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ド素人の初心者が釣りをはじめようとして困った話(後編)

SEOで「釣り」を重点的に対策して、フィッシングサイトに認定されてしまったらどうしよう、といらぬ心配をしている篠キチです。


釣りに関わる方達からよく聞かれる「いま釣りを始めようとする人がすごく少ない」という話。それの問題がどこにあるのか探るために、釣りの素人である僕が実際に釣りを始める体験をしてみた話の後編です。

前編では釣具屋さんに話を聞いたり、本を読んだりしてみましたがラチがあかなかったので、もう思い切って釣りをやってみちゃうことにしました。



釣りをしてみる その1:市ヶ谷フィッシュセンター

とりあえずやってみる、習うより慣れろ! というのも一理あると思い、なんでもいいから釣りをしてみるというチャレンジをしてみることに。

まず思いついたのは、いつも中央線の車窓から見えて気になっていた市ヶ谷の釣り堀、「市ヶ谷フィッシュセンター」。

初心者が行くならまずあそこだろうと考えて市ヶ谷に出かけようとすると、社内の釣男たちから「釣り堀は釣りじゃねえ(原文ママ)」という衝撃的なdisを受けます。マジかよ、釣り堀なのに釣りじゃないのか。

まあ気にせず、行ってみました。釣りじゃない釣りをしに。


初心者らしく何も下調べせずに手ぶらで行ってみたんですが、場所的にそういう人も多いのか慣れた感じで一通りのやり方を教えてくれて、初心者用の池に案内されました。基本は借りた竿に粘土みたいな練り餌を適当につけて落とすだけ。他の人のやり方をまねしながら始めてみました。

そして何もわからないまま、エサつける→池に落とす→待つ→エサなくなる、をひたすら繰り返すだけの時間がはじまり…

…さて……これは面白いんだろうか

にわかに不安になってきます。


そんなことを考えながらついでに周囲のお客さん観察みたいなことを始めてみましたが、あきらかに営業まわりの途中と思われるサラリーマン2人組や、大学生くらいの男子2人組、釣り好きな彼氏と見るからにつきあわされてるだけの彼女、なんとなく2人組が多い感じ。僕がいた初心者向けの池は入口のすぐ目の前でしたが、遠目に見える熟練者向けのエリアには常連感バリバリの猛者っぽい人がたくさんいました。そっちのほうは1人で来ている人が多そう。

しばらくすると女子大生3人組が初心者向けのエリアに降臨してきて、僕の対岸に並んで着席。それに伴って僕の集中力も初心者エリアに向けて急激に高まることになりましたので、これ以上ほかのお客さんの動向については何も情報はありません。カカトの高い靴でこれからテニスサークルの活動にでも行きそうな3人組女子大生もこういうところに来るんだなと思いましたが、お前釣りはどうした?という感じですね、すいません。


…そうこうしているうちに1時間が経過

結果、30分くらい経ったところで1匹だけ釣れまして、なんだかホッとしました。自分で自分を褒めてあげたいです。でも向かいにいた女子大生3人組も1匹ずつくらい釣ってたので、もしここで釣れてなかったら心が折れて僕の釣り人生はここで終了してたかもしれません。

でも、これで釣りが上手くなる感じはしなかったです。釣り堀は釣りじゃない、はある意味真理かも。サッカーとフットサルの違いみたいなものかな。魚を釣るという行為は同じですが、別の進化をした遊びのような感じがしました。

ちなみにこのときは平日の昼間に行ったんですが、なんにせよ40過ぎたおっさんがこの時間帯に釣り堀で釣り糸垂れてる姿は大変絵ヅラが悪いなと思いました。公園でハトにエサあげてる感がかなりあります。


釣りをしてみる その2:西武園フィッシングランド

もう1つ、これも釣り堀みたいなもんですが釣具屋の店員さんにお勧めされたプールフィッシングにも行ってみました。西武園ゆうえんち フィッシングランド。夏の間はプール営業してるところで冬は釣りができるという二毛作的なビジネスです。

としまえんでも同じような営業スタイルでやってたんですが、ご存じの通り2020年に閉園しちゃってます。さすがにハリーポッターの施設に釣り堀は復活しないだろうし


こちらも市ヶ谷同様に借り竿とエサが用意されているので手ぶらで大丈夫ですが、練り餌ではなくトウモロコシを一粒つけてプールに投げ入れるという流れ。現場に行ってみると、持ち込みの竿とルアーという本気度の高い人がたくさんいて、直感的に「あ、今日はダメかも」と思いました。周囲がガチ過ぎる。

ところが、何の期待もせずに投げ込んだ竿に5秒くらいでヒット。そのあとも10秒もたずに入れればすぐ食いつく。1時間で1匹だった釣り堀のイメージとは全く違い、僕のところだけ確変でも起きてるのかと思うくらいのまさに入れ食い状態。針を外す時間のほうが長いくらいで、結局15分くらいで5匹釣って切り上げることにしました。


これだけ簡単に釣れるなら子どもを連れてくるにはいいかなと思いましたが、さすがにこれはゲーム性もなければ情緒もない。釣りが上手くなる感じも全くしませんでした。網ですくうほうが難しいんじゃないだろうか、これ。

