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ふだん着物でお出かけ*東京編
毎年、相方と計画して年に一度は旅行しています。
……が、今年はいろいろ事情があって遠出ができなくなりました。
まあ、日帰りではアチコチ出かけているので、今年は仕方ないな……と思っていたのです。
でも、相方は諦めていませんでした。
「このホテル、気になるからいってみない?」
今年は旅行なしだと思っていた私は、一も二もなく頷きました。
「いく! めっちゃいきたい!」
ちょうど東京国立博物館で開催中の特別展や、太田記念美術館にも行きたいね……と話していたので、一泊で出かけることにしました。
で、せっかくだから着物で出かけたいなぁ……と思ったのですが。
天気予報では予定の二日間とも夏日の予報で、単衣でも暑そうな気候。
それでも、せっかくだから数日前からコーデに頭を悩ませておりました。
単衣を着るとして、秋っぽいイメージにするには、どうしましょうかねぇ。あちこち歩きまわるし、食事もするだろうから、汚れが目立たない色や柄がいいなぁ。
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はてさて。
そんなこんなで、当日がやってまいりました。
結局、悩みに悩んだ結果、この日のコーデは黒の変わり縞に、こちらも変わり縞織り出し名古屋帯を合わせる形で落ち着きました。
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半襟と丸ぐけの帯締めは、お友だちからのプレゼント。
帯はリサイクルで入手してから、この日はじめて結びました。とてもやわらかく、そのうえでお太鼓の形もピシッと決まって、とても結びやすかったです。
帯揚げは義母のお下がりを使わせてもらいました。
さあ。
バタバタと身支度を整えて、早朝、車で出発です。
途中の海老名SAで軽く朝食をとって、一路、渋谷へ。
目星をつけていた駐車場までの道のり、若いころ、相方は散々渋谷で遊んだらしいですが、今の光景を見て「俺の知らん渋谷になっとる」と、唖然としておりました。
無事に駐車場へ車を停めて、いざ太田記念美術館へ。
日差しがきつくて、日傘をさして向かいました。
目的は、『葛飾応為「吉原格子先之図」~肉筆画の魅力~展』です。
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長年、いきたいと思いつつ、なかなか叶えられなかった太田記念美術館。
しかも、大好きな応為の「吉原格子先之図」が見られるとあって、内心めっちゃ興奮しておりました。
館内は思っていたよりこじんまりとしていました。
海外でも浮世絵はやはり人気のようで、来場者の半数ぐらいが外国人の方でしたね。すごく熱心に鑑賞されていたのが印象的でした。
私もここぞとばかりに見入ってきました。展示作品がけっして多いわけではないと思いますが、1時間はかかりましたね。もっとじっくり見てまわりたかったのですが、館内が暑くて汗だくになってしまい、一周しただけで出てしまいました(痩せたら汗もかかなくなるかなぁ)
隣接する手拭い屋さん「かまわぬ」さんで、大好きな手拭いを購入。叶うなら全商品欲しいけど、グッと我慢しました。
太田記念美術館をあとにして、次に向かったのは東京スカイツリー。
私も相方もはじめてです。
実は今回、一日目は太田記念美術館へ、二日目は東京国立博物館、ということだけで決めて、あとはその時々で動こうということになっていました。 駐車場で話し合った結果「じゃあ、スカイツリーでも登るか」となったわけです。
それにしても、今は本当に便利になりましたね。スマフォでササッと当日券が予約できてしまうのですから。
ナビさんに案内してもらいながら、晴れた空にそびえるスカイツリーを目指します。
途中、浅草寺近くや、憧れの神谷バーの前を通って、ときどきポケストップ回したりしつつ、無事にスカイツリーへ。
ちょうどお昼時だったので、スカイツリーの予約時間までランチを食べてすごすことに。
実は以前、テレビで世界中のビールが飲めるお店があると知ってから、気になっていたお店に向かいました。
テラス席へ案内していただき、さっそくビールを注文。
食事はフィッシュアンドチップスとソーセージの盛り合わせ、パスタ等を注文。なかなかのボリュームで大満足でした!
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想定外のボリュームに四苦八苦しつつ、ビールもしっかり堪能した後、予約時間が近づいたのでスカイツリーの入口へ。 平日だったのですが、お天気がいいせいもあってか、観光客の姿も多くてとても賑わっていました。
といっても、時間制の予約チケットのおかげで、待ち時間もなくすぐにエレベーターへ案内され、外国人観光客に囲まれて一気に地上350mの展望回廊へ。
エレベーターを降りて視界が開けると、とても素晴らしい光景が目に飛び込んできました。
ぐるっとフロアを一周して、東西南北、東京だけでなく関東平野を眺めては、見知った建物等を見つけてはしゃいでおりました。
実は私、高所恐怖症なのですが、思ったより怖くなかったです。
(あべのハルカスではエレベーター下りた瞬間、胃の奥がキュッとなったんですけど、あれで耐性がついたのかな?)
