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冬休み明けに娘が教えてくれたこと ~親としての気づき~
冬休みに入りましたね。この時期になると、私たち家族の出来事を思い出します。それは、娘が冬休み明けに学校に行けなくなってしまったことです。
クリスマスもお正月も家族で楽しく過ごしていたはずでした。だからこそ、なぜ突然学校に行けなくなったのか、当時は訳が分からず戸惑うばかりでした。
なぜ冬休み明けだったのでしょう?
娘が大人になり、少しずつ当時の気持ちを話してくれるようになって初めて、理由が見えてきました。その背景には、親としての無意識の行動が大きく関わっていたのです。
当時は、年子の妹の進路決定の時期でした。妹は将来なりたい職業があり、その勉強ができる高校は県内にはその私立高校しかなく、また合否判定で優遇されやすい専願受験を選びました。
一方、不登校になった娘は父親から「高校は公立でなければならない」と言われており、密かに自分が行きたかった私立高校を諦め、公立高校を選びました。
彼女はそのために大変な努力を重ねました。特に、学区外の公立高校に行くためには推薦を取らなければならず、そのハードルを越えるために懸命に頑張っていたのです。
しかし、冬休みの中で、妹が私立高校を選んだことを知り、娘は大きなショックを受けました。「自分はダメだったのに、なぜ妹は許されたのか?」という思いが心にしこりを残し、そのしこりが少しずつ広がっていったのです。
親の「無意識」が生む心の壁
当時、娘はきっと私たちに「私も私立に行きたかったのに」と伝えたはずです。しかし、私たちは「言わなかったじゃないか」と答えたのでしょう。もしかすると、「言っていたら行かせてもらえたの?」という娘の問いに、「そうだ」と返したのかもしれません。
そのような言葉が、どれだけ彼女の心を傷つけたか。当時の私たちは想像すらできませんでした。むしろ、「今通っている高校も自分で選んだでしょう?」と、さらに追い打ちをかけるような言葉を口にしたことさえありました。
今思えば、娘は「言わなかった」のではなく、「言えなかった」のだと思います。そして、私たち夫婦は娘の言葉を「聴いていなかった」のです。それほど、私たち親の威圧が強かったのだと気づかされました。
親としての気づきと反省
子どもにとって、大切なことは親から見れば「こんなことで」と思うような小さなことかもしれません。しかし、その小さなことが、子どもの心には深い傷を残すことがあります。親としての「無意識な言葉」や「態度」こそが、子どもを傷つけてしまう原因になるのです。
娘から泣きながら言われた言葉に、夫が「そんなつもりはなかった」と言ったことがありました。その時初めて、私たちは自分たちの「無意識」による行動がどれほど恐ろしいものかに気づかされたのです。
今だから思うこと
この経験を通じて、私たちは親として子どもの気持ちをもっと丁寧に聞き取る必要があることを学びました。子どもが本音を言えるような環境を作ること、そして、たとえ子どもから厳しい言葉を向けられたとしても、それを受け止められる親でありたいと思うようになりました。
もし今、不登校や子育ての悩みを抱えている方がいらっしゃれば、ぜひお子さんの「本当の声」に耳を傾けてみてください。そして、親自身の「無意識な言葉や行動」がどのようにお子さんに影響を与えているかを見つめ直してみてください。
娘が教えてくれた気づきを、これからも大切にしていきたいと思います。そして、この経験が少しでも多くの方の役に立てばと願っています。