ちなみに借りた竿でのエサ釣りは釣った魚のリリースが禁止で、4匹を超えて釣ると300円/匹の追加料金を取られるルールになっていたので、15分で5匹の釣果でも追加料金発生でした。


西武園は釣った魚を捌いてくれて、焼き場も使わせてくれるので、子ども連れならほんとに楽しいかもと思いました。でも前のお客さんの様子を眺めていたら、捌いた魚の持ち帰り用におじさんが用意してくれるのはレジ袋に氷をぶち込んだ中に捌いたニジマスをビニール袋に入れて突っ込むというワイルドな仕様で、電車で来ていた僕には辛いパッケージだったので残念ながら持ち帰りは遠慮することにしました。


釣りをしてみる その3:ダイワ釣りツアー

実はかなり最初の段階でこれを見つけてて、一番よさそうだと思ってたんですが、いきなり行ってしまうと話が終わってしまうこと請け合いだったので最後のお楽しみに取っておきました。


釣具メーカーとして有名なダイワ(グローブライド社)は、子ども向けの釣りクラブ活動『ダイワ ヤングフィッシングクラブ(D.Y.F.C)』を40年近くも続けていらっしゃるんですが、実は僕みたいな初心者に向けた釣り教室みたいな活動として、『ダイワ釣りツアー・釣り教室』というのを開催しています。堤防釣りから船釣り、渓流でのニジマス釣り、ワカサギ釣りなどかなりバリエーションに富んだプランが用意されていて、道具もエサもすべて準備してもらえるうえ、指導員がついて一から指導してくれます。


これですよ、これ! 僕がしてほしかったのは。


タイミング的に春先でまだ寒くて時期的にはイマイチだったんですが、ダイワ釣りツアーの土日開催分はいつもすぐに満員御礼・キャンセル待ちという人気っぷり。僕もキャンセル待ちから入ったんですが、運良く空きが出て参加することができました。

場所は本牧海づり施設。近くに駐車場もあるので僕は車で行きましたが、横浜駅からバスで行くこともできるので便利です。

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集合時間に施設の2階に参加者が集められ説明が始まりましたが、参加者は6割くらいがシニア層、3割くらいが親同伴の小学生。釣りアプリのインタビューをしたときに、仕事を引退したシニア層が釣りを始めることが多いという話や、釣りを教えてくれる人がいない子どもの行き場がないという話題が出ていたんですが、それを証明するような感じでした。

ひとしきり説明をうけたあと堤防に出ると、道具一式とサビキの仕掛けを渡され、エサの入れ方から基本を教えてもらいます。


あとはひたすら釣り。3時間ほど。そのあいだ指導員の人が2人ほど巡回して、アドバイスをしてくれます。これがありがたい。釣り方だけでなくちょっとしたマナーのようなことも教えてもらえるので本当に心強かったです。

初心者って周囲の熟練者とかに迷惑かけてしまうんじゃないかという不安が大きくて、それだけでトライすること自体をやめてしまったりするんですよね。


そんな感じでしばらく竿をたらしながら、たまたま隣になった1人で来てたおじさんに話を聞いてみると、実は船釣りはけっこうしたことがあるという方で、今回は堤防釣りをはじめてみたくてこのツアーに申し込んだとのこと。完全初心者向けの釣りツアーではありますが、道具から何から全部用意してもらえることもあってか、このおじさんみたいな経験者っぽい人もちらほら見かけましたし、ツアー自体のリピーターもそこそこいるみたいでした。道具を揃えるとなるとそれなりの初期投資がかかるので、しばらくはこういうので楽しむのもありかなという気がします。


肝心の釣果のほうはまったく釣れる気配も無く、途中で僕の釣果を狙う刺客が現れたりしましたが、残念ながら奪われるような釣果も無く、ノーフィッシュでフィニッシュしました。ツアー参加者全体でも2匹だけという結果でしたし、後日本牧海釣り施設の釣果ページで確認しても、ほとんど釣れてなかったようです。(みんな釣れてなかったという情報を必要以上に強調)

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参加してみて思いましたが、やはり直接指導してもらえる環境は心強い。僕の場合、釣りをしている知り合いはたくさんいたので、頼めば釣りはいくらでも始められる環境ではありましたが、そういう役得な状況をあえて避けてやってみてわかったのは、釣りをはじめる人が少ないんじゃなくて、釣りを始めようとしている人を受け入れる準備が整っていないということが問題なんだろうなと思いました。


昔は父親とか祖父に釣りを教わるというパターンが多くあったり、釣りのマンガやバス釣りブームなんかで放っておいても釣りをはじめる人がたくさんいたんだと思いますが、そういうのが無くなったいま、釣りをはじめてみようと思った人が実際に何に困っているのか、何が不安なのかということが、釣りをしている側・関わっている側の人たちに実感として伝わっていないのかもという気もします。「現場にいって聞いてみたら?」と突き放すのではなく、ダイワ釣りツアーのように丁寧に拾い上げていくことが大切だと、実際に体験して身にしみて感じました。

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