感想。単純な文学だけでなく、国語学、民俗学、哲学などが絡むので内容も結構濃い。
 成績評価は上記の通りレポート一本だが、発表もしていいとのこと。だが、別に発表しなくてもいい。レポートの内容も授業内容に関連した日本書紀歌謡のレポート或いは講義内容のまとめ。ただ講義内容のまとめはちゃんと書こうとすると一万字は超える。授業スタイルが板書だが、ピンポイントにしか記入していないため、論理訓練として有効(実際レポートを書いててどういう流れなのかを再構成するかを思い出しつつも悩んで書いた)。

③日本古典講読論I
 室町時代以降の連歌を理解するために源氏物語の受容を理解するための講義。とは言っても別に連歌に興味が無くとも教養として源氏物語を大雑把に把握するためにもいい講義である。講義内容は室町時代辺りに書かれた、作者不明の巻名歌の解説書でその過程から源氏物語の本文にも触れる。世間の状況によってではあるが、一人一人指定して扱っている解説書の解説部分を読ませる。なおその解説部分が記憶を元に書かれているせいか、源氏物語の内容を混同している箇所もあり、先生が指摘したりするので講義をちゃんと受けてないと後で見返した時、混乱する可能性がある。
 成績評価は試験一発。講義中に紹介される絵を見てどの巻を表しているのか、またどういった状況を表現しているのかを説明する。

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