【中年学生日記 7】 システム
本当に単位というものに触れてこなかった人生だった。
「友達に出席つけてもらってなんとか単位取れたわ」「あの授業は楽単だったわ」「単位落として卒業延びてもうたわ」
どうやら大学生活において単位が重要なものらしいとは分かってはいたが、まさかこんなに重要なものだとは。
日本大学では卒業するのに124単位が必要。
通信でこの単位をどうやって取得するかはいくつかの方法がある。
まずは必修科目というのがあって、それが書かれた冊子と睨み合いながら自分の受けたい授業を決める。
決めたらこれを学びますという履修登録なるものをする。
そして教科書を学生専用のサイトから発注。
ちなみにこの教科書は授業料の中に含まれており、年間30単位分は無料で発注することができる。教科書は一冊2000円以上するものがほとんどなので、自腹で買わなくてはいけなかったとしたら目をひん剥いていたと思う。
教科書が届いたら自分のペースでその教科書を読んで勉強していく。
教科書を丸々一冊勉強できたらリポート作成。
課題に沿ったリポートを1600字以上2000文字以内で執筆。
日本大学ではパソコンによるリポート提出は不可能で、専用の用紙に手書きで提出しなくてはならない。
別に手書きくらい楽勝でしょ?なんて入った時には思っていたが、この苦労は想像をはるかに超えてくることを後々、イヤというほど味わうことになるがそれはまた後日。
このリポートを課題ごとに2通提出、つまり一科目あたり約4000字も手書きしなくてはならない。
これで単位取得かと思いきやまだまだ先はある。
提出後、科目修得試験というテストを受け、これに合格、さらにリポートも二通とも合格して初めて単位取得となる。
ちなみにこの試験はいつでも受けられるわけではなく、年に4回しかない。
しかも受けられる教科の試験の時間帯は固定されているので、もし選択した教科の試験時間が被った場合、当然どちらかしか受けることができない。
それも踏まえた上でどの教科を選択していくのかという、ちょっとしたパズル的思考も必要だったりする。
2つ目の方法としてはスクーリング。
いわゆる実際に大学に行って授業を受けるというもの。
通信は家での勉強でこなしていかないといけないのかと思っていたらこんな方法もある。
しかしスクーリングに申し込むには1単位あたり1万円が必要になる。2単位欲しければ当然2万円かかる。
リポートを提出する手間がないのと、半強制的に勉強をこなしていくため、教科書を開くのがどうしても重い教科をクリアするには最善の方法なのかもしれない。
しかし2万円かかる。
入学費が安いのだからそこでお金を取ることは至極当たり前なことだとはわかってる。
しかし2万円かかる。
ちなみに通信というのは全国どこからでも入学できるというのが強みなのだが、そんな人達はスクーリングは使えないのかというと実は代わりにメディア授業というものがある。
パソコンを使って、送られてきたYouTubeアドレスを開いて動画を見て勉強するというものである。ちなみにこちらは1単位2万円。
つまり一教科4万円かかる。
仕事の都合上、このメディア授業も受けなくちゃいけないかもと思っていたが、実はこのコロナ禍で学校に実際に行けなくなったため
スクーリングもこのメディア授業と同じ方法で配信によって行われている。
通常4万かかるものが半額ででき、なおかつ実際に学校に行かないので夜中の勉強も可能ということを考えると、コロナへの憎しみも幾分か減少された。
三つ目は一つ目と二つ目のハイブリッドパターン。
リポート、試験で1単位、スクーリングで1単位。
このハイブリッドは最初見た時から一番効率悪そうに見えるのだが、4年間で自分も使う時がくるのだろうか。
今はシステムについてある程度理解してるのだがそれでも100%理解はできていない。
ましてや入学した当初なんかに、こんなややこしいやり方を把握できるはずもなかった。
なので通信は通信らしく、教科書を発注して家で黙々と勉強をする1つ目に紹介したやり方で始めてみた。