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「教室に入れない子」の気持ちに寄り添うために
小学校で支援員をされている方から、こんなご相談をいただきました。
「低学年の子が、朝、教室に入ることをためらいます。でも、一度入ってしまえば、特に問題なく過ごせているようです。朝は廊下をウロウロしたり、保健室に寄ったりしているのですが、最終的には担任や養護の先生の声かけで教室に入っています。支援員として何かできることはありますか?」
これは、学校現場では決して珍しいことではありません。
登校しても、すぐに教室に入れない子。
廊下で時間を過ごし、何かを迷うような様子を見せる子。
でも、いざ教室に入ると、他の子と同じように過ごせている。
こうした子どもたちは、「学校が嫌い」なのではなく、「何かが不安」 なのです。
「絶対に裏切らない味方」が必要
私が支援員の方にお伝えしたのは、
「まずは、その子の話をよく聴いてあげてください。そして、何があっても裏切らない味方になってください。」と。
この「味方」というのは、単に「あなたのことを応援しているよ」という意味ではありません。
「どんな状況でも、あなたの気持ちを受け止める存在」 であることが大切なのです。
支援員の方は、
「私たちはみんな、その子の味方のつもりで接しています」とおっしゃっていました。
でも、子どもにとっての「本当の味方」とは、
・どんな気持ちも否定せずに聴いてくれる人
・困ったときに、絶対に助けてくれると信じられる人
・「大丈夫だよ」と心から安心させてくれる人
なのです。
「なぜ教室に入りづらいのか?」を考える
その子のことを私は直接知らないので、あくまで推測ですが、
「過去に何か不安を感じた経験があり、それがまた起きるかもしれないと感じているのでは?」
と考えられます。
例えば、
・以前、教室でイヤな思いをしたことがある
・先生や友達に注意された経験があり、また怒られるかもと不安になっている
・朝の教室の雰囲気に馴染めず、気持ちを切り替えるのに時間がかかる
こうした理由から、「教室に入る前に気持ちを落ち着ける時間が必要」なのかもしれません。
でも、周りの大人が「気にしないの!」「そんなの大丈夫だよ!」と簡単に片づけてしまうと、子どもの不安は解消されません。
子どもに安心感を与える関わり方
そこで、支援員さんには 「その子の不安を聴くこと」 をお願いしました。
そして、
「不安になったときのサインを一緒に決める」
ことも提案しました。
例えば、
✅ 手をギュッと握る
✅ 目を合わせて軽くうなずく
✅ そっと背中をトントンする
こんな小さな「サイン」があるだけで、子どもは「助けてもらえる」と安心できます。
また、「教室に入るのが怖くなったときは、絶対に助けるからね」 と約束することも大切です。
「この先生は絶対に守ってくれる」
そう思えたら、子どもは少しずつ安心して前に進めるようになります。
「みんなと同じ」を強要しない
特に低学年のうちは、まだ学校に慣れていない子も多く、心の準備が必要な子もいます。
でも、周りの子がスムーズに教室に入る中で、
「みんなと同じようにしなきゃ」とプレッシャーを感じてしまうこともあります。
そんなとき、支援員の方の存在がとても大きな支えになります。
その場の教室の雰囲気を気にして、その子の気持ちを丸め込まないこと。そ
子の感じる困り感に寄り添ってほしいのです。
「大丈夫だよ、あなたのペースでいいんだよ」
この安心感があるだけで、子どもは徐々に教室に入ることに慣れていくかもしれません。
「味方がいる、一人じゃない」 と思えることの大切さ
これは、子どもだけでなく、大人にとっても同じことです。
自分の気持ちを理解してくれる人がいる
困ったときに、助けてくれる人がいる
どんなときでも見守ってくれる人がいる
こうした「安心できる存在」があると、人は前を向くことができます。
子どもたちが「自分は一人じゃない」と思えるように、
「安心できる場所」を作ることが、大人の役割ではないでしょうか?
特に支援員さんは、子どもに寄り添える大切な存在です。
ぜひ、「みんなと同じ」を求めるのではなく、「その子が安心できる方法」を一緒に考える支援」 をしてあげてほしいなと思います。
その子が、「教室に入るのが怖くない」と思える日が、きっと少しずつ増えていくはずです。