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「試し行動」とは?それは不安のサインの一つかも
先日、私が所属している 少年補導員の会 の皆さんと、福岡市西区今津にある 「子どもの村福岡」 を訪ねました。
「子どもの村福岡」は、親と離れて暮らす子どもたちが、家庭的な環境で安心して成長できるよう支援している施設 です。
ここでは、育親(いくおや)が 親代わり となり、子どもと愛着関係を築きながら生活を共にします。
その関わりの中で、子どもの アイデンティティ や 自尊心、そして 他者への思いやり を育むことを大切にしている場所です。
「試し行動」って? 不登校の子どもにも共通するもの
説明を受けている中で、スタッフの方がこんな言葉を話されました。
「里親さんに預けられたとき、子どもは“試し行動”をすることがあります。」
この言葉を聞いて、私は 「これは、不登校の子どもと同じだ」 と感じました。
試し行動とは?
試し行動 とは、わざと周囲の大人を困らせるような言動をとり、その反応をうかがう行為のことです。
例えば、こんな行動が見られます。
・わざと大人の言うことを聞かない
・困らせるような言葉を投げかける
・物を壊す、投げる、乱暴な態度をとる
・約束を破る、嘘をつく
これは 「意地悪をしたい」わけではなく、「本当に大丈夫なの?」と大人を試している ことが多いのです。
子どもが試し行動をする背景には、こんな気持ちが隠れています。
「この人は本当に自分の味方?」
「ここにいてもいいの?」
「どこまで許されるんだろう?」
不登校の子どもたちも、心の奥で 「学校に行っていないこんな私でも、受け入れてくれる?」 と 試している ことがあります。
子ども自身は 「わざと困らせている」 という自覚はないかもしれません。
でも、心の奥には 「不安」「寂しさ」「確かめたい気持ち」 が隠れていることが多いのです。
試し行動とイヤイヤ期・反抗期の違い
試し行動は、イヤイヤ期や反抗期 に似た行動が見られるため、見分けがつきにくいことがあります。
ただし、試し行動をする子どもは、大人に対する不信感を強く抱いていることが多いのです。
「どうせまたダメなんじゃないか」「本当に大丈夫なの?」という不安が、行動に表れるのです。
試し行動への対応は?
試し行動をされたとき、親としてどう対応すればいいのでしょうか?
❌ 親が無理をしてすべて受け入れる
→ これは NG です。
親が疲れてしまうだけでなく、子どもも「もっと試してみよう」となり、お互いがどんどん苦しくなっていきます。
✅ 「してあげること」と「できるけれどしないこと」を決める
→ 親が線引きをすることが大切 です。
「どこまでOKで、どこからはNOなのか」親自身がブレないことが、子どもに安心感を与えます。
✅ 「ダメなものはダメ」と伝える
→ 「否定しない」とは、なんでも許すことではありません。
子どもの気持ちは受け止めつつ、「ダメなことはダメ」と伝えることも大切 です。
✅ 叱るとき・叱らないときの一貫性を持つ
→ 今日はOKで、明日はダメ… ではなく、ルールを統一すること。
一貫性のある対応が、子どもに「この人は信じても大丈夫」と思わせることにつながります。
✅ 親が間違ったときは「ごめんね」と謝る
→ 大人も 「ごめんね、言いすぎたね」と素直に謝る姿を見せること で、子どもは安心します。
子どもにとって「安心できる大人」でいること
試し行動をする子どもは、「この人は信じても大丈夫かな?」と何度も確認します。
だからこそ、大人の態度がブレないこと がとても大切です。
「この人は、何があっても自分を見捨てない」
「困ったときは助けてくれる」
そんな 安心感 が、子どもにとって 一番の支え になります。
子どもが 試し行動をしているとき、それは「愛情を求めているサイン」 かもしれません。
「この子は、何を確かめたいんだろう?」と考えながら、一歩引いて見守ることも大事ですね。
親も 「すべて受け入れなきゃ」と無理をせず、線引きをしながら向き合うこと。
それが、子どもが安心できる環境をつくる第一歩になるのではないでしょうか。