すでにクリスマスデコレーションでフロアが飾られていたり、某キャラとのコラボもあったりで、フォトスポットも充実していました。
フロアを一周して、さらにエレベーターで展望デッキへ。
高さの感覚としてはそれほど変わった感じはしませんが、展望回廊からの眺めはやっぱりきれいです。
残念ながら富士山までは見えなかったけど、とてもいい経験ができました。
ちなみに、ガラスの床では、やっぱり怖くて腰が引けてしまったですよ。
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日が少しずつ傾いてきたので、いざホテルへ。
少し渋滞に巻き込まれましたが、とくに問題なく到着しました。
今回お世話になったのは、「ラビスタ東京ベイ」さんです。
豊洲市場の目の前で、電車でのアクセスもめっちゃいい。
部屋からは東京のビル群が見えて、ちょっとリッチな気分になれます。
旅行といえば、地方ばかりだったので、都会でのんびり過ごすというのは、実ははじめての経験でした。
(オタクなのでイベント上京とかばかりなのですよ)
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チェックイン時にホテルのレストランを予約しようと思ったら、すでにコースの予約は満了とのこと。
残念に思いながら、まだ夕飯には早かったので、まずは温泉に入って部屋でゆっくりしようということに。
お風呂もとってもよかったです。私は寝湯がとくに気に入りました。
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その後、夕日が沈みゆく絶景をぼうっと眺めていると、遠くに富士山が見えることに気づきました。
私は、自分でも理由がわからないくらい、富士山を眺めるのが好きでして。スカイツリーからは拝めなかった姿に感動しました。
きっと江戸のころは、ビル群の影もなく、丹沢の山々と富士山が見えたんだろうなぁ。
さて、夕飯はどうなったかというと。
ホテル周辺で夕飯を食べられるお店はあまりなく、かといってこれから出かけるのも面倒ということで、隣接する日本料理屋さんへ。
着物は温泉に入るのに脱いでしまったので、この後は翌日も薄手のニットと辛子色のスカート、ブーツというスタイルです。
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夕食後はホテルの前の運河沿いを少しお散歩しました。
都会の夜景は本当にきれいですね。
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部屋に戻ってからも、とにかく景色がキレイで、ベッドやカウチソファに座ってずぅーっと眺めていました。
その後、しっかり系列ホテルでお馴染みの夜泣きそばを食べて、もう一度お風呂に入ったり、ただただのんびり過ごしました。
翌朝、朝風呂にもしっかり入りましたよ。
有名な朝食のビュッフェも美味しかったです。好きなモノばかり盛って、さすがに多いかと思ったのですが……。
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食後、その足ですぐ目の前の築地市場へ。
腹ごなしのお散歩目的で、下調べもなしに向かったのですが、とっても楽しかったです。
セリの時間は終わっていましたが、大きなマグロを運ぶ姿や、市場で働く人たちの様子が見られて大満足。
飲食店もいくつか気になるお店があったので、いつか食べに伺いたいと思いました。
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小一時間ほどお散歩して部屋に戻って、ゆっくりと荷造り。
二日目のこの日は、前日よりも気温が上昇するとのことで、悩みましたが着物は諦めました。
ということで、二日目は「着物でお出かけ」じゃないので、サクッといきますね(笑)
二日目の目的は、東京国立博物館。
お目当ては、「やまと絵」展と「京都・南山城の仏像」展、そして「横尾忠則 寒山百得」展です。
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「南山城~」は展示室の撮影が禁止で、入口も人だかりだったので、写真なしです。
トーハクも本当に人が多かった。とくに外国人観光客が特別展会場まで足を運んでくれているのに、ちょっと驚きつつ嬉しく思いました。
表慶館を訪れたのははじめてで、ずっと中を見てみたかったのですが、美しさにうっとり。展示も建物もとても興味深く見させてもらいました。
特別展を三つハシゴして、お昼もすっかり過ぎてしまったのですが、何が食べたいかイマイチ浮かばず。
(相方は軽く人酔い状態で疲れた顔してたし……)
とりあえず、東京文化会館のカフェで軽食をとって、帰路につくことにしました。
……ということで。
ふだん着物で東京一泊の旅、いかがでしたか?
今後も「ふだん着物でお出かけ」シリーズをお届けしようと思います。
……実は、今回の着付け、大失敗しているんですよ(涙)
気づいた方は、本人めっちゃ凹んだので、どうかご指摘はナシでお願いします。時間がなくて焦って着付けると駄目ですね。……反省。
過去にはクリップを帯につけたまま出かけたこともあるうっかりさんです。
ではでは、よかったら次回もお付き合いください。
ありがとうございました。
2023.11